[写真]民主党幹事長で参院議員会長の輿石東さん。
きょう2012年1月25日早朝、連合会長の古賀伸明さん(電機連合)と、経団連会長の米倉弘昌さん(住友化学)が会談し、さあいよいよ2012年春闘がスタートしました。言うまでもなく、春期生活闘争は賃金だけでなく働く仲間の環境を整える1年でもっとも重要な運動です。ただ、連合傘下の産別で、これに参加しない産別があります。それは、「自治労」、「日教組」、「都市交」、「全水道」といった官公労です。これは、人事委員会勧告により給与改善が図られるので、経営者(市長ら)との春闘はありません。
昨年の第179臨時国会で積み残しになった「国家公務員給与7・8%削減関連法案」(第177国会閣法74号〜80号)の成立に向けた3党協議が整いつつあります。前原誠司さん、茂木敏充さん、石井啓一さんの民自公3党政調会長が合意に近づきつつあります。
ところで、この「関連法案」の中に、“トロイの木馬法案”と表現してもいい、一部中央官僚が焼け太りするトンデモない法案がまぎれていることにどれだけの人が気付いているのでしょうか。
「公務員庁設置法案」(177閣法76号)がそれです。
この法案には次のような内容が含まれています。
(1)内閣府設置法に基づいて、内閣府の外局として、「公務員庁」を設置する。
(2)公務員庁は、国家公務員の人事行政、行政機関の機構、定員に関する事務を総合的かつ一体的に遂行することを任務とする。
(3)国家公務員の任免、分限、懲戒、服務および退職管理、人事評価、退職手当制度、団体交渉及び団体協約に関することをつかさどる。
(4)行政機関の機構、定員並びに運営の改善及び効率化に関する企画及び立案並びに調整。
(5)各行政機関の機構の新設、改正及び廃止並びに定員の設置、増減及び廃止に関する審査。
(6)独立行政法人に関する共通的な制度の企画及び立案。
(7)公務員庁に退職手当審査会を置く。
(8)公務員庁に、地方支分部局として、管区国家公務員局を置く。
まず(8)の出先機関の新設は、「出先機関を原則廃止する」とした民主党マニフェスト違反です。もちろん2月10日付で内閣府復興庁のもとに「復興局」と支所という出先機関が新設されるわけですが、これはマニフェスト後に大震災があったからしょうがない。
そして、(4)〜(5)では、行政機関の機構の新設に関して企画、立案、調整、審査ができるとなっています。これは行政改革の権限を、国会や、国会議員である政務三役から奪いとることにほかならないでしょう。
そして、(2)(3)をみると、人事院が持つ機能を、内閣府公務員庁が奪うという条文と考えられます。人事院の設置根拠は国家公務員法第3条で「中央人事行政機関」として「内閣の所轄の下に人事院を置く」とあるのが根拠です。
国会提出中の「国家公務員法改正案」(177閣法74号)を読むと、「(国家公務員法の)目次を次のように改める」とあり、その目次を見ると、人事院の規定がまったくなくなっています。
ナント、「新しい目次」から「第2章 中央人事行政機関 第3条 人事院」の規定がそっくりそのまま消えて無くなっているのです!
同法案の附則には「第二条第三項第三号中「人事官及び」を削り、」とあります。現行の国家公務員法は、特別職として「内閣総理大臣、国務大臣、人事官及び検査官・・・」と列挙されています。3人いる人事官が互選して選んだ1人が「人事院総裁」です。すわなち、177閣法74号は「人事院廃止法案」です。人事院が廃止されれば、当然、人勧(人事院勧告)は廃止です。国の人勧が廃止になれば、地方の人勧(人事委員会勧告)もやがて廃止になるでしょう。地方公務員法も国の法律であり、国会が審議する法規です。
「公務員庁設置法案(177閣法第76号)」と「国家公務員法改正案=人事院廃止法案(177閣法第74号)」という“トロイの木馬法案”が潜んだのが、「国家公務員給与7・8%削減関連法案」なのです。仮にこれを年末の臨時国会で成立させたら、行革も、天下り独法の改革も、定数管理も、職員の懲戒処分も、省庁の新設も廃止も、定員削減も、すべて内閣府公務員庁の仕事になっていたところでした。また職員の採用試験も人事院廃止後は公務員庁になっていたところでした。
私は、公務員にも団体交渉権や団体協約締結権を認めるべきだと考えています。労働基本権を整えるべきです。しかしそれは制限付きです。例えば国家公務員なら自衛官の労働基本権は制約を受けるべきであり、その代償として人勧(人事院勧告)は必要だと考えます。そして、地方公務員でも、消防職員や警察職員は制約を受けるべきで、それの代償としての人勧(人事委員会勧告)は続きます。
私がこのことに気付いたのは、秋の臨時国会で政府特別補佐人の江利川毅・人事院総裁の一連の答弁です。「人勧不実施は憲法違反だ!」と主張する江利川さん。「あのジェントルマン江利川がどうしたんだ?」という疑問を持ちました。これをきっかけに、よく法案を精査したら、このことに気付きました。では、このトロイの木馬を潜ませたのは誰か。あくまでも推測ですが、私は総務省人事・恩給局の幹部なのではないかと思っています。「恩給」はもちろんいいのですが、「人事」の方です。仮に「総務省人事局」(旧総務庁人事局)とすれば、人事院廃止で内閣府公務員庁ができればその主力部隊に横滑りすることができます。出先機関の「管区国家公務員局」には、総務省行政評価局の出先機関である「管区行政評価局」の全国1000人の職員を幹部にして、より多くの職員を雇うこともできるでしょう。地方公務員では、官公労は幹部は各々自治体職員なのだから、国の「人勧廃止」を地方にも波及させようと考えるのではないか。このため、政権交代により初めて面通しができるようになった総務省人事局と官公労がタッグを組んでいるのではないか。あくまでも推論ですが、そう考えています。
で、言うまでもなく、官公労の国会におけるドンは、輿石東さんです。
そこで、私は年の納めの2011年12月27日の民主党幹事長会見でこのことを聞いてみました。
私は「公務員給与7.8%削減の関連法案の中に公務員庁設置法案がある。これは人事院を廃止して内閣府公務員庁を設置し、出先機関を新たにつくる。人事院を廃止すれば人事院勧告も当然廃止でしょう。そして行革があるときにはこの公務員庁が企画立案するとなっているから、当然政治家ではなくて、この公務員庁の許可がなければ行革はできないと思う。この公務員庁設置法案を次の通常国会で取り下げるお考えはあるか」と聞きました。
これに対して、輿石さんは次のように答えました。
「それは当然いろいろな関連で考えられる1つの方策かもしれません。今、人事院勧告がなんであるのか。労働基本権にかかわるものを労働者に与えていない代償機関としていると。じゃあ、やっている間は人事院勧告を尊重すべきではないかと。じゃあ、かわり得るもの。それから労働関係三法にもかかわる話でしょう。これからきちっとそれは詰めていかなければならないと思っています。だから片一方だけ、給与を削るというところだけ、1つだけやればいいという話にはならないでしょう」と答えました。
「それは当然いろいろな関連で考えられる1つの方策かもしれません」というのは、“トロイの木馬法案”の取り下げを認める可能性を示唆した発言です。政府が国会に閣法撤回要求をするのではなく、衆院内閣委員会が新3党合意にもとづく修正協議で、閣法を修正可決したり、自民党・公明党提出の衆法を可決する方が現実性が高いと考えます。
輿石さんが柔軟な姿勢を示したことで、民自公3党合意ができ次第、法案は成立するでしょう。それにしても、昨年の通常国会に提出された法案なので、野田内閣発足した時点から民主党政権ののど元に突き刺さった魚の骨、国地方の役人が混ざり合ったトロイの木馬。昨年末、民主党の1期生議員10人ほどが総理公邸に野田佳彦さんをたずねて、この関連法案を成立させるよう迫りました。総理としても、この法案は、のど元に魚の骨が刺さった法案です。このときの10人には実力があり、私も個人的に親しくしている議員も多いのですが、総理に迫るのではなく、魚の骨を取り除く作業をしてほしかった。私は1期生に言論の自由はないという考えをかねて持っていますが、このときも、ひょっとして誰も気付いていないで公邸に押しかけていたら総理は孤独だし、ホントウに淋しいことだなあ。私たち有権者も、住民票所在地や支持政党の枠組みを柔軟に考えて、しっかりと政治家の「選択と集中」をしていくべきです。
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官公労のドン輿石東さん、トロイの木馬(公務員庁新設・人事院廃止法案)撤回へ 給与削減法成立めど
【代表質問】谷垣禎一影の首相、軽減税率でなく低所得者対策求める 2014年4月の消費税8%時
【国務大臣の演説(総理施政方針など政府4演説)に対する各党代表質問 2012年1月26日(木) 衆・本会議】
野田佳彦首相の施政方針演説、玄葉光一郎外相、安住淳財務相、古川元久経財相の演説に対して、自民党総裁(影の首相)の谷垣禎一さんが代表質問しました。
◇
「野田vs谷垣」の初日ですが、勝負の始まりの立ち会いで、お互いに奇策をろうしたので、「立ち会い不成立」です。ともに構図を立て直すべきです。野田さんは福田首相・麻生首相の過去の議事録を引用しました。気持ちは分かりますが、心にストンと落ちません。一方の谷垣さんは、麻生政権下の「附則104条」があるから、消費税増税法案の提出は認めるとしながらも、マニフェストは約束違反だから、「2年半前の総選挙は無効なのでやり直せ」という趣旨にとれる発言。解散総選挙とは、「直近の民意」を問うものです。だから衆院は優越するんです。それをあたかも選挙が無効だからやり直せ、と受け止められる主張は説得力に乏しい。ひょっとしてことし9月の自民党総裁選を心配しているのではないかと自民党内外から見透かされそう。
ともに作戦を練り直して、分かりやすい構図を示し直すべきでしょう。
◇
谷垣さんの原稿は自民党ホームページに演説から4時間後ぐらいにアップされました。
http://www.jimin.jp/policy/parliament/0180/115432.html
ぜひ、自民党もドンドン情報発信して欲しいと考えます。また英国庶民院では、水曜日の党首討論を3時間後に議事録をアップしています。ブレアさんが首相のころは1週間でもっとも憂鬱な時間で、なぜかアメリカ人や日本人が大好きで話題になる時間だと振り返っていますが、メリハリを利かした国会運営は見習うべし。代表質問といっても、きょうの谷垣演説は自民党のことし1年の国会運営の基本方針を示したと考えられますから、しっかりおさえておきたいところです。
谷垣演説では「一税率を内容とする消費税率引上げ法案を提出する以上、政府は、軽減税率に代わる低所得者対策である給付措置の具体案を当然示すべきです」「消費税率引上げ法案の提出までにその具体的設計、費用及びその財源を政府・与党の案として示すことは、法案提出者の義務だと考えますがいかがですか」と述べました。
ここで、消費税をめぐる議論の土俵、枠組みの設定で重要な発言がありました。
2014年4月に8%、2015年10月に10%に引き上げる法案が出てくるわけですが、世論では、「食料品は安く」「生活必需品は安く」と言った軽減税率、あるいは複数税率の要望が出ています。ただ現在、食料品に5%の消費税がかかっているので、2014年4月は「食料品5%、それ以外8%」となるのは、現実的でありません。さらに言えば、「キャビアが5%でトイレットペーパーが8%」となるし、「外食店からのテイクアウト(お持ち帰り)は5%、店内なら8%」となります。ここはフランスが「制度設計に失敗した」としていまだに悩んでいるそうです。
おそらく党議決定はしていないでしょうが、自民党も単一税率での増税準備法案を容認していると考えられます。これで議論すべきでしょう。きょうの日経新聞では、低所得層に年1万円を支給するという暫定的なアイディアが報じられました。2015年10月からは共通番号による給付付き税額控除ということになりますが、この制度設計が議論の的になりそうです。
そして、谷垣さんは「21年度税制改正法附則第104条を策定したわが党として、この規定に基づく政府の3月までの法案提出を妨げるつもりはありませんが、野田総理、本来、民主党政権に提出の権限は(マニフェストで)国民から与えられていないのです。野田政権の採るべき道は、有権者に謝罪をした上で、解散総選挙を行い、国民に信を問い直すしかありません」としています。
しかし、第171通常国会(麻生自民党、政権交代解散国会)で成立し、天皇陛下が公布した法律と、あいまいだったマニフェスト。マニフェストというのは法律上の規定はありません。「公職選挙法142条の文書図画(とが)の頒布(はんぷ)」に規定がありますが、「マニフェスト」という言葉は登場していません。だったら、法律はマニフェストに優先するという考えがあってもいいのではないでしょうか。野田さんが謝り、野党として自民党が水に流すということがあっていいのではないでしょうか。「マニフェストの見通しが甘かったから総選挙をやり直せ」という考えの有権者は少ないと考えます。そういった過ちを踏まえた上で、次に目が向いているのではないでしょうか。
というのは、野田さんは施政方針演説で福田康夫首相、麻生太郎首相の言葉を引用しました。福田さんは民主党が参院史上初めて総理大臣として問責決議をしているし、麻生内閣不信任決議案の賛成討論は野田佳彦さんがやっています。ちなみに、内閣不信任案の討論に野党第1党の幹事長代理が登壇したのは極めてマレで、これは当時の岡田克也幹事長が野田さんに譲ったと考えられます。その2ヶ月前の代表選では、野田さん率いる花斉会が選対のコアメンバーを担いました。
それから、野田さんが昨年の党首討論で自民党が出した「財政健全化責任法案」(衆法)の言葉を使っているようですが、この衆法のタイトルを口にすべきではありません。無視を決め込む。この法案は自民党がはじめ参法(筆頭発議者・林芳正さん)として出していたのを取り下げて、衆法(同・後藤田正純さん)として出し直したものです。ここからして何らかの思惑を感じました。そこで、よく読んだら、これは陰謀がある「地雷のような法案」と気づきました。民主党国対・議運幹部に「気を付けた方がいいですよ」と伝えたら、「あんなの審議しないよ!」との答えで安心しました。が、民主党は連絡が悪いようで、代表だった菅直人首相が「この法案を審議してもいい」という趣旨のことを国会で答弁しました。おそらく思い付きでしょう。肝を冷やしましたが、やがて言わなくなりました。この法案はちょっとでも審議入りしたら、「民主党は財政健全化責任法案をちゃんと審議しない、財政に無責任な政党だ!」とキャンペーンを張ろうという魂胆がみえみえです。タイトルからしてみえみえです。そしてやはり、年の初めの野党として最大の見せ場で、谷垣さんが攻撃材料に使ってきました。次の一節です。
「私は、昨年11月末の党首討論で、野田総理が、わが党が提出した「財政健全化責任法案」を引き合いにして、素案を政府でまとめるから自民党も協議に応じるべきと私に迫ったことを忘れてはおりません。総理は今回、法案が求める財政健全化計画の中期計画を策定することもないまま、法案の命とも言うべき財政健全化目標を蔑ろにするという、法案無視の愚かしい選択に及びました。今となっては、あのときの野田総理の物言いは、あの法案を葬り去った民主党の代表が「素案」という法案との言葉の一致だけをよりどころにわが党に協議を迫り、わが党が責任野党として法案に込めた思いを言葉遊びで踏みにじったものとしか受け止めようがなく、怒りに堪えません。まずは党首討論における発言の謝罪及び撤回を求めます。更には、政府はこれまで、今回の「社会保障・税一体改革素案」の表題は「財政健全化責任法案」の文言を引用したものとの説明をしていますが、そうであれば即刻その表題を撤回すべきです。わが党にあまりに失礼です。総理いかがでしょうか」
もうこれを読んでも分かるように、野田内閣は、この法案の名称自体ふれない方がいいですよね。アブナイです。
その一方で、谷垣さんは、今までの自民党総裁や政権準備政党(野党第1党)党首がほとんど語ることがなかった次のような骨のある本質的な演説をしました。資料的な価値もあると思うので、引用します。
「私たちは議会制民主主義の歴史が租税とともに歩んできた ことを忘れてはなりません。
すなわち、今日の議会制民主主義の繁栄の淵源は、1215年でイギリスにおいて大憲章「マグナ=カルタ」に盛り込まれた「議会の同意なく税金、戦争協力金などの名目で課税してはならない」という条項にあります。
爾来、国家の課税に対する国民の意思こそが、人々の政治への参画、ひいては議会制民主主義の発展の原動力となったのであり、このことはその後の「権利請願」及び「権利章典」を始めとするイギリス議会の歴史、「代表なくして課税なし」をスローガンとしたアメリカ独立戦争の歴史、主権在民を前提として納税の義務を明記したフランス人権宣言が示しています。
私たちの議席はこうした長い歴史の積重ねと先人たちの文字通りの血と汗の上に築き上げられたものであり、その証が今日の憲法が定める租税法律主義の規定です。民主主義の下では租税の分担ルールである税制が国民の合意の下によって決定されることが、国民の納税の義務を支える礎であり、であればこそ、税制は主権者である国民に正直に訴え、その訴えが受け入れられるとその意思を反映して、国民の代表で組織される国会で法律により議決されるのです」
このように骨のある演説が出てきたことをうれしいです。君子は本を務む、本立ちて道生ず。自民党、頑張ってください!
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野田首相、参院答弁は「ことしも3党協議」と「お詫び倒し」でスタート 君子豹変す?
[写真]参院本会議で答弁する野田佳彦首相、後ろは平田健二議長、首相官邸ホームページから。
【2012年1月27日(金)参、衆・本会議 政府4演説への各党代表質問】
政府4演説を受けて、ねじれ国会の主戦場、参院でも本格論戦のスタートです。
首相の野田佳彦さんが、ねじれ対策の「一体改革」与野党協議のため、福田首相と麻生首相の演説を引用するという「猫だまし」に出ましたが不発。自民党総裁で衆院議員の谷垣禎一さんも、「マニフェストが破綻したので前回の衆院選は無効だからやり直せ」という趣旨に受け取れる、よく分からない「張り手」で、お互いに仕切り直した方が良さそうな気配でした。そこで、きょうの参院自民党の中曽根弘文会長の質問演説に注目しました。
[画像]中曽根弘文・自民党参院議員会長、参議院インターネット審議中継から。
画像にあるように、今国会から会派名が「自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会」になりました。参院たちあがれ日本(藤井孝男さん、片山虎之助さん、中山恭子さん)が加わっています。統一会派を解消した単独会派「新党改革(舛添要一さん、荒井広幸さん)」の2人は民主党と同じ投票行動をするケースも出てきそうです。ここに出てくる議員は全員元自民党員です。
〈お詫び倒しの低姿勢〉
中曽根さんは冒頭、野田さんの1月16日の民主党大会での「(ねじれ国会の)参院では、衆院から法案を送って、野党に『この法案が通らないとどうなるか』(迫る)ということも時には示していく」との発言をとらえ、「法案を提出する前から恫喝まがい」「参議院の審議権を否定するもの」「議会制民主主義の根幹にかかわる」「発言の撤回を求める」とパンチを浴びせました。
歴代の自民党参議院議員会長は、このようにいわば「日本国憲法第42条(衆参二院制)」を楯に、あたかも「俺の言うことを聞かないのは憲法違反だ」というのが慣例化しています。例えば、村上正邦会長が、橋本龍太郎総裁を首相官邸に訪ねて、「ペルー日本大使公邸人質事件が解決していないのに、桜を見る会じゃないだろ」と前日の日程について約7分間説教して首相官邸を去っていく姿を見ました。これは青木幹雄さんも物腰がていねいですが同じことだし、会長でなくても、世耕弘成さんや山本一太さんのほとんどの発言もバックに「憲法42条」があります。ほとんどすべての参議院議員は、各種団体あるいは党地方組織という既得権益の用心棒を兼ねています。憲法をバックにした用心棒というのはことのほか強大です。ぜひ世耕さん、一太さん、あるいは林芳正さんらも考えを改めていただきたい。
議場に戻ります。野田さんは低姿勢で、「党大会での発言は特定の法案ではない」「参議院の審議権を否定するものではない」「昨年の震災後の国会のように与野党での活発な法案審議をお願いしたい」「物事を決める国会にするため、衆参両院の機能強化と二院制の意義を高めるものと理解してほしい」といった趣旨を語りました。
そして、中曽根さんの「発言を撤回して欲しい」に応じて、「趣旨を必ずしも理解してもらえなければ不徳の致すところだ」と謝りました。
きょうのポイントとしては野田さんは参院自民党の中曽根さんに3回謝りました。ほかに、YouTube動画で再生が増えている「マニフェストにはルールがあります。書いてあることはやるんです。書いてないことはやらないんです」という野党・民主党幹事長代理時代の街頭演説について謝罪しました。それと元首相の鳩山由紀夫さんの普天間基地移設をめぐる「最低でも県外」など一連の発言を念頭において、「民主党政権として沖縄のみなさまにご迷惑をかけたことをお詫びします」ーーこれに関しては遅きに失したかも知れません。そして、午後の衆本で、公明党のトップバッターとなった井上義久幹事長の質問で八ッ場ダムの本体工事の着工を開始するとした年末の前田武志国交大臣の方針について、「4代の国交大臣が検証した中で、マニフェストと異なる結論に至ったことは真摯に反省し、おわびしたい」と語りました。参院自民党に3回、衆院公明党に1回謝りました。
このほか、身内である輿石東さんの質問で、昨年12月16日の総理記者会見での「原発事故の収束」という表現が、福島第一原発のことだけでなく、福島全体の事故対応の収束を受け止められたことについて、「福島の人を傷つけた」と輿石さんが指摘。これは総理は「工程表のステップ2が終わり発電所の事故そのものは収束したという意味で、周辺地域のみなさんにさらなる避難をお願いすることはなくなったという意味だ。発電所の廃炉にいたるまで最後の最後まで取り組んでいく」と述べ、謝罪はしませんでしたが、説明を追加することで発言を補足、修正しました。
一方、衆本では日本共産党の志位和夫委員長が「政党交付金は憲法違反」「廃止すべきだ」としたのに対して、野田さんは「それは日本共産党の主張であり、そのような認識には立っていない」と突き放しました。衆参の状況でハッキリしたところもでました。
〈3党協議、与野党協議への回帰による熟議の国会を要請〉
ここまでは「お詫び倒し」路線について書きました。もう一つ指摘したいのは「3党協議路線への回帰」を明確な言葉で示したことです。
中曽根さんの質問に戻ります。「昨年8月9日のバラマキ4K見直しに関する3党合意では、平成24年度予算で農業者戸別所得補償と高校無償化(の2K)について、(3党で)政策効果の検証をするとした。その検証結果が十分でないのに、なぜ24年度予算(案)に盛り込んだのか」と質問しました。
これは解釈の違いであり、民主党としては「24年度以降の予算」となっているので、実は、政策効果の検証での3党の合意はしない方が、この任期中の予算計上は続けられるんです。3党合意はそういう意味なんです。野田さんは「子どものための手当はその後協議がなかった」として「けさの閣議で(自民党と公明党政権がつくった)児童手当法の改正案の閣法を閣議決定した」とし、子ども手当の見直しにおける参院での自公の協力を要請しました。
このように「3党協議への回帰」を明確に打ち出しました。
さらに盛りだくさんでした。
野田さんは「年金財源の基礎年金の国庫負担分は自公政権の年金法で決められたものだ」としました。これは福田演説・麻生演説の引用から、「年金法」の規定を根拠にする方向に軌道修正したものだと考えれます。総理はこの日、開議の3時間前から首相公邸で官房副長官や総理補佐官と会っていました。そういう官邸政務三役のチームで軌道修正ができたいたら、さすがだと。
〈農業者戸別所得補償法案を今国会提出へ〉
農業者戸別所得補償法案を今国会に出す用意を示しました。これは今とは逆の衆参ねじれの時に、野党民主党の平野達男さんが提出した参法が参院を通り、衆院に送られています。しかし、政権交代後は、予算書に盛り込むだけで、法案は提出されていません。これについて昨年8月4日の参院農水委員会で鹿野道彦農相は、「ねじれ国会、衆議院と参議院の意思決定が異なる、こういうような状況の中でなかなかこの法制化というふうなものは難しいと、こういうような判断から予算措置でというふうなことの考え方を取らさせていただきました」「軌道に乗せたいというのが私どもの基本的な考え方でありますので、この法制化を目指していきたいと思っておりますが、また現実を考えればそう簡単なものではない」と答弁していました。この答弁相手はJA専務理事出身の自民党参院議員、山田俊男さんですが、すでに山田さんら自民党農林関係議員も「戸別所得補償の制度」は認めていますので、ぜひ山田さんらの意見も入れた良い法律をこしらえてほしい。
〈歳入庁創設へ前向き〉
衆本では「新党きづな」(7人)代表の内山晃さんが質問しました。かつての「民主党年金3兄弟」です。長妻昭さん、山井和則さん、内山晃さんですが、なかなか3男は目立たないので、家を飛び出してしまいました。内山さんは民主党マニフェストで私も期待していた、「歳入庁」(国税庁と旧社会保険庁)について創設を迫り、総理は「(社会保障と税の共通)番号制度の導入」を条件に創設に前向きな答弁をしました。
だいぶ長くなりましたが、ポイントは、やはり3党協議、与野党協議を明確にしたことです。これで第180通常国会も、審議拒否がない、ドンドン法律工場となりそうな気配が出てきました。月曜日には参本で、公明党の山口代表ないし白浜会長が登壇するでしょうから、ここでの対応もチェックしたいところです。また同日夕から第4次補正予算(案)が予算委で審議入り。成立のメドが立っています。
ところで、最後に新聞見出しが立っていない点を指摘します。1月24日召集だったので、冒頭抜き打ち解散があれば2月下旬から3月上旬の特別国会召集も可能でした。しかし、冒頭解散をしなかったことから、3月31日までの本予算成立を考えると、解散は3月下旬以降となることは確実になったと考えれます。衆本では、野田さんが1分前後、咳き込む場面があり、タイヘンだなあと感じました。眼帯はとれましたから、視界は良好になりつつあるように感じました。
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[年金制度の全体像]岡田副総理は坂口さんの「上から(下に)目線」を丸飲みすべきだ
[画像]28日付公明新聞4面から。
1月29日週は、政府・民主党が、「年金改革の全体像」を野党に示して、与野党協議への参加をお願いする局面を迎えています。
年金一元化は言うは易く行うは難し。そして、「最低保障年金(月7万円)と所得比例年金のベストミックス」の設計が必要です。政府・民主党は数字を明示すべきです。
さて、28日付の公明新聞4面は、「土曜特集」と題して1ページぶち抜きで、初代厚生労働大臣の坂口力さん(衆院比例東海ブロック、党副代表)のインタビューを載せています。
私は坂口さんのインタビューには「目から鱗が落ちる思いがしました。民主党と違って、「上から目線」だからです。正確に言うと、「上から下に目線」だからです。
坂口さんは「民主党の年金案の問題点は?」との質問に次のように答えています。
[画像]最低保障年金と所得例年金のイメージ、朝日新聞社作成の図、朝日新聞電子版からお借りしました。
「民主党案といわれるものは、国民、厚生、共済など全ての年金を一元化し、基礎年金をなくした上で、所得の少ない人には月額7万円の最低保障年金を上乗せするという案です。しかし、その最低保障年金を上乗せする具体的な所得水準が一向に明らかにされていません」
坂口さんは右上から左下にグラフを見て、所得比例年金に最低保障年金の上乗せが始まる“年収”が明示されていないと批判しています。
この「上から下に目線」であり、「大衆とともに」の立党の精神通り、貧しい方、貧しい方に目を向けて、いったいどこから最低保障年金を上乗せするんだと見ています。
おそらく、民主党調査会での昨年の議論をリードした、仙谷由人さんや細川律夫さんらは、左下から右上へと「下から(上に)目線」で見ているのではないでしょう。なぜかというと、年収の高い(保険料を生涯に多く納めた)人たちに納得してもらう制度を設計する。そのためには、「どこから最低保障年金を減らせば、高所得者(保険料を多く納めた人)からの不満が少なくなるか」を考えていたでしょう。そして、年金受給者の人数などが年を追って増えていくので、2015年、2025年、2050年と3次元のグラフで考えている。だから、横軸(年収=生涯の年間所得の平均)の数字を入れるのをためらう党幹部がいるのだろうと思います。
ぜひ、この坂口さんの「上から下に目線」を見習いたいものです。
これに加えて、最低保障機能と生活保護の関係です。おそらく生活保護に縁がない高所得の人たちもこの論点に気付きだしているでしょう。最低保障年金があると、高齢者の生活保護受給者が減ることにつながり、財政需要が減るというメリットがあるはずです。
これについて、坂口さんは公明新聞でハッキリとした意見を述べています。
公明党が手直しを提案している点として、「例えば、低年金の方への対策です。国民年金は満額で月額約6万6000円ですが、かつて制度が不十分だったことから夫婦で13万2000円にも満たない人も多くいます。そこで、夫婦なら年収200万円未満、単身で年収160万円未満の方には、何らかの上乗せが必要だと考えています」。
そして後述する提案により、坂口さんは「これにより受給額が満額で8万3000円、夫婦で16万6000円にアップするので、生活保護よりは多くなります」としています。ちなみに生活保護は法定受託を受けた自治体ごとに、家賃の水準などで金額が違います。坂口さんは全国平均(?)のことを言っているのかな(?)と思います。
これについては、民主党の福祉のエキスパート、山井和則さんらが以前から指摘しています。第162通常国会(郵政解散国会)に設置されていた衆参の合同会議、2005年7月29日(郵政解散10日前)の年金制度をはじめとする社会保障制度に関する両院合同会議で、山井さんは次のように発言しています。
「民主党の山井和則です。今の枝野議員の発言の趣旨とも近いわけですけれども、やはり生活保護というのは、ある意味で、できるだけその利用をする人は少なくならねばならないわけです。社会保障の一つの目的というのは、いかに生活保護に頼る人を減らしていくかということであると思います。そういう意味では、今の日本の年金制度あるいは昨年の年金改革というのは、生活保護を逆にふやしていくような流れに私はなっていると思います。与党のある幹部の方も、結局国民年金に入らなければその人は老後年金をもらえないんだから、それで仕方がないということを発言されたのを聞きましたが、やはりそれでは、払わなくて高齢になったら最後は生活保護になったらいいということでは、逆にこれはモラルハザードになっていくわけでもありますし、また同時に、国民皆年金という大看板をおろしてはならないわけであります。その意味で、生活保護をいかに減らしていくかという年金制度であらねばならないわけで、国民年金の未納、未加入にならない制度をきっちりとつくっていくことが重要であると思います」
と述べています。「生活保護をいかに減らしていくかという年金制度が必要だ」という方向性は、民主党も公明党も完全に一致していると思います。
ただ、この最低保障年金(月7万円)を生活保護受給額より上に持っていく手法について、坂口さんは「基礎年金の国庫負担は現在50%ですが、こうした皆さんには60%の国庫負担にしてはどうかという提案」をしています。これは無理筋です。おそらく何らかの落とし所を探るベテランならではの変化球だと考えますが、坂口さんの考えをもっと深く聞きたいものです。
坂口さんは、「素案」について、「年金加算制度のほかにも、厚生、共済年金の一元化や、受給資格期間の短縮、パート労働者の厚生年金適用など、現行制度の機能強化は、公明党が与党時代から提唱し、実現をめざしてきたものばかりです。民主党がそれをそっくりそのまま素案に盛り込んだこと自体、公明党の主張が、より現実的であったと認めたに等しい。彼らは野党時代、これらの提案に反対し、法案を廃案に追い込んだ経緯があります。最低保障年金の創設や年金一元化の問題点とあわせて、この点も国会でも厳しく追及しなければなりません」。
やはり民主党と公明党がめざす年金、社会保障の全体像は同じ方向性です。岡田克也副総理・一体改革相は、坂口さんの案を丸飲みしたらいいのではないでしょうか。そして、2期生以上は野党時代の振る舞いにアタマを下げる。まずは、例え誤解を招いてもいいから数字を出さねば。
[画像]1964年11月の公明党結成大会、目で見る議会政治百年史から。
[画像]第39回衆院選の公明党ポスター、目で見る議会政治百年史から。
1964年、公明党結成大会の懸垂幕には「大衆福祉の公明党」と書いてあります。そして、1990年2月の第39回衆院選のポスターには「福祉と平和の新時代」と書いてあります。東京オリンピック直後も、バブル絶頂期も、公明党は「福祉」。筋金入りです。「大衆とともに」の公明党。ちなみに1990年の第39回総選挙では、中選挙区三重1区で、自民党公認新人の岡田克也さん(36歳)に弾き飛ばされる格好で、公明党政審会長の前職、坂口力さんは次点で落選してしまいました。しかし、国政復帰後、昨年の3党合意では子ども手当・児童手当の「坂口私案」で、実務者としてまとめました。それは、岡田さんのためではなく、国のための働きで、まさにステイツマンです。
[画像]後輩のパネラーを務める、坂口力さん(左)、2008年6月、衆院・決算行政監視委員会、衆議院インターネット審議中継から。右は、当時衆院議員で現在は公明党神奈川6区支部長の上田勇さん。
上の画像のように、当選10回生(現在は11期生)の初代厚労大臣を4年務めながら、後輩のパネラーを務める坂口さん。「大衆とともに」ーーそれは公明党だけでなく、経済的に成功した人もそうでない人も含めた全国民が共有すべき姿勢です。
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玄素彰人さんは38歳の「元(前)町長」に 日本のクリントンをめざせ
負けてしまいました。
任期満了に伴う和歌山県日高郡印南町長選挙は、きょう、当日投票と昨日開票され、現職の玄素彰人さん(38)は、新人の前町議(日裏勝己さん)に2542票(39%)対3934票(61%)の大差で敗れ、再選に失敗しました。
とても残念です。
1ヶ月前までは無投票再選のムードが強く、12月30日に突如、日裏町議(当時)が立候補を表明して、あっと言う間に大逆転されました。このようなことは選挙ではよくあることです。玄素町長が行財政改革のために早期勧奨退職のしくみを使っており、その対象になった人が新人を応援していたようで、ある意味当然なんですが、そういった批判も含めて、かなり大きな現職批判が起きてしまいました。「改革疲れ」があったのかもしれません。とても残念です。
選挙なので、まるで全人格を否定されたように、本人が勘違いしていないか心配です。
アメリカでは、ビル・クリントンさんが30歳でアーカンソー州知事(任期2年間)になったのに、32歳で再選に失敗しました。「32歳の元知事」という肩書きはアメリカ政治史上初だったと、クリントンさんが解雇していました。クリントンさんは、2年間を反省・総括し、「何もかも手をつけすぎだった」とその問題点を見つけました。そして、34歳で再び知事になると、「教育改革」に没頭したそうです。役所というのは、知事があれこれ指示しなくてもどの分野は自動的に動きますからね。そして連続で務めて、46歳で大統領になりました。アーカンソー州は人口200万人ですから、アメリカと日本の人口で比較すると、ちょうど一番人口が少ない鳥取県知事に相当する州知事です。
玄素さんも、奥さんが近隣の自治体の職員でもあり、学歴期のお子さんも2人いますから、あまりくよくよせず、前を向いて歩きながら、この4年間を振り返って欲しいと存じます。
それにつけても、とても残念です。
wbs和歌山放送WEB | 和歌山放送ニュース
2012年1月29日(日) 22:14 NEW !!
印南町長選・新人の日裏氏が現職破り初当選
現職と新人の一騎打ちとなった任期満了に伴う印南(いなみ)町長選挙の投票がきょう(29日)行われ、即日開票の結果、新人で元・町議会議員の日裏勝己(ひうら・かつみ)候補61歳が、現職の玄素彰人(げんそ・あきひと)候補38歳を破って、初めての当選を果たしました。
印南町選挙管理員会が発表した開票結果は次の通りです。敬称は省略します。当選 日裏勝己(ひうら・かつみ) 無・新 3934票 玄素彰人(げんそ・あきひと) 無・現 2542票 以上がきょう(29日)投票の行われた印南町長選挙の開票結果でした。
当選した日裏氏は、町長の報酬の減額や、住民目線に立った安全安心なまちづくりなどを公約に掲げて、現職の町政への批判票や浮動票などを取り込んで、初めての当選を果たしました。一方、破れた現職の玄素氏は、信頼される役場づくりや、産業の発展、福祉の充実、防災力向上などを公約に掲げ、4年間の実績を強調しましたが、支持を伸ばせませんでした。初当選を果たした日裏新町長は勝因について「現職のトップダウンの町政運営に対する批判と受け止めている」と述べ、役場庁舎移転については「住民や議会の意見を聞きながら行いたい。ただ、いずれ庁舎の中枢機能の移転は必要になる」と述べました。また、こどもの教育や医療費補助などについては「精査しながら継続させていく」と抱負を語りました。投票率は86・75%で4年前の前回と比べて0・92ポイント低くなりました。印南町の当日有権者数は7510人でした。
僕も病気で苦しかった頃、玄素君と高野山に行ったり、白浜海岸近くの温泉に連れて行ってもらったりして支えてもらいました。社会というのは支え合いですから、この苦しい局面をこれからもともに乗り越えていきたいです。
まずは4年間、お疲れ様でした。
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山口那津男さん、消費税「上げるな」、「解散しろ」と言及しない“ステルス演説”でスタート
[画像]代表就任後の初めての国政選挙で熟考する山口那津男さん。選挙区候補者が全員上位当選するなど党再建の橋頭堡を築いた=2010年7月、NHKニュース映像から。
【2012年1月23日(月) 参院本会議 施政方針など政府4演説への代表質問】
公明党代表で参院議員の山口那津男さんがことし初の国会登場です。衆参の関係で、井上義久幹事長が金曜日に質問演説しています。
すべての議案の成立には、参院での公明党の議席がカギになりますから、参院議員である山口代表のことしの初演説は注目されましたが、熟考の後がうかがえるよく練られた演説でした。いわば、巧みな「ステルス戦術」。おそらくテレビニュースでは伝わりにくかったでしょう。というのは、野党党首の代表質問お決まりの「解散」、「総選挙」という言葉が一つもありませんでした。
どうしても、テレビニュースは1分未満に切り取る関係から、野党はいつも「解散」と言っています。とはいえ、解散発言を報じないわけにもいきません。また野党党首は解散発言をしないと、地元を這いずり回る支部長、党員・支持者が聞いているとういう組織の論理がある。それは当然でしょう。その点、山口さんは巧みでした。さらに「消費税」という言葉を7回使いました。「社会保障と税の一体改革」など、すべて含めて、演説原稿では、合計13回「税」という言葉が出てきますが、「消費税を上げるな」「消費税増税法案を提出するな」という発言は一つもしませんでした。そのうえで「総理逃げないでください」と与党が年金の全体像と(昨年民主党調査会が作成したとされる将来的な税財源の)試算を出せ、そうじゃないと与野党協議に応じない、という論陣を張りました。
山口さんは消費税という言葉、合計7回を次のように使いました。
◇
(1)
「施政方針演説には」「消費税増税に言及されましたが」「その前提となる課題への取り組みについては聞こえの良い言葉を並べただけで、重要政策の全体像について、何一つ示していないではありませんか。
(2)(3)
「消費税は4年間上げない、との国民との約束はあっさりとギブアップ。消費税増税の実施は4年を過ぎて(2014年4月)からと言い訳してみても、それが詭弁であることはとっくに国民に見抜かれています」。
(4)〜(7)
「年金の抜本改革すなわち国民年金を含むすべての年金の一元化と全額消費税でまかなう最低保障年金月額7万円との主張は、もう10年越しの(民主党の)金看板ではなかったのですか。出し惜しみ、先送りの必要はないでしょう」。
「現に先日も、民主党幹部や閣僚から全体像を示そうとの発言も出たではありませんか。国民は現行制度に基づく素案と民主党のいう抜本改革案を比べて、消費税の負担がどうなっていくのか、受け取る年金がどうなっているのか、これを知りたがっているのです」。
「総理、逃げないでください。試算の一部が報道されて、膨大な消費税が別に必要となるとか、受け取る年金額が現行制度より減る人がいるとか、それぐらい言われたくらいで(試算を)隠さないでください。不退転の決意が泣きます。また、議論の時間がかかるとか、すぐに消費税がかかるわけではないとか」「正心誠意の総理らしくありません。堂々と全体像を示して協議できる環境を整えていただきたい」。
[写真]山口那津男さんの質問演説の原稿、2012年1月=筆者撮影。
◇
このように合計7回、「消費税」という言葉が出ました。が、山口さんは「上げるな」「法案を出すな」「法案を出す前に解散しろ」とはヒトコトも言いませんでした。
消費税と年金はまさに「一体改革」であり、年金の全体像を示すべきだ、それができれば与野党協議に応じるとの姿勢。「受け取る年金額が現行制度より減る人がいるとか」の後に、原稿になかった「それぐらい」を付け加えて、「それぐらい、言われたぐらいで隠さないでください」と演説しました。
「それぐらい、言われたぐらいで」ーー「現行制度から減る高年収者」のことを気にして、「最低保障年金(個人で月7万円)がホントウに必要な人・世帯」のための一体改革を先送りしてはならない。公明党の「大衆とともに」の立党の精神がにじみ出ました。まさに熟考です。
衆参ねじれの1年半、公明党の演説はかなり変化球が多くなっています。今回の「年金の全体像と試算を出せば、与野党協議に応じる」との意味合いのボールも、クセ球との見方もあります。つまり、政府・民主党は年金の全体像と試算を出せないだろうから、公明党が与野党協議に応じなくても批判を浴びないーー。これはたしかにあるかもしれません。しかし、このボールを野田首相が打ち返したら、ヒットかゴロかは分かりませんが、公明党はキャッチする。論客はそろっています。修正協議に応じられるローメーカーもそろっています。これは野田さんは打ち返してみればいいのではないでしょうか。
試算ですが、すでに新聞が報じています。最低保障年金の年収制限の設定を4ケースにわけて、2035年、2055年、2075年、2095年にどうなるか。合計4×4の16の数字。例えば、「最低保障年金を全額消費税でまかない、年収260万円までは7万円、そこから下り坂にして、690万円以上は所得比例年金だけにしたら?」。この場合、2075年の消費税率は「17・1%」になると試算しています。2075年のGDPと人口ピラミッドの試算がなければ、計算できません。ということは、新聞社はこの「昨年の民主党調査会の試算」を全部持っていると考えるのが妥当でしょう。ならば、民主党政府が出さなければ、日曜日辺りの1面トップで全部出してくる新聞社が出てくるでしょう。そこで解説などが不十分になることを恐れるよりは、もう出した方がいいでしょう。
「総理、逃げないでください」ーー野党・公明党代表の言葉はしっかり響きます。前総理に「総理、逃げるのか!」と叫んで両院議員総会で後ろから総理の鉄砲を撃った与党政府外議員もいましたが、国会での山口さんの「総理、逃げないでください」は、実は総理を助けている。さすがは細川内閣で防衛政務次官を務めて、自公政権では党政調会長を務めた山口さんです。
これはしっかり乗るべきです。
変化球でも、バットを振ってみないと、結果は分かりません。攻撃は最大の防御。自民党時代とは、日本を取り巻く環境が大きく変わっています。スピードが大事です。一つ一つ乗り越えていく。とにもかくにも、前に進むしか、先は見えてきません。前へ。
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[お知らせおわり]
「ちょっと乱暴な」岡田副総理が「即日除籍」したみんなの党の浅尾慶一郎さんとうれしい和解
政府は2012年1月31日(火)午前8時からの閣議で「行政改革実行本部」(野田佳彦本部長、岡田克也本部長代行)を設置し、ただちに8時半から「第1回行革実行本部」を開催しました。このなかで、野田さんは「不退転の決意でやる」、岡田さんは「ちょっと乱暴なこともやる」と語りました。
岡田さんは午後3時からの記者会見で、「ちょっと乱暴なこともやる」発言の真意を問われると、「それは、見ていていただければと思います」と述べました。行革実行本部は後々、歴史家が議事録を読みたくなるようなものになるといいですね。
まあ、行政改革といっても、公務員制度改革です。橋本行革では、大臣が3人減りました。事務次官ポストは大幅に減りました。とはいえ、基本的には看板の掛け替えであり、郵政省職員は総務省移行後にかなり自主的に退職していますが、国家公務員が「クビ」「リストラ」になったわけではありません。
その辺で、尊敬する人物としてずっと「織田信長」を挙げている岡田副総理が「ちょっと乱暴なこともやる」ということで、不安な国家公務員もいるかもしれません。
さて、2012年2月1日(水)、第4次補正の基本的質疑が衆院予算委員会で行われました。平成23年度第4次補正予算(案)の審議が本格スタートです。
このなかで、私としてはとてもうれしい場面がありました。
第45回衆院選で神奈川4区の惜敗率で比例南関東ブロックから選出されている衆議院議員でみんなの党政調会長の浅尾慶一郎さんが質問に立ちました。社会保障と税の一体改革について、国税庁は法務局の商業登記のデータをすべて持っているが、日本年金機構(旧社会保険庁)はすべては持っていないとして、厚生年金保険料の徴収業務を国税庁あるいは「歳入庁」に移した方がいいという議論です。岡田副総理は「(みんなの党代表の)渡辺喜美さんが(先週金曜日の)本会議の代表質問で話していておもしろいと思った」と答弁。浅尾さんの改革提言を反映した場合の保険料と給付などについて「興味深いご指摘なので計算したい」と確約しました。
散会後、岡田さんと浅尾さんが2人で話し合う姿が、NHK国会中継で全国ネットで流れました。
これはうれしかったです。
実は、衆院解散から3日後の2009年7月24日、岡田さんは浅尾さんを民主党から除籍しています。これは解散当日の7月21日の両院議員総会で、党所属の前衆院議員と現参院議員から拍手で承認を受けて、常幹マターが鳩山由紀夫代表と岡田幹事長の2人に委任されていたから可能になったのです。
7月24日のたしか午後1時からの記者会見で、岡田さんは浅尾さんについて聞かれ、「国会議員の身分にかかわる問題ですから答えられません」と述べました。
「身分」とは「身の上」「境遇」という意味です(広辞苑)。
そのうえで、「浅尾議員は午後3時から記者会見をするという情報を得ている」として、懐から自身の日程表を取り出し、遊説日程を説明し、その後ならぶら下がり取材に応じられるかもしれないと示唆しました。
午後3時から、浅尾民主党参院議員は、記者会見し、第45回衆院選の神奈川4区にみんなの党公認で出馬することを発表します。
これに対して、岡田幹事長は次のように発表しました。
「民主党は24日、離党届を提出し、参議院議員を辞職して次期衆院選に神奈川第4区から立候補することを表明した浅尾慶一郎参議院議員に対し、党に提出された離党届を受理せず、党規約第33条および党倫理規則第4条にもとづき、本日付で除籍処分とした」
いやーこわいですねえ。解散後の事実上の総選挙(現代における“内戦”)中の岡田さんは、織田信長並みの鬼です。
発表文はもっとスゴイ書きぶりです。読むと震えが来ます。
「すでに衆議院は解散され、事実上の選挙戦に突入している。わが党は国民の期待に応えて政権交代を実現するため、すべての候補予定者、参議院議員、地方組織が一致結束して全力でたたかっているところである。その最中に、ネクスト防衛大臣の要職にある浅尾議員が、再三の説得にも応じず、身勝手な理由でわが党の公認候補予定者に対抗して立候補しようとしていることは、国民の期待を裏切る背信行為であり、党の倫理規範に反する許し難い反党行為である。党としてこれを看過することはできず、最も重い処分を講ずることが相当であると判断し、浅尾議員から提出された離党届を受理せず、党規約第33条および党倫理規則第4条にもとづき、本日付で除籍処分とする」
ただし、最後に次の一文を原理主義者として付け加えています。
「なお、本処分は、解散後の常任幹事会決定事項が代表、幹事長に一任されていることにもとづく決定であり、倫理委員会への諮問については、党倫理規則第6条にもとづき、総選挙後に行うこととする」
ところが、岡田幹事長は総選挙勝利後に鳩山代表から解任され、小沢一郎代表代行に幹事長の座を奪われましたので、浅尾さんの倫理委員会への諮問というのは引き継がれなかったように思います。
浅尾さんは第41回衆院選に新進党公認で神奈川4区(鎌倉市、横浜市栄区など)から出馬し、落選しています。その後、翌々年の参院選神奈川選挙区(定数3)に「民主党公認・公明党推薦」で立候補し、当選しました。「民主党公認・公明党推薦」の組み合わせによる国政選挙の構図、第18回参院選の浅尾候補しか例がないのでは。参院議員になった後も、県人口の4割が集中する横浜市ではなく、鎌倉市に事務所を持っていたようです。第45回衆院選が歴史的な選挙になることに気付いていた浅尾さんは、小沢一郎代表(当時)に何度も働きかけますが、公認を得られませんでした。私は個人的には浅尾さんの方が良い候補者だと考えていました。この辺の私の心持ちは、浅尾さんが即日除籍になった後の次のエントリーに書きました。
浅尾慶一郎さん除籍 神奈川4区院替え出馬に関する私見
浅尾さんは強行出馬し、比例復活で当選しました。こういうことはこれからもあるでしょう。それが小選挙区です。政権交代ある政治という大義のもとには、こういうことがあるのはやむを得ません。
浅尾さんは、政権交代ある二大政党政治の下、ギリギリの判断で民主党に離党届を出して、衆院に出ました。それは大義ある行動です。
ちなみに、浅尾さんは岡田さんが初めて代表選に出馬したときの推薦人の1人です。
きょうはハッキリした場面が他にもありました。千葉7区比例の自民党の斎藤健さんを野田総理も岡田副総理も褒めました。これは千葉7区の対抗馬が新党きづな代表の内山晃さんだからでしょう。斎藤さんは媒酌人の関係や、埼玉県副知事(上田清知事の下の副知事)の関係から広い意味での羽田ファミリーという意識が強いと考えます。通産省の先輩後輩というのはあまり関係ないでしょう。こういうところで、民主党と自民党に羽田ファミリーが割れているのは、政治がスムーズになることもあるでしょう。党が違えども、我ら羽田ファミリー。
一方、三重4区比例の自民党の田村憲久さんの質問中は、岡田さんは田村さんを激しく批判しました。これは昨年8月の代表選で、野田陣営の総決起集会で、三重4区の森本哲生さんが「実は今回の代表選は違う人を応援していましたが、ある方から電話が来て、とても良い候補者なんだ、応援してほしいと言われここに来ました。こんな良い候補者が自分の党にいることに今まで気付かなくて恥ずかしいけれども、何とか間に合いました。これも天命なのかなと思っています」と演説し、野田さんの代表・総理当選を決定づけた。その森本さんの対抗馬だからという意識もあるでしょう。友の敵は、自分の敵。
そして、公明党の石井啓一さんの公文書管理の考え方について、岡田さんは「ご指摘は多くの部分で共感します」と語りました。新進党仲間だし、ねじれ参議院のカギとなる公明党政調会長です。
このように、ツンツン、デレデレのツンデレぶりで、難しいかも知れません。民主政治、小選挙区二大政党制といった大義を守っていれば、そのときの状況で、友になったり、敵になったりしながら、国論を動かしていく。それが国益になる。自分たちは国民に選択肢を示すための「役者」に過ぎない。こういう考え方は野田政権の主要メンバーでは絶対的です。だから、15年間野党でもがんばって当選し続けられたのです。
最近は国民の敵のように言われる、国家公務員にも、国家国益のためにがんばっている人はいっぱいいます。例え、給与や共済年金が減っても、野田・岡田行革で公務員制度改革をやれば、自由な時間が増えたり、本人の意思で他省や自治体で働けるような制度をつくる絶好のチャンスです。もちろん、実力者、例えば浅尾さんは自力で高い惜敗率を獲得したし、英語は岡田さんよりかなり上手い。そういった実力がある人が有利になるかも知れません。しかし、がんばれる人が先頭に立つことで、オール日本で生き残りを図る時代です。
恐れずに、国民を裏切らなければ大丈夫でしょう。国家公務員は攻めることで自分の地位を守る時代になったことを自覚してください。
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[お知らせおわり]
出先機関「沖縄防衛局」は本省のスパイエージェンシーか 守屋武昌「普天間交渉秘録」
国の出先機関である「沖縄防衛局」(旧那覇防衛施設局)の真部朗(まなべ・ろう)局長(昭和57年防衛庁)が、前職の「健康上の理由」に伴う前倒し宜野湾市長選挙に干渉していた疑惑が浮上しています。防衛事務次官を4年間務めた守屋武昌さん(昭和46年防衛庁)の守屋日記をもとにした、『「普天間」交渉秘録』は一級品の資料です。この本を書いた時点で、彼は「失う物は何もない」状態になっていたからこそ、信頼度の高い資料だと私は考えてます。
この本の244ページには、新年の仕事初めに「大臣の了解を取るよう真部朗防衛政策課長に指示し」たと記述があります。防衛政策課長は本省の筆頭課長です。
さて、この守屋日記をみると、那覇防衛施設局の佐藤局長は、「本省が沖縄県内の首長の情報を収集するために送ったスパイ」としか思えない記述がいくつもでてきます。
122ページ、名護市の島袋市長(当時)、助役と、額賀防衛大臣、守屋防衛事務次官の4人が東京・防衛省で会ったときのエピソード。守屋氏が「L字案には騒音の面でも航空機事故の危険性を回避できる面でも、問題はない。名護市がどうしてもと言うなら、建物の上空通過にならないよう配慮はする」と話すと、末松助役は「そんなの駄目だよ」「話になりませんよ」「それじゃ、交渉できませんよ」と言ったそうです。これを、額賀福志郎・防衛相が制して、「アメリカと今、調整中なので」として次回に修正案を見せると約束し、その際に合意書に署名してほしいと話しました。これに対して、名護市側が「それは合意書ではなく確認書にしてもらいたい」とし、「確認書でないと地元に説明できない」と述べました。そして、市長と助役は沖縄に帰ります。
[「普天間交渉秘録」から引用はじめ]
4月6日早朝、沖縄の佐藤那覇施設局長から連絡が入った。「昨日、東京から帰った市長や助役は辺野古3区(辺野古、豊原、久志)と市議に初めて説明をしました。でもそれが信じがたいものなんです」
佐藤局長の報告では、末松助役は地元にこう話しているという。
「政府はもうひと押しで浅瀬案に下りてくる。だからL字案反対で市長一任を貰いたい」
ようやく市議たちに説明をしたかと思ったら、今度はまったく出鱈目なことを地元には報告していた。
[引用おわり]
この報告を受けて、守屋さんは沖縄の実力者に電話して、多くの人に防衛庁がまとめることに困っている状況を知ってもらって、対応策を教えてもらったとしています。そして、北部振興策の対象となる自治体の首長の集まりである「北部首長会」の首長らに上京してもらうことを大臣に進言したと振り返っています。沖縄分断工作にも感じます。
[引用はじめ]
帰宅すると、家の前に記者が十数人、張り付いていた。私は何も答えずに家の中に入った。その後、沖縄の佐藤局長から電話があった。
「さきほど8時、知事公舎で名護市長が知事に会いました」。
先方も明日はそれなりの覚悟をしてくるなと、私は思った。
[引用おわり]
局長は、本省だけを見て仕事をしており、沖縄のことなどこれっぽっちも考えていない。首長の動静を調べて東京の事務次官に報告する。まさにスパイエージェンシーとしかいいようがありません。行きすぎた情報収集にとどまらず、工作活動の場面もあります。
[引用はじめ]
私は佐藤那覇施設局長に、北部首長会会長の宮城東村長に名護市への説得を依頼することと、「ここに来て新たな主張をするに至った背景を探るよう」、指示をした。
[引用おわり]
このように、守屋次官は、出先機関の佐藤局長に、北部振興策の対象となった自治体の首長を通じて、名護市長・副市長への説得を依頼するよう指示しています。
これではスパイ映画そのものです。そして、沖縄県が日本国の一部であるという意識がまったく感じられません。
なぜ、守屋次官は焦ったのか。それはおそらく、自身の事務次官在任中に歴史に名を刻みたい、と考えたのでしょう。時を前後して、外務省にも日朝国交樹立を成し遂げようとして無理をした外務審議官が批判を浴びました。だったら政治家になったらどうなんでしょう。定年や次官在任期間いうのは彼らの個人的な事情に過ぎません。「三千年、いや四千年生きたい。しかし人は死ぬ。しかし国は生き続ける」ーー吉田茂はそういう考え方だったから、歴史に名を残しました。
守屋さんは選挙で選ばれた稲嶺沖縄県知事に対して「軍民共用案が決まっていたのに、あなたは7年間、何もしなかたじゃないか」と詰問し、稲嶺さんから「守屋さん、沖縄では大きな仕事は20年かかるんですよ。石垣空港もそうだったでしょう。あの時だってそれだけ年月がかかっても誰も困らなかった。今回はまだ7年です。たいしたことじゃないですか」と言われて、「呆れるしかなかった」と振り返っています。これは守屋さんが自分が防衛官僚として事務次官を退任するまでに、歴史に残る仕事をしたいという野心があり、時間の感覚がずれています。 自民党幹事長の中川秀直さんからは「防衛庁の進め方は早すぎる、沖縄時間でもっとゆっくりやるように」、先輩官僚であり財務省から会計検査院に転じていた伏屋和彦さんから「あまり焦らない。忍耐力がいる」とアドバイスを受けたとしています。ちなみに、沖縄県では、国と地主の軍用地の賃貸契約が20年間。1972年に契約し、20年間が2回過ぎて、ことし2012年に契約更新の時期を迎えています。
[写真]辺野古崎沖の海を見る筆者(宮崎信行)。看板は二見以北10区の会が設置したもの。沖縄県名護市、1998年5月。
4年間という異例の長い期間、事務次官を務めた守屋さん。彼のお父さんは宮城県塩竃市長や衆院議員の経験者で、守屋さんは東北大学から日本通運を経て防衛庁に入った変わり種です。その防衛庁にあこがれた背景と思われる記述が「はじめに」にあります。守屋さんは収監中であり、このブログに反論することは難しい。だから、私もなるべく筆致を丸めたい。しかし、私がどうしても抜き書きしたいのは、「はしがき」の次の記述です。
[引用はじめ]
(前略)仙台と石巻を結ぶ仙石線は、青のビロードが張られた座椅子の米軍専用車両と、板張りの座椅子の日本人専用車両とに分けられた。日本人女性が米兵に寄り添い米軍専用車両に乗っていたから、私は不思議に思い母にその理由を尋ね、母に叱られた思い出がある。
防衛庁に入って5年目の1975年3月、初めて沖縄を訪れた際、胸の奥にあった占領期の記憶が甦った。(略)
特に沖縄の基地問題を考える時、少年時代に見続けた占領下の光景がまざまざと立ち現れた。そのことを最初に記しておきたい。(後略)
[引用おわり]
仙石線は仙台と石巻がつながっていない状態は当分続きます。20年はかからないかもしれません。彼の故郷の駅は営業運転中ですが、仙台と石巻がつながらないインフラとなった「仙石線」。収監中に東日本大震災にあい、故郷の姿に何思う、守屋武昌受刑者。それは守屋さんの心の問題ではありません。我が国では、往々にして、組織が人を殺します。那覇防衛施設局は1972年5月15日、沖縄本土復帰のその日にできた組織です。沖縄のためでなく、市ヶ谷・六本木の防衛省・防衛庁の出先機関として、沖縄を監視してきたスパイエージェンー。国から県庁への環境アセスの提出に民間人を使う沖縄防衛局ですが、陸軍省は民間人を戦闘員にしたのですから、あまり驚きません。そういう沖縄の心の原点がまったく分かっていない防衛官僚。沖縄はこの40年間、本当に「日本国」だったのでしょうか。
野田佳彦総理は、ことし5月15日、沖縄の本土復帰40周年記念式典に出席します。時折しも、野田・岡田行革は、出先機関の大胆な統廃合を進めています。総理には、沖縄防衛局を廃止し、県庁、市役所や外務省に移管して欲しい、と私は考えます。
グローバリゼーションの相克としてローカリゼーションも進みます。宜野湾市も名護市も塩竃市も日本国であり、自治体です。「沖縄では大きな仕事は20年かかる」ーーならば2012年は「大きな仕事」のスタートにふさわしい年です。沖縄ではしっかりと見守る人がいますから、時間がかかっても何も問題ないでしょう。彼らは「沖縄の心を傷つけた」んじゃないんですよ、「沖縄の心の原点を知らない」のです。1945年4月1日の米軍の沖縄上陸に前後してどの場所で何があったか。その沖縄の心の原点を知る人を大事にしなければ、同じことを繰り返すばかりです。それがあまりにも分かっていない。いまこそ失敗の本質を断ち切るべき40年目の春です。
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4次補正、衆院通過 閣法第1号も 予算委MVPはみんな山内康一さんとしか言いようがない理由
[画像]みんなの党国対委員長で衆院議員の山内康一さん、2012年2月2日、衆院予算委、衆議院インターネット審議中継から。
第45期衆議院第180通常国会第2週は、金曜日(2012年2月3日)の衆本で平成23年度第4次補正予算が可決しました。日本共産党(6)が反対しましたが、民主党(104)、公明党(19)に加えて、自民党(83)、みんなの党(11)、社民党(4)などが賛成しましたので、ねじれ参議院での可決・成立は確実になりました。( )内は各党の参院での議席数。
4次補正に関連して、地方交付税交付金を「平成23年度予算(2次補正後)」から平成24年度に合計4600億円繰り越す「平成23年度の地方交付税の総額の特例に関する法律の改正案」(第180国会閣法1号)も可決しました。今国会での法案可決第1号。この法案はこの日に衆院総務委員会に付託され、提案理由説明、質疑、採決され、本会議に上程されるというスピーディーな対応でした。すでに参院では理事懇談会で審査の日程を協議した、と藤末健三・参院総務委員長(民主党・新緑風会)がツイートしています。
なお最終補正後の平成23年度一般会計総額は107・5兆円になりました。前年度の「3・11」を受けての予算としては何とか踏みとどまった印象です。23年度予算は、すでに提出済み・衆院可決済みの予算案を、震災後に、「成立後に、集中審議5回」の約束で、自民党や公明党など野党の協力で成立。ゴールデンウィーク前半戦の土、日曜、祝日にぶっ通しで審議して、「1次復旧補正」。菅直人首相の辞任3条件として「2次復旧テコ入れ補正」が通常国会末に成立。そして、公明党が法案骨子を提案した3点セット「復興債・復興庁・復興特区」を丸飲みした「3次復興補正」を野田新政権で11兆円の復興債を発行してつくりました。復興債の償還期限を「25年間」と引き締めたことに高い国際的評価があります。そして、これは日本国民の誇りと言ってもいいですが、震災後も日本国債の健全性は高く、欧州国債危機から逃げたマネーも受け入れたようで、年1%前後の低金利に落ち着きました。このため国債整理基金特別会計の想定利回り2%との間で、国債(日本銀行の特別会計総則第5条にともなう乗り換え分も含む)の利息の償還に余裕ができ、その財源で4次補正を組みました。ただ、日本国内でも、日経平均株価はかなり低い水準ですので、株式市場からはマネーが逃げたことは忘れてはなりません。
4次補正の本会議討論には、民主党から若泉征三さん(予算委理事、2期生、比例北陸信越)、自民党からは1期生の橘慶一郎さん。これに先立つ委員会での討論には、民主党から室井秀子さん。自民党は1期生の伊東祐孝さんが立ちました。このほかTV入り基本的質疑に1期生の齋藤健さんが立っており、第45期初当選で、自民党国対委員、衆院議院運営委員を一緒に務め、最前列の4人席(議席番号47番〜50番)に仲良く並ぶ1期生は党役員(青年局長)の小泉進次郎さんを除く3人が予算審議で活躍の場を得たことになります。自民党はこうやっていて、中堅・ベテランに不満が出ないのか、他人事ながら心配してしまいます。
第44期自民党小泉チルドレン85人(補選当選の2人含む)のうち、生き残ったのは10人(途中入党の徳田毅さん含む)と言われます。実際には11人です。みんなの党国対委員長の山内康一さんも生き残り組。解散直前に、選挙区(神奈川9区・南関東ブロック)も党(自民党)も捨て、「説得できなかったの悔しい」と自民党有数の神奈川県連の河野太郎さんらに言われました。が、新天地のみんなの党・比例北関東単独1位では、渡辺喜美後援会の票もあり当選し2期生となっています。山内さんのトリッキーな再選戦略を可能にしたのは、山内さんは出身地の福岡県にかなり広大な山林を保有していますから、おじいさんらが心とアタマの余裕を山内さんに与えたのでしょう。
今次補正の審議では、山内さんがMVPとしか言いようがありません。なぜなら、予算書の中味を質問したのが山内さんだけだったからです。その他、「なぜ平成24年度予算ではなく4次補正なのか」という質問はありました。しかし、4次補正予算書を質問したのが2日(木)の夕方、締めくくり質疑のラスト手前2人目のバッターとは何とも貧困な質疑です。与野党とも猛省すべきです。「前々からそうだ」などという言い訳はもはや通用しません。「人の振り見て我が振り直せ」で、沖縄防衛局の選挙干渉疑惑を質問するなら、必ず4次補正の事業について1つは聞くように、参院予算委員は心がけて欲しいです。
「山内指摘」が入ったのは、一般会計補正予算書の次のページの、外務省の歳出の増額補正部分です。
ケータイの機種の関係で、見づらい方は、こちらをクリックしてください。
[画像]平成23年度一般会計補正予算書(第4号)から。
上のページの一番下の事業。外務省(組織09)所管の「国際分担金その他諸費」(項010)です。一番左に「11,604,905」と書いてある事業のことです。
「116億円490万5千円」を、「2億3613万7000円」追加して、「118億4102万2000円」に補正する予算書です。この増額補正の説明は「日本ベトナムEPAにともなう(ベトナム人)看護師・介護福祉士候補者への日本語研修を実施する国際機関への拠出」となっています。
これについて、山内さんは「1人当たり300万円になる」と指摘し、額が大きすぎると指摘しました。そのうえで、山内さんは「(日本での現場でのコミュニケーションや教育、試験には)英語(という手段)もあるし、日本語教育に(1人あたり)300万円かけるよりは、(試験などの)日本語のハードルを下げる方が良いのでは」と提案して、同党の短いしめくくり質疑を終えました。山内さんも与党・自民党経験者だし、元々JICA職員でしたから、「次からは改善して」というところでとどまってしまいました。できれば、議員提案で減額修正議決・成立させてほしいです。その場合は歳入をその分減額だけで済むのが、この補正の特徴でしたから、残念です。
日本の地方議会にできて、他国の国会にできる議員提案による予算修正。これがなぜできないのか。衆議院は解体的に出直せ。
tags 野田首相 = 野田佳彦、安住財務相 = 安住淳
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このエントリーはアドレスを変更しました
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北海道11区の石川知裕さんが結婚披露宴、民主党総支部長代行の池本柳次道議「全力で支える」
[写真]結婚披露宴でケーキに入刀する新郎の石川知裕・衆院議員と新婦の香織さんを見る小沢一郎さん。
「新党大地・真民主」所属の衆議院議員で北海道11区(十勝総合振興局)選出の石川知裕さんと元BS放送アナウンサーの香織さんの東京での結婚披露宴が2012年2月4日(土)、国会近くの六本木、「ANAインターコンチネンタルホテル(全日空ホテル)」で開かれました。地元での披露宴も今月あるようです。
祝辞として、「元民主党幹事長」と紹介された小沢一郎さんは「小沢事務所の(出身の同世代の)中でも結婚が遅れてしまった。誰かいい人がいないかと心配していた」「私のせいで重い荷物を背負わせてしまった」と語りました。そして「政界は一寸先は闇」と言及しました。なお、この言葉が誰に向けた言葉かは不明。
いずれにしろ、このエントリーは私の記憶の再現なので、発言は大まかな趣旨ということでご理解下さい。
祝辞で、民主党北海道第11区総支部代表代行で道議会議員の池本柳次さんは石川さんが公募に応募してきたころを振り返りながら、「最近は事務所に、(きょうの会合には)香織さんは来るのか?という電話がよくかかってくる。評判が良い」「次の選挙は厳しい闘いになるが、これからも全力で石川さんを支えていきたい」と語りました。
「新党大地・真民主」代表の元衆院議員、鈴木宗男さんは、開口一番「前科一犯の鈴木宗男です」と笑わせ、「きょうは私の家内も来ています。そこにおります。これはかなり珍しいことです。ぜひ、香織さんは私の家内とも仲良くして欲しい」と述べました。
民主党衆院議員の東祥三さんは、「新郎と新婦と両方ともご縁がある。石川さんが小沢先生の秘書の頃、私は政治のど真ん中(衆院議員)にいたが、その後浪人した。そのとき、新婦のお父様にお世話になった」と話しました。
小学校、中学校の先輩で、歌手の松山千春さんは「これが入籍前だったら、奥さんにやめとけ、と言っているところだったが、もう入籍しちゃったそうなので、言いたい。香織さん、石川と結婚してくれてありがとう」とし、「足寄中学校から(地元の高校に行かずに進学校の)函館ラサール高校に行くのはどういう人なんだろうと思い、恩師に聞いたら、紙一重の人が多いと聞いた」と述べると、新郎の同級生の方も含めて笑いが上がりました。この後、松山千春さんの歌を初めて拝聴しましたが、声が底から沸き上がってくるので、私は驚きました。
乾杯の発声に立った、佐藤優さんは「私は外交(?)の専門家と思われているが、実際は(同志社大学神学研究科修了)神様の専門家だ」とし、「神の下に石川さんは無罪だ」という趣旨の発言があったように思います。
ここまでで50分間。これほど濃い時間は経験したことがありません。
この後、歓談を経て、小沢さんは合計2時間40分滞在して退席しました。
ご両親への手紙を読んだ新婦は「4年前、私の父は東京地検特捜部に逮捕されました。私は番組をすべて降板し、母と友達の家を転々としました」としました。
最後に石川議員があいさつに立ち、「小沢一郎さんはさっさと帰りましたけど」と笑わせました。そして、「このホテルの3階で、水谷建設から5000万円を貰ったと(検察・マスコミに)言われていますけど、帰りに寄ってみてください。あんな所で貰うわけがないでしょう」としました。これは私も初めからおかしな話だと思っていましたから、大きく拍手させていただきました。そのうえで
「これからも十勝のために、北海道のために、日本のために働いていきたい」としめくくりました。
披露宴には、隣の北海道12区の「新党大地・真民主」の松木けんこう衆議院議員、小沢事務所の先輩になる、民主党の藤原良信・参院議員、民主党の樋高剛・衆院議員、さらに現役秘書ら。同期当選で五十音順が近い民主党の石関貴史衆院議員らが出席していました。
[写真]松山千春さんの歌を聴く、新郎・新婦と小沢一郎さん。
小沢先生はずっと淋しそうな表情で、元気がないように思えましたが、どうされたんでしょうか。
まあ、どういう雰囲気になるのかなと思っていましたが、マイクを持つ人が順々に言いにくいことをディスクロージャーしていくので、徐々に笑いが増えて、良かったです。何より、新郎のご両親に4年半ぶりに、政権交代後初めてお会いしましたが、まったく変わらず、それが一番良かったです。
新郎の地元、十勝の広尾町出身の八角親方(元横綱・北勝海)と写真をとっていただきました。
新郎と小学校・中学校のクラスや野球部の同級生の、元西武ライオンズ投手、三井浩二さんと写真をとっていただきました。
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田中防衛相が事務秘書官を力強く更迭、岡田副総理「優秀な秘書官そろっている」
おはようございます。
昨日のエントリーで書き忘れていたのですが、池田光智さんに2人目のお子さんが予定、ということになったそうで、自分のことのようにとてもうれしく思いました。税理士試験は他の国家資格とは違い、一つの科目が合格すれば、次回以降は残りの科目だけ受験すればいいのですが、こちらも残り2科目ということで、資格予備学校からは「あなたほど(裁判のため)欠席が多い人はいなかった」と言われながらも、光明が見えてきそうです。
不用意、無理解な答弁が目立った田中直紀・防衛大臣が、事務秘書官をきょう付で更迭し、平成4年入省(入庁)の前任者を事務秘書官に発令することが分かりました。これは、NHK、朝日新聞、読売新聞ら各メディアが一斉に報じました。事務秘書官人事が朝7時台のNHKニュース「おはよう日本」で実名で報じられるのは極めて異例。震災後の正念場で、官僚も“仕分け”が始まっています。正確には、人材の適正な配置ということです。田中大臣の娘は、私にとっては50人しかない新卒の会社の同期入社組なので、田中大臣のことはあまり良く存じませんが、応援したいと思います。
橋本行革を支えた秘書官はみんな出世しています。当時は政務1人、事務が大蔵省、外務省、警察庁、通産省の合計4人。異例なことに政務秘書官も通産省から出向者でした。このうち、政務の江田憲司さんは衆院議員でみんなの党幹事長。坂篤郎さんは大蔵省主計局次長から内閣府の局長、いったん天下った後、内閣官房副長官補に。現在は日本郵政副社長。安藤裕康さんは外務省本省では事務次官に次ぐ外務審議官(外審)を経て、イタリア大使を務めました。安藤隆春さんは、警察庁次長として北海道洞爺湖サミット警備に成功し、「振り込みサギ(オレオレ詐欺)」対策として、日本中のATMに私服警官と機動隊を投入するという斬新な警備で、長官に。警察庁長官として北九州市に乗り込み、テレビカメラの前で「警察庁は工藤会を撲滅する」と大胆な宣言。正念場である「3・11」以降、防護服姿で、部下を陣頭指揮する姿を見て、この人で良かったと感じました。通産省の林洋和さんも、後輩の江田さんを支えながら、しっかり。本省の局長を経て、インフラ企業の取締役に転じました。
本省の人事ローテーションの関係から、官邸出向者は2年で本省に戻す慣例にしている省もありますが、橋本内閣の2年半、5人の顔ぶれは変わりませんでした。
江田さんは通産大臣秘書官に内定し、大臣官房に呼ばれた際には、紺のスーツと白いシャツがないというので、慌てて買いに行って秘書官仕様に。官邸で初対面となった橋本大臣に、「岡山県出身です」と言うと、喜んで、橋本さんは大臣車から、当時は珍しかった自動車電話(携帯電話)をとって、奥さんに久美子さんに電話して、「今度の秘書官さんは岡山出身なんだよ」と電話する姿に「ああ、橋龍だな」と感じたそうです。そして、橋本さんは通産大臣のまま自民党総裁に当選し、河野洋平外相から副総理の肩書きが移ります。そして、1995年の正月に村山富市首相が「正月の青い空を見ていたら総理をやめたくなった」という摩訶不思議な発言をし、橋本首相になるという、55年体制のホームドラマが展開されました。江田さんは異例の総理秘書官横滑り、さらに官僚出身者が政務秘書官になるという異例づくめの展開に。このとき、江田さんは、橋本後援会の会長に呼ばれ、食事となりました。橋本首相は当選11回、勤続30年以上でしたから、後援会長さんからは「橋本事務所の秘書は、昇進もなければ、(当時の秘書の環境を定めた法律では)昇給もない。だから、オヤジ(代議士)と一緒に大臣政務秘書官や総理政務秘書官になることを目標に頑張ってきたんだ。その機会をあなたが奪っていることを自覚した上で、頑張ってほしい」と言われ、江田さんもアタマを下げたそうです。「官邸の森蘭丸」とのあだ名は、総理府(現内閣府)採用の内閣官房職員がつけたといわれています。これは、お茶の時にショートケーキを食べることになり、切ったところ、大きさから、江田さんが「こっち(のケーキ)が総理ですよ」、総理が「いやいや君がこっちだよ」と譲り合う姿を見て、内閣官房職員同士が馬鹿にしてつけたあだ名だとされています。このとき、江田さんは「まったくマスコミは勝手なあだ名を付けてる」とマスコミ批判をしました。これが内閣官房職員を守っているのか、本人がホントウにそう考えていたかは分かりません。そして1998年参院選の自民党大惨敗による橋本内閣退陣で、通産省に籍を戻さずに、総理府(現内閣府)のまま、霞が関を去りました。
岡田副総理は1月31日の記者会見で、「私も、非常に優秀な副総理秘書官がおりますので、(橋本行革の江田憲司と)同じような役割を果たしていただけるというふうに思います。行政改革を実行していく中で、やはり霞が関の官僚の皆さんと議論し、説得を時にはしながら進めていくということは大事なことで、そういう意味で総責任者として、事務の官房副長官を充てたということです。全体を力強く進めるためには、私は必要なことであるというふうに思っています。」と話しました。
官報2012年1月25日号は、平成24年1月13日付で発令された、「本庄知史、国務大臣秘書官に任命する 岡田国務大臣づきを命ずる。」との人事を掲載しました。
[画像]官報平成24年1月25日号(部分抜粋)
偶然と言えば、偶然に過ぎないのですが、本庄秘書官は、江田通産大臣秘書官と同じ、「数え歳では38歳の就任」ということになります。細川内閣での政治改革の一つの成果である、政策秘書試験の8期生で京都出身の本庄さんですが、岡田副総理、あるいは岡田公務員制度改革担当大臣を支える上で非常の重要な意味合いがあります。それは東大法学部卒業生だということです。リアルポリティックスとして霞が関は「東大法学部」で動いています。例えば、大蔵省・財務省の事務次官は、池田勇人事務次官以降、京大卒は半世紀いませんでした。京大ですら。では法務事務次官・検事総長に東大法学部が少ないのは、法務省は人件費が中心で、箱物などの概算要求が少ないので財務省のグリップが聞かないからだとされています。おおむね3人いる東京都庁の歴代副知事に1人ずつ東大法学部卒業生が入っているのも調べてみたら分かるでしょう。だから、東大法学部というのは重要です。
歴史に残る、野田・岡田行革と一体改革。それを支えるのは日本の未来につながることであり、それは事務秘書官にとっても本省の利益以上にはるかにやりがいのある仕事でしょう。橋本行革では、「橋本行革を応援する500人委員会」というのがあり、やがて「700人委員会」になりました。ただ、時代が違いますし、大事をなすのには、コアメンバーがしっかりしていればいい。だから、副総理秘書官とそれを支える人物。例えば、「福山ノートは公文書管理法第3条でいう行政文書に当たるか?」。副総理は「あれどうなっていたっけ」。事務秘書官が紙一枚をサッ。それを見て、福山ノートは行政文書でないという法解釈をその場で示し、現時点で福山ノートの活用の考えがないという政治判断を示しました。まず法律を確認。その解釈を示す。そしてその時点での政治判断は保留する。ホップ、ステップ、ジャンプ。その前提には必ず法律の確認があり、法律の確認があって、初めて政治判断がある。当たり前のことですが、震災後こそ当たり前のことを当たり前にすることが大事です。ただ、岡田さんは兼務が多すぎて、さすがの岡田さんにも荷が重すぎます。誰か他の大臣に分担できないものでしょうか。
岡田さんは尊敬する人物を織田信長としています。岡田さんは次の土曜日には京都に乗り込み、京都5区の舞鶴で一体改革の説明の「第一声」を小原舞・衆院議員の総支部で挙げます。この選挙区の自民党支部長は谷垣禎一総裁です。この「ちょっと乱暴な副総理」に猛ダッシュで付いていく、コアメンバーは、まあ、200人でしょう。ご家来衆は200人でいい。チーム岡田の前には必ず道が拓けます。なぜでしょう。他に選択肢がないからです。議論の余地がないからです。議論ではなく、説得が仕事です。だから必ず道は拓けます。その200人は勇気を持って、ただまっすぐにひたむきに前に進んでいきたいと考えていますが、いかがでしょうか。まあ他に選択肢はありませんから。前へ。
防衛相 不手際受け秘書官交代 NHKニュース
田中防衛大臣は、国会答弁などに不手際があったことを踏まえ、みずからの秘書官を6日付で交代させ、後任に北澤元防衛大臣の秘書官を復帰させることになりました。
田中防衛大臣は先週、参議院予算委員会で、アフリカの南スーダンでの国連のPKO=平和維持活動に派遣された陸上自衛隊の施設部隊を警護している国はどこかと質問され、いったんは「決まっていない」と答弁したものの、誤りを指摘され、発言を訂正して陳謝しました。さらに田中大臣は、同じ予算委員会の審議中に15分ほど委員会室を離れ、かぜ薬が届くまでの間、国会内の議員食堂でコーヒーを飲んで待っていたことも明らかになり、野党側からは、「防衛大臣として不適格だ」といった批判が出ています。こうした状況を踏まえ、田中大臣は、6日付で萬浪学秘書官を交代させ、後任に北澤元防衛大臣の秘書官を2年間務めた防衛省大臣官房の吉田孝弘企画官を復帰させるよう指示しました。これについて、防衛省の幹部は「田中大臣は、答弁の訂正などは秘書官の不手際によるものだとしており、きょうからの予算委員会などの審議に備えるために秘書官を交代させた」と説明しています。大臣秘書官を巡っては、田中防衛大臣の妻の田中眞紀子衆議院議員が、平成13年に外務大臣に就任した際、半月足らずで当時の秘書官が体調不良を理由に辞任を申し出て、5人の職員が秘書官の業務に当たる異例の態勢が取られたことがあります。
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[お知らせおわり]
「議会人として許しがたい」岡田副総理、自民党首相の国会虚偽答弁を批判 「運命の人」西山記者事件
[画像]「議会人として許しがたい」ーー東大法学部同級生で元警察官僚・元小泉自民党首相秘書官の小野次郎・参院議員(みんなの党)や参議院自民党に対して、歴代自民党首相が「密約はない」と国会で虚偽答弁したことに怒りを表す岡田克也副総理(背中)、2012年2月7日午後、参議院予算委員会の4次補正の一般質疑、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。
ブログを書く人にはなかなか書くことが見つからない、という方も多いようです。小生は今週は書きたいことばかりのインプット過剰状態なので、未定稿ということでドンドン発信していきたいと思います。どうも木曜日から本予算審議に入れそう。とはいえ9日審議入りで、3月2日までに衆院通過となると例年より過密なので、そうすると例年並みにインプット量はますます増えそうです。なるべくコンパクトに書きたいところですが、なかなかそうもいかないかもしれないです。ただ、岸田文雄・自民党国対委員長が「集中審議をやれ」と言っているようですが、集中審議がテレビショーに過ぎないということは多くの国民が見抜いている。それを3世政治家の岸田さんが気付くかどうかというのが政権交代のポイントになるでしょう。
岡田克也副総理は、2012年2月7日(火)の参議院予算委員会の今年度第4次補正予算案の一般質疑で、運命の人・西山記者事件などで再び話題になっている自民党・佐藤栄作政権と米ニクソン政権との沖縄本土復帰(1972年)に関する4つの外交密約に関して、「政権交代して、密約(の掃除)はできたわけです。そして歴代の(自民党)政権、歴代の総理が少なくとも1990年代あたりまで、外務省から『実はこう言ったことがあるんです』といった報告を受けながら、その存在を否定してきた。この国会の場でも否定してきたということは
私はホントウは許し難いことだと思っているんです。いずれにしてもわれわれ議会人として、どうしてそういうことが起こったのかということは深刻に反省すべきだと思います。開き直りは許せないことだと思っております。
」と激しく参議院自民党を批判しました。みんなの党の小野次郎さんへの答弁。
そのうえで、外相時代の経験も踏まえて、西山太吉元毎日新聞記者との間で裁判が係争中である状況を説明した上で、「西山さんのジャーナリストとしての行動は一定の経緯を示したい」と述べ、議場の拍手を浴びました。
小野さんは大学1年生のときに西山記者事件があり、「まさか国家が密約をするわけがない」と思い、「よく意味は分からなかったけど、(検察が書いた冒頭陳述の)密かに情を通じ、の方に興味を持った。ホントウは何があったんだろう。あれから三十数年、ずっと考えてきました」として、答弁を求めました。小野さんは、「密かに情を通じ、の方に一国民として関心を持ってしまった」と大学生の自分を反省。東大法学部出の公安警察キャリア、官邸出向5年の小野さんもまた、運命の人。
小野さんは警察庁キャリアの8割が進む「公安警察畑」であり、国内外の治安・警備に関する情報収集を主な仕事としてきました。そして、2001年4月、小泉純一郎自民党政権で首相秘書官となり、2005年9月11日の第44回郵政選挙では自ら刺客として圧勝の一員となりました。第45回政権交代選挙では落選し、第22回参院選でみんなの党参院議員として国政復帰しています。
小野次郎さんと岡田克也さんは東大法学部卒、昭和51年入省の霞が関同級生。小野さんは警察庁、岡田さんは通産省。国家公務員上級職採用試験では、「1位になったら大蔵省、2位になったら(大蔵省に行くと事務次官になれないので)警察庁に行け」と言われていました。ちなみに民主党の平岡秀夫前法相は、昭和51年大蔵省入省。
その小野さん、公安警察キャリアですら、知らなかった「沖縄本土復帰日米外交密約」。
民間人として佐藤首相の個人特使をつとめた大学教授は、「他策なかりしを信ぜむと欲す」という回顧録を書き、自殺しました。ところが、外務省の第三者委員会の北岡伸一東大教授らの報告書を良く読むと、実は、佐藤首相は複数のルートをもっており、他のルート(外務省ルート)だけで沖縄本土復帰ができていた可能性が高いそうです。「他策はあった」んです。佐藤首相の息子の佐藤信二・元衆院議員は、佐藤家にあった文書を自発的に公表しました。また密かに情を通じた外務省事務官はご健在だそうです。運命の人は何人もいます。例えば、伊丹空港での日航機尻もち事故の修理結果を検査した運輸省の出先機関の職員は自殺しました。修理の不首尾により圧力隔壁の破損で、日航123便が墜落し、520人が亡くなったことと無関係ではないでしょう。しかし、修理したのはボーイングです。そして群馬県警の捜査記録や国交省の外局(3条委員会)である運輸安全委員会の調査記録は現存しません。そして日本航空も倒産しました。
運命の人はたくさんいます。政権交代なき政治による運命の人です。
ところで、「許せない」という言葉を連発した岡田さんですが、かつて聞き覚えがあったので、調べてみました。ブログとは、web上のlogという意味ですが、検索したら2009年3月25日付の次のエントリーでした。「【西松報道】岡田克也さんが朝日新聞社に抗議「私は全く許せない」」。これも野党民主党にとって政権取りの正念場でした。かなりのピンチでした。時は移ろい、といってもまだ3年も経っていませんが、岡田さんは国のピンチを背負っています。
2月7日付日経新聞11面(企業2面)で「イオン針路を探る(上)」の中で、岡田元也イオン社長(代表執行役)は「アジアで最大、最強、最高の小売りグループになる」と宣言しました。日経がつけた見出しは「肥沃なアジアに野心」。イオンが2011年度に採用した社員2000人のうち400人は外国籍とのこと。ただ、グラフを見ると、小売り最大手イオンの連結業績は、2007年ごろから高止まりした状態で、経常利益はリーマンショックで大きく落ち込んでいるんですね。わが国では2000年代以降利益優先で企業を見て、日経新聞も利益で見出しをとっていますが、私はもっと売上高を重視したい。つまり、イオンも急拡大しているのではなく、アジアに出ることで現状維持が初めて可能になる。元也さんは60歳なんですね。岡田克也さんは58歳で、イオン株式を12万3046株持っています。これは時価を900円とすると、およそ1億円、年間配当は6円として73万8276円(税引き前)受け取っていることになります。ただ、イオンは「寒いとコートが売れて売上高が上がる」という不安定な業界ですし、さらに、イトーヨーカ堂、ユニーなどと比べて後発企業だし、「狸が出るところに出店する」という方針があり、最大手(売上高が最高額)にもかかわらず、社債の格付けは低いです。
岡田さんは2月6日(月)午前10時半過ぎ、参・予の第4次補正の基本的質疑1日目の自民党・林芳正さんの質問の中で、「岡田さんは、あなたは厚生年金でしょう」と言われて、「私と妻と長男は国民年金です」とうれしそうに答えました。前日(日曜日)に確定申告の書類集めをしていたそうです。一方、林さんは何も答えませんでした。林さんの家業は下関最大の商家で、インフラでは「山陰中央合同ガス」、タクシーの「サンデン交通」を経営しています。林さんはおそらくどこかの会社で厚生年金に入っているのでしょう。四日市も下関も、海から栄えた港町で、大商業地(名古屋、北九州・博多)の対岸としての独自性をいかしたという歴史的経緯など共通点が多いです。林さんも自民党総裁(影の首相)選挙に出るのなら、恵まれた厚生年金なのですから、知事選の関係で支部長不在になりそうな衆院山口2区(岩国)に転出するなどの勇気を見せて欲しいものです。ちなみに林さんの質問はどうしょうもないものばかりでしたが、初っ端に「私は役所の人が徹夜をしないように金曜日の昼に通告を終えた」と言ったのは良かったかな。林さんに限らず、参議院自民党は「零点満点」でした。例えば、脇雅史・国対委員長が内閣府と内閣官房の違いを問い糾しました。これに対して内閣法制局長官が答えられなかったのは正直かなり驚いたのは事実です。ただ、脇さんは「自民党政権末期からたるんでいるんだ」と自ら認めました。たしかに、小沢グループが内閣府と内閣官房の違いが分かっていないことを、私は野党時代から危惧していました。しかし、今の民主党良識派が主導する内閣も答えられないことは真摯な反省が必要です。私は脇さんに逆質問したいのは、「内閣官房と首相官邸はどう違うのか」。これを法律論で答えられるでしょうか。それから参議院自民党はBS放送局で提供番組を持っていましたが、これはBPO(放送と倫理向上機構)で問題になり、打ち切られました。おそらく立法事務費で番組枠を買い取っていたのでしょうが、BPOはマスコミによる自主的な任意組織に過ぎません。法律論で、東京地裁に番組の放送再開の仮処分申請をしたらどうなんでしょうか。参議院自民党は法律よりもマスコミ重視なんでしょうか?
このほか、衆院段階では、石破茂さんが「芦田修正によって、自衛隊は合憲だ」と主張しました。しかし、私の認識では、芦田修正によって、自衛隊を持つことが可能になったが、法律上の解釈は「一見極めて明白に違憲でない限り最高裁判所の判断には馴染まない」という事情判決・統治行為論でとどまっているはずです。だから、自民党は憲法改正(自主憲法制定)を党是としているのではないでしょうか。こういう認識の石破茂さんが防衛庁長官や防衛大臣をやっていたということが、問題です。また、自民党の党是もよく理解していない可能性があります。この石破さんという人は、本質が分かっていない政治家としかいいようがありません。1度裏切る人間は2度裏切る、石破さんは自民党でも居場所がない。1人会派になったらどうでしょうか。
岡田公務員制度改革担当大臣は2月6日夜のBSフジ「プライムニュース」に出演しました。同番組への岡田さんの出演は、意外なことに初めて。
この中で、岡田さんは公務員制度改革に関して重大なボールを投げまくりました。
「60歳から65歳に行くときは7掛けぐらいと人事院から頂いている」
「労働協約締結権ができれば説明責任が生じる」
「民間だと定期昇給(定昇)がずっと続くわけではない。公務員(の現状)は違うかも知れないが」
「独法には必要なものもある」
「政府系金融(機関)は大震災のときに必要性を感じた物もある」
この中で、目から鱗が落ちたのは、労働協約締結権ができれば説明責任が生じる、という部分。私も(連合非加盟)新聞労連系「日経労組」の組合員でしたが、団体交渉の「要求作り」というのは面白い作業です。いずれ書きますが、これによって、印刷、販売、広告、総務・経理といった人たちがどういうことを考えているか、会社というものが分かりました。まさに、オカネが流れるところに情報が流れる。本省のキャリア官僚も団体交渉を通じて、外局や出先機関の人の考え方を知ることができるようになるのではないでしょうか。岡田さんは厳しいのかと思えば、「60歳から65歳に行くときは」ということで定年延長を念頭に置いていると思います。天下りよりも「7掛け」の方がいいのかも知れません。それから、定昇の打ち止めを示唆しながらも、独立行政法人や政府系金融機関について必要なものもあると指摘しています。まあ、個別の職員は、思うところがあれば、分かりやすい言葉で岡田さんに発信してみたらいいでしょう。まさに攻撃は最大の防御です。
とにかく攻撃は最大の防御だと感じることばかりです。
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4次補正成立 生活保護費の国庫負担1300億円増額補正
[写真]生活保護国庫負担金など4次補正について質問する民主党の梅村聡参院議員、2012年2月6日、NHK国会中継から。
生活保護費の国庫負担分を1300億円追加するなどした平成23年度4次補正予算は、2012年2月8日の参院本会議で政府原案通り、可決・成立しました。今平成23年度(2011年度)の一般会計は107・5兆円となりました。
戦後の昭和22年度予算は、片山哲社会党内閣が14次補正後に倒れ、芦田均日本民主党内閣が最終15次補正を仕上げました。民主党は菅直人さんから野田佳彦さんへ総理が交代しましたが、震災後の苦しい平成23年度予算を最終補正まで仕上げることができました。
4次補正と来年度本予算を同時に提出しました。4次補正の委員会での趣旨説明は衆参同日に行われました。衆院では鉢呂吉雄・与党側筆頭理事、参院では石井一予算委員長がぐいぐい引っ張りました。既に2月8日まで食い込んでいますが、あすから衆院予算委で本予算審議に入れるようです。切れ目ない予算編成・執行の流れができてきました。あとはぜひ国会での修正審議というものを見たい気がします。
とはいえ、何よりもイチバンうれしいのは、これで1ヶ月近く、参議院自民党の顔を見なくてすむことです。冒頭の写真では、質問者の後ろで、参議院自民党の山本一太理事(群馬)と西田昌司委員(京都)の世襲コンビが緊張感なく談笑する姿がみられます。
参院予算委員会での4次補正審議では、第21回参院選(逆転の夏)の大阪選挙区で当選した梅村聡(うめむら・さとし)さんが、生活保護費の国庫負担金について質問しました。
梅村さんは「大阪市に限れば13人に1人が(生活保護)受給者という、そういう街になっています」としました。40年間基礎年金(国民年金)保険料を納めた人の月額が6万円台なのに、生活保護は10万円以上だと指摘しました。厚労大臣の小宮山洋子さんは「国民の間で、生活保護制度は理解はできても納得できない、という声がある」と応じました。梅村さんは、「日本の社会保障は自助・公助・共助が原則で、どうしても支えなければいけない人が生活保護になる」と述べたうえで、厚労省の縦割りを批判。「生活保護は社会・援護局、最低賃金は労働基準局、最低保障年金は年金局に分かれている」とし、「そこをセットで議論しないといけない」と指摘しました。
梅村さんは「医療は限られた資源であり、タダ(無料)だからということで、これは医療機関の問題ですが、頻回受診が行われている」と指摘しました。また生活保護を受け付ける際、「現在は生活保護者の資産の調査は銀行の支店に照会しているが、全員でなくても、本店に一括して照会すべきだ」としました。岡田克也・一体改革大臣は、「年金生活者なら多少の資産がある人もいるかもしれないが、生活保護の方はギリギリの生活をしている。問題意識は共有している」として、医師であり大阪選出である梅村さんに一層の情報提供を求めました。
梅村さんは「前の平松市長、橋下現市長はしっかりやっていきたいというメッセージを発していますが、何より頑張っているのは大阪市の職員のみなさん。個別の政策ではなく、その政策を決めるプロセスをもう一度見直すべき時期が来ている」として、「ホントウに時代にマッチしているかどうか、それも一体改革のテーマだ」と強調しました。
これに先立ち、同じく第21回参院選で当選した秋田選挙区の民主党の松浦大悟さんは、「GKB47」と題する自殺対策のポスターの撤回を求めました。これについては、岡田さんは翌日の記者会見で25万枚・300万円のポスターを刷ってしまったが「ゲートキーパー」として刷り直すことを発表しました。
この審議で、石井一委員長が政府参考人の村木厚子・内閣府政策統括官(局長級、共生社会担当)を指名しました。玄葉光一郎外相が村木さんが挙手しているのを目ざとく見つけ、石井委員長に伝えました。ピンさんが村木さんを指名しました。
[写真]挙手をして答弁を求める村木厚子・政府参考人(内閣府政策統括官・共生社会担当)、NHK国会中継から。
[写真]参議院自民党の野次にたじろぐ村木政府参考人、NHK国会中継から。
村木さんはかなりていねいに経緯を説明したため、参議院自民党から激しく野次られ、たじろぐ場面がありました。この次に答弁に立った岡田さんは「まず委員のみなさんに申し上げたいのは私たち政務三役は野次に慣れているが、政府の人間への野次はやめてください。私にはいくら言ってもいいです」とたしなめました。これには石井委員長も「まず今議論しているのは、自殺という人間として極めて厳粛な問題であり、そのことで激しく野次るのは国会としての権威にかかわる」と参議院自民党を注意しました。なお、村木さんはこの翌日(7日付)で、厚生労働省局長時代の部下である上村勉氏が税金による障害者団体向け郵便割引制度を悪用した罪で有罪判決を受けたことの監督責任を問われ、(厚労省の要請により内閣府が)処分を受けました。
松浦さんはこの自殺対策の審議の中で、故・山本孝史さんの名前を出し、「あしなが育英会出身・日本新党同期・大阪府連」の藤村修官房長官らに答弁を求めました。また山本孝史さんの奥さんの手紙を読み上げました。この後に質問に立った梅村さんも山本さんの名前を出しました。山本さんは健康上の理由で、第21回参院選で全国比例に転出したため、梅村さんが選挙区候補になりました。山本さんは有権者の混同を招かないため「大阪府内で選挙運動してはいけない」という条件を受け入れて出馬。梅村さんは大阪選挙区で128万票(得票率33・2%)でトップ当選。山本さんは全国比例で6万7000票、民主党としては最下位、全体でも個人名では下から2番目で奇跡の当選を果たしました。梅村さんは「私の参院大阪選挙区の議席は山本孝史先生の議席を受け継いだ」と、バトンを受け継いだとしました。
ところで、今回の4次補正審議では衆院段階で、もっと大きな課題で、山本孝史さんに関する質疑がありました。
これは自公政権の年金のマクロ経済スライド(物価スライド)について民主党の反対方針を、当時の代表で、現在は副総理の岡田さんが「今思えば、キツイ制度だったが、マクロ経済スライドを高く評価すべきだった」とした答弁。2月2日の公明党の遠山清彦衆院議員は「今方針展開された。まったく異論がない」としました。同様の答弁について、2月6日の参院でも、「オーッ」という声が上がり、現行の自民党案について、「岡田さんが褒めてくださった」と林芳正参院議員が述べています。この2月2日の質疑で、遠山さんは「当時は私は参院議員で厚生労働委員会の理事だったが、民主党議員にこっぴどくやられたんですよ」と述べました。実は、この「与党・公明党の遠山参院厚労委員をこっぴどくやった野党・民主党議員」とは、元祖ミスター年金こと山本孝史さんのことです。
例えば第159通常国会(2004年の年金国会)で山本さんは自民党・公明党政権提出の国民年金法改正案の審議で次のような議事録を残しています。
[国会議事録データベースから引用はじめ]
(前略)こんな状態で法案通して、国民の皆さん方に14年間連続の保険料引上げをお願いすると。それで何か、よりによって与党の皆さん方は、国会議員もこれからまだ追納できるようにしようとかとおっしゃっているわけでしょう。何か、やっぱり立場というか、自分たちの立っている場所を忘れているんじゃないかと思うんですよ。そういう意味において、自分の年金額も知らない、自分の年金どうなっているかも分からないままに年金の審議に参加するというのはどうかなと私は思うわけ。だから、私は、あなたたち2人には、申し訳ないけれども、ここにいてほしくないので、済みません、退席してください。森副大臣と谷畑副大臣、退席してください。私はあなたにもう質問しないんです。あなたたち、ここにいる必要性ないんだから、出ていってください。申し訳ないけれども。委員長、あの二人に退席を私は求めます。質問者が呼んでないんだから、もう終わったから、あなたたち、仕事が忙しいから出ていっていいよ。
○委員長(国井正幸君) いや、これにつきましては、大臣を補佐してこれまでも両副大臣、国会に出席をしていただいておりますので、このまま質問、続行してください。(発言する者あり)
じゃ、速記止めて。
〔速記中止〕
○委員長(国井正幸君) 速記を起こして。
○山本孝史君 では、失礼をいたしました。御答弁はいただきましたので、私はもうお二人に質問をいたしませんので、御退席いただいて結構でございます。
○委員長(国井正幸君) 公務御多用ですから、山本委員の質問は両副大臣にないようでございますから、御退席していただいて結構でございます。
○山本孝史君 それぐらいに私、腹を立てているということです、本当に。悲しい思いがします、この国会は。未納で騒いでいるのではありません。みんなに未納は起きたと思います。しかしながら、それに対してきっちりと対応して国会という権威をみんなで守っていかないと、本当に国民が投票に行かないし、政治というものに対して信頼しないし、年金法案というものに対してみんながこれで納得して保険料を払うということに私はならないと思うんです。その意味で、やっぱりきちっとしたことをやらなきゃいけない。それは一つ一つ節目を付けて、公表するとか謝罪するとか、あるいはきちっとした大臣の指示を受けてやるとか、そういうことをやってほしいと思います。
本論です。給付水準の低下の問題について、大臣とここで会話を交わさせていただきたいと思います。
もう既に明らかになっていますように、給付水準の五〇%維持という問題ですけれども、これは六十五歳の支給開始時だけだという話はもう御承知のとおりでございます。最初のころ、今の早い人たち、早く受ける人たちはマクロ経済スライドが余り掛かってきませんので、五〇%台をずっと維持していくことができますけれども、これから先、若い人、将来受ける人、確かに受け始めのときは五〇%ではありますけれども、そこから先はこの賃金スライドが掛かっておりませんので、物価スライドでその価値は維持をされますけれども、賃金の方の、いわゆる働いている人たちの賃金は上がっていくものを、年金生活者の方にはそれを反映させないという仕組みを取っていますから、当然のごとくに給付水準は下がっていくわけです。
[引用おわり]
これは2004年5月20日の山本さん。「みんなに未納は起きたと思います」。この国会では、閣僚3人に年金保険料の未納が発覚し、野党・民主党代表の菅直人さんが「未納3兄弟」と批判します。しかし、菅さんにも厚生大臣時代の切り替えミスによる未納問題が起きました。後に役所のミスと発覚しますが、菅さんのはしゃぎぶりによるブーメランで、世論は大混乱し、この審議の2日前に岡田幹事長が無投票で代表に就任し、菅さんはお遍路に出かけます。そして、7月11日の参院選を迎えます。しかし、ナント民主党は改選50議席を獲得し、結党以来初めて国政選挙第1党となります。土井社会党のおたかさんブーム以来の快挙となります。このような大逆転は国政選挙、まして政権に直結しない参院選ではよくあることですが、この山本さんの「出ていっていいよ」という魂の叫びが勝利につながった面もあるでしょう。この後にも、山本さんは何度もマクロ経済スライドが、ホントウに厳しい生活の人を苦しめる制度だと徹底的に批判しながら逝かれました。
岡田さんはその物価スライド批判を「今思えば(自公を)高く評価すべきだった」と述べました。山本さんは衆院時代に、岡田さんと第140回通常国会(1997年)の厚生委員会で、岡田筆頭理事、山本次席理事でコンビを組みました。オリミンは枝野幸男理事。自民党は小泉純一郎厚相、町村信孝・厚生委員長、津島雄二・筆頭理事で、健康保険法改正案で審議時間100時間超えという伝説の国会となりました。
新進党はなくなりましたが、岡田さんは山本さんのバトンを受け継いで、野党第1党の案から与党の案・政府の案へとこねて、日本の法律に持ち上げようとしています。山本さんを偶像化せず、その思いを受け継ぐ。心は原理主義、政策は現実主義。岡田代表にまさかの大逆転勝利を実現した山本さんの魂を受け継いで、岡田さんのダッシュが続きます。ぜひ、遠山さんや当時の厚労大臣、坂口力さんらの力添えをいただきたいものです。
岡田さんと梅村さんは高校の同窓生になります。大阪教育大学附属池田高校です。恵まれた境遇ともいえる2人が命にまっすぐな政治に今、ひたむきです。世の中には、学歴を妬む人がいます。ある程度はしょうがありませんが、国が総崩れになりかねません。最近はだいぶ変わってきたでしょう。ところで、梅村さんの母方の5代前に、関寛斎さんという人がいます。72歳まで徳島で医師を開業していて、それから北海道の十勝・陸別町に入植しました。日露戦争前のことです。十勝ではタイヘン尊敬されていると以前から私は聞いていました。4年前の「96回忌(白里忌)」に梅村さんは十勝に駆け付けています。ところで長年、私は関寛斎さんは十勝で医師をしていたのだと思っていましたが、これは勘違いで、72歳から酪農を始めて農場を拓いたそうです。wikipediaで知りました。さらに驚いたのは、広大な関農場を開き、自作農創設に挑んだそうです。すなわち農地解放です。しかしその理想は果たせず大正元年に自殺したそうです。日露戦争後で、日本が坂の上の雲から落ちだした時代。明治維新による殖産興業のなか、徳島から、フロンティア北海道に渡り、農地解放という理想を追いかけながら、早すぎる理想を実現できずに、命を絶ってしまった。農地解放が実現したのは、それから35年後、米国GHQの命令。35年後ですから、一世代後に実現したわけです。いつの日も理想を追いかける人は、現実がついてこないという隔靴掻痒にさいなまれるものです。
そういった様々な命にまっすぐな政治を実現する。そのためには、やはり、国というものは、自分が死んだあとにもずっと生き続けるものなんだ、という意識を国民が持たなければならない。1人1人がりんごの木を植えているんだという自覚を持つべき。自分の植えたりんごの木に、りんごの実がなり、それを喜ぶ人々を想像する。そうやって日々を生きる。そこに自分がいなくてもいい。明日への責任を少しずつ果たしていく。それが「明日(あした)の安心」につながります。山本さんも彼岸にいるだけであって、この日本という社会の一員だ、と私は認識しています。
岡田副総理は7日の定例記者会見で、2012年2月18日(土)に「明日(あした)の安心対話集会」の全国行脚のスタート地点を長野県長野市、と発表しました。「長野県のどこでも、長野市でも松本市でも良かったのですが長野市にしました」と秘書官6人の優秀さも同時にうかがわせました。前を見て、先を見ていると、人間は不安にならないものです。今日を嘆くより明日の笑顔を想像しましょう。人生をあきらめない。日本をあきらめない。
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参加しませんか? 岡田副総理「明日の安心」対話集会、18日(土)長野市 インターネット申し込み開始
[写真]りんご畑をみる岡田克也さん(この写真は長野ではない)、民主党ホームページから。
社会保障と税の一体改革の説得を進めるため、野田内閣は「明日(あした)の安心」対話集会を2012年2月18日(土)スタートします。
副総理(兼)社会保障・税一体改革担当大臣の岡田克也さんが長野県長野市で第一声をあげます。
私は両親の生まれが長野市で、私は東京の生まれですが、生まれて以来本籍地は長野市です。親戚は半数が長野市ないし千曲市、半数が長野新幹線でつながる東京都内、わずかに中央線でつながる名古屋圏内に住んでいます。親戚はかなりこのブログを読んでいます。北澤俊美さんが入閣したときは、父方からも母方からもこちらの家に電話が殺到しました。私はFaceBookもやっているのですが、こちらは親戚とはつながっていないし、電話代も高いので、このブログを通じて、ぜひ参加して、ハッキリした意見を言ってみてほしいと思います。長野駅東口から歩いて5分の「メルパルク長野」なので、十数分でいける親戚もいます。ただ、時間が午後5時から午後6時と短いのですが、ぜひ第一声ということで、粋に感じて欲しいと思います。
このほか、同日は長崎県に厚労相の小宮山洋子さん、滋賀県に財務大臣の安住淳さん、富山県に総務大臣の川端達夫さんら民主党良識派がでかけます。
岡田さんの長野市会場は、先着200人で、来週月曜日しめきり(13日)なので、これを見た親戚はすばやく申し込んで欲しいと思います。
案内文は↓
http://www.gov-online.go.jp/spt/szs/index.html
申し込みフォームは↓
https://www.gov-online.go.jp/mailform/szs/20120218_t_nagano.html
「明日の安心」対話集会 社会保障と税の一体改革を考える | スケジュール
子育て、介護、医療、年金、消費税、……どれも身近な心配事。
そこで政府は、これらのテーマを大臣と話し合う「明日の安心」対話集会を、全国で開催します。
岡田副総理をはじめ担当各大臣などが、皆さんのもとへ直接お訪ねし、「社会保障と税の一体改革」について、丁寧にご説明し、率直なご意見を伺います。
少子高齢化や貧困・格差の拡大などの課題に直面している、日本の社会保障制度。
皆が安心して生活できる社会をどうやって確かなものにしてゆくか、ぜひ一緒に考えていきましょう。
スケジュールを確認のうえ、応募フォームのページからご応募ください。
―「今日の心配」を「明日の安心」に変えるために。
当日ご参加いただける方にはメールで期日までにご連絡をさせていただきます。
当日は、メールで送られた参加票と身分証明書をご持参ください。
ご入力いただいた個人情報は、「明日の安心」対話集会の運営以外の目的には利用しません。
個人情報につきましては情報を暗号化処理しています。なお、対話集会終了後、個人情報はすべて消却します。
出席大臣等が、事前のご連絡なしに変更になる場合があります。
全会場・全内容とも報道機関に公開するとともに、動画をインターネットに掲載します。そのため、発言者・参加者の写真・映像がニュース等を通じて報道・配信されることをあらかじめご了承下さい。
◇
長野県は平均寿命が男性が全国1位、女性が全国5位。それでありながら高齢者1人当たりの医療費がもっと安いことで知られます。最近は気候変動で雪が減った地域が多いですが、あれだけ雪深く寒いのに平均寿命が高いのは驚異的。また男性が1位なのに女性が5位というところに何となく思い当たる節がありますが、とはいえ、女性も5位と高位であることには変わりありません。その辺が、やはり代議士とは地元の反映で、長野市のある長野1区選出の篠原孝さんが昨年10月に次のようにブログに書いています。篠原さんの出身は長野市の隣の中野市という発音がよく似た自治体で、実家はリンゴ農家で1歳違いの弟さんが継いでいます。
[篠原孝さんのブログから引用はじめ]
ダイヤモンド婚の父母が仲良く天寿を全う
6月11日、父・保が91才の生涯を閉じた。それから約百日後の9月20日、母・登美子が後を追うように88才で逝った。(略)父母の、喪主は農業の跡を取り、ずっと一緒に暮らした弟であり、国会議員仲間にも連絡せず、地元中野で質素な葬儀を行った。(略)父は、若い頃も農業を手伝わずにすみ、肺結核を患ったため重労働はほとんどせずにいた。その代わりに我が家の農業を担ったのは母である。母は、(略)農村では珍しく女学校に行かせてもらっていた。いずこも同じ嫁勤めが厳しく、嫁にきたばかりの頃は何度も泣かされたという。しかし、祖父に言うべきことは言っていた。(略)
父は、文芸春秋を隅から隅まで読み、あれこれと論ずる、長野県人らしい(?)人であった。
(略)
父の死を知らずに、「じいちゃん最近来ないなぁ」と言っていた母も、父を追うようにして旅立った。不思議に死に顔は似ていた。ほぼ天寿を全うしたからだろう。近所の友人の母が、「たかっちゃん(私のこと)の父ちゃんと母ちゃんは仲が良かったから、すぐ呼んでくれたけど、俺と父ちゃんはケンカばかりして仲悪かったから、ちっとも呼んでくれない」と嘆いたという。今とは違い、父母とも一度も事前に会ったこともなく、父が一枚の写真をみたことがあるだけで、親同士が決めた結婚だった。それを60年のダイヤモンド婚を越えて仲良く68年も添い遂げており、古きよき時代をそのまま体現してきた夫婦だったのかもしれない。父は幸運にも2度の死線を乗り越え、91才まで生き、母も父のあとを追うように逝った。幸せな一生だったと言えよう。
私は知らなかったが、大叔父と二人で、「孝が国会議員やっているあと10年間くらいは、死ねない。俺は100歳まで、われは80歳までは頑張ろう」と酒を酌み交わしていたという。そうした父の供養のためにも、そして自ら病床にありながら、やせっぽちの私の体のことを心配していた母のためにも、もう少し政治家をやらせてもらい、皆が父母のような幸せな最期を迎えられる社会にしなければならない。
[引用終わり]
[写真]篠原孝さん。
最近では長野県のJR長野新幹線「佐久平」駅近くの「ぴんころ地蔵」が人気のようですが、この「ぴんころ」思想は広く浸透しています。ある民主党長野県連関係者に「ぴんころはぴんぴんころころの略ですよね」と言ったら、「違うわよ、ぴんぴんころの略よ」と言われた。この「ぴんぴん」そして「ころ」というのが大事です。
[写真]長野選挙区参院議員の北澤俊美さん、地元は長野市内。
何事もはじめが肝腎。「議論から説得へ」。一体改革の説得を長野からスタートする。で、先着200人ですから、あれこれ論じるより先に、とりあえずインターネットで申し込んでください!今日の心配を明日の安心に変えるために。
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[お知らせおわり]
さあいよいよ当初予算審議がスタート 与党「新党大地・真民主」も質問
[写真]平成24年度当初予算案の基本的質疑1日目、衆院予算委、2012年2月9日、首相官邸ホームページから。
【2012年2月9日(木) 衆院予算委員会】
さあいよいよ、来年度本予算(案)の審議がスタートです。国会がイチバン凛とした緊張感に包まれる1ヶ月弱が始まりました。
野田内閣初めての当初予算審議です。失敗は許されません。
野田内閣は、1月24日(火)の召集日に4次補正予算案と同時に来年度予算案を提出し、同日中に衆参本会議で、安住財務大臣が補正と当初予算を併せた財政演説をしていました。野田佳彦首相らの政府4演説の代表質問が終わった1月30日(月)の夕方に衆院予算委員会で、当初予算3案(平成24年度一般会計予算案、特別会計予算案、政府関係機関予算案」)の提案理由説明を済ませました。とはいえ、2月9日にスタートし、3月2日(金)までの衆院通過を考えると、例年以上にキツイ日程です。
委員長は昨年に続き、中井洽さん、与党側筆頭理事は鉢呂吉雄さん、次席理事は武正公一さん、自民党の筆頭理事は石破茂さん、次席は小池百合子さん、公明党理事は高木陽介幹事長代理。50人の会派構成は、
民主党・無所属クラブ(29、中井委員長除く)
自民党・無所属の会(12)
公明党(2)
日本共産党(1)
新党きづな(1)
社民党(1)
みんなの党(1)
国民新党(1)
新党大地・真民主(1)
です。
このうち、新しくできた「新党大地・真民主」は与党会派です。きょうのNHK入り基本的質疑1日目は、10分間の持ち時間を割り振られて、松木けんこうさんが質問に立ちました。新党大地・真民主は参議院で虎の子の2議席を持っていますから、くれぐれも軽視することがないようにしていただきたいものです。民主党(の一部議員)お得意の小馬鹿にした態度はゼッタイにいけません。
トップバッターは民主党政調会長の前原誠司さんでしたが、政調会長というよりも個人的な政策が多かったように思います。
参考人の白川方明(しらかわ・まさあき)日本銀行総裁は、「日銀は21・6兆円の大量の国債買い入れをしている」としました。特別会予算総則第5条の「日銀乗り換え」のことだと思いますが、白川さんはいつもに比べて自信がなさそうでした。来週月曜日と火曜日に日銀金融政策決定会合があります。インフレターゲット(物価誘導目標)の設定による金融の若干の緩和がある得るように感じました。
午前中は前原さんに続き、民主党の武正公一さん、国民新党幹事長の下地幹郎さん、新党大地・真民主の松木けんこうさん。
午後は自民党幹事長の石原伸晃さんから。「マニフェストの見直しは岡田さんが幹事長を辞めてから連絡がない」として、昨年8月9日の3党合意の「政策効果の検証」が必要だとしました。これが予算関連法案で、召集日(1月24日)提出済みの平成24年度の特例公債法案(第180閣法2号)の採決に応じるかけひきに使われることになりそうです。与党の農水部門、文科部門の議員は改めて3党合意を読み直すべきです。
加藤勝信さんは第45回衆院選では岡山5区で、民主党の花咲宏基さんと闘いましたが、次はコスタリカで村田吉隆さんが自民党公認で出ます。加藤さんは比例単独に回るので、時間的余裕もあるでしょうが、ていねいに予算書を読み込んだ質問をしました。
基礎年金の国庫負担分の財源として盛り込んだ「年金交付国債」の償還について。厚労大臣の小宮山洋子さんの答弁によると、2兆円で、利息の総額は4000億円くらいになる見積もりで、けっこうな額です。これは国民負担になりますが、加藤さんは、一般会計の予算総則に「地方公務員共済組合」が入っていないと指摘。総務大臣の川端達夫さんが認めました。加藤さんは「国民負担になるのに、地方公務員は恵まれている。民主党が連合(自治労、日教組、都市交、全水道)に応援されているからだ」という趣旨の批判をしました。
これについて、平成24年度一般会計予算総則を読んでみたら、次の第11条のことのようです。
[平成24年度一般会計予算(当初)から引用はじめ]
平成24 年度一般会計予算
予算総則
(歳入歳出予算)
第1 条平成24 年度歳入歳出予算は、歳入歳出それぞれ90,333,931,511 千円とし、「甲号歳入歳出予算」に掲げるとおりとする。
(略)
(国債の発行及び交付による基礎年金国庫負担等の差額相当額)
第11 条「国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律」による改正後の「国民年金法等の一部を改正する法律」(平成16 年法律第104 号)に基づ
く国債の発行及び交付により国庫が負担する平成24 年度における基礎年金の給付に要する費用等の2 分の1 に相当する額と3 分の1 に1,000 分の32 を加え
た率を乗じて得た額との差額に相当する額は、2,487,905,624 千円とする。
2 「国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律」による改正後の「国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律」(平成16 年法律第130 号)
に基づく国債の発行及び交付により国が負担する平成24 年度における基礎年金拠出金の納付に要する費用の2 分の1 に相当する額と3 分の1 に1,000 分の
32 を加えた率を乗じて得た額との差額に相当する額は、67,219,650 千円とする。
3 「国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律」による改正後の「私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律」(平成16 年法律第131 号)
に基づく国債の発行及び交付により国が補助する平成24 年度における基礎年金拠出金の額の2 分の1 に相当する額と3 分の1 に1,000 分の32 を加えた率を
乗じて得た額との差額に相当する額は、29,040,839 千円とする。
[引用おわり]
これを読むと、年金交付国債の対象は、国民年金、国家公務員共済組合、私立学校教職員共済組合であって、加藤指摘のように、地方公務員共済組合は対象外のようです。ということは、税金で基礎年金をまかなう。ということは償還利息は、国民年金、国家公務員共済組合、私立学校教職員共済組合の負担となり、地方公務員共済組合は利息を負担しなくていいことになります。
これは納得がいかないところです。ぜひ、こういったところも、与野党問わず大胆な議員修正も含めて活発な議論を期待したいところです。
自民党はこの後、赤澤亮正さん、稲田朋美さんの「小泉チルドレン生き残り小選挙区勝ち上がりコンビ」の猛者が登場。
赤澤さんがあす(2012年2月10日)発足の「復興庁」について、本部を東京ではなく、仙台に置くべきだと強調。そのうえで、併任辞令だと「(出先機関である)復興局には、(東京での)仕事が忙しくなったり、(地元で)吊し上げを食ったらイヤになって行かなくなりますよ」として常駐職員を増やすように要望すると、東日本大震災復興担当大臣の平野達男さんが「つるし上げを食ったら行かなくなるような人はいませんよ」と気色ばむという、政治家同士らしい頼もしい答弁がありました。
稲田さんが、最低保障年金で、民主党の2009年マニフェストは「(保険料が)タダで最低保障年金を7万円と思っている人が多い」と批判すると、税・社会保障一体改革担当大臣の岡田克也さんが「きょうはNHKの生中継も入っている。まったく委員の言っていることは事実と反します。訂正してください」と強い口調で諭し、稲田さんがやや弱いトーンになる場面がありました。
いずれにしろ、きょうから予算審議が始まったわけです。衆院予算審議中に解散された例は現行憲法下1度もありません。第15回国会中の1953年3月14日には参院で予算審議中にもかかわらず、第4次吉田茂内閣が解散しています。これは与党内鳩山グループの裏切りによる、内閣不信任案可決に対抗して日本国憲法69条の規定に基づき解散しました。世に言うバカヤロー解散です。名称のため、実態を誤解している方が多いです。あるいは、鳩山グループがバカヤロウだったのかもしれません。鳩山グループに加担した広川弘禅議員ら半数の議員が落選。広川は農相まで出世したのにこれで政治生命を事実上絶たれ、鳩山一郎、三木武吉、河野一郎らは少数で復党しました。
きょうは鹿野道彦農相に関するスキャンダル狙いの質問が自民党から出て、鹿野さんが浮ついた言動をしてしまいました。ぜひ緊張感を持って臨みたいものです。国会日程がキツイ場合は、意外と与党にはうまく行くことがあります。政府外議員や衆院予算委員以外の衆参議員は、本会議はないのですから、地元に居るべきです。きょうのNHK中継では、だいたいそこに居ていい議員が多かったですが、応援傍聴も含めて「あれこの人ここに居ていいのかな?」という人も見かけました。またおととしの第174通常国会の衆院内閣委員会の不正常採決や、会期末間際の「樽床首相候補擁立」のようなことが起きると、ホントウに取り返しがつきません。大いに緊張感が必要です。しっかりと気を引き締めていきましょう。
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「現行制度」自公案vs「一体改革の素案(民主党案)」の対立軸設定 24年度本予算審査の基本的質疑
平成24年度本予算の衆院での基本的質疑は、9日(木)10日(金)で与野党が一巡しました。基本的質疑3日間はNHKは以前は3日とも放送していましたが、視聴率が低かったらしく、数年前から2日間のみの放送となっています。これにあわせて衆院予算委も最初の2日間で与野党が一巡する時間割を組んでいます。
それはそうと、本予算の審議がスタートすると、書くことがありすぎるので、私も書いて書いて書きまくらないといけません。
一体改革では、自民党の元厚労副大臣で日本医師会員の鴨下一郎さんが、「岡田さんは答弁の中で、“旧制度”という言い方をしているが、それはおかしい。(自民党・公明党政権が2004年に改正した)現行制度と呼ぶべきだ」とし、「最低保障年金は民主党案と呼ぶ」と議論を整理しました。この後に質問に立った、公明党前政調会長の人柄の斉藤鉄夫さんは「素案というのは現行制度の改革案そのものです。旗を降ろして素案を撤回すれば、明日にでも協議が始まる」と述べました。
自民党の鴨下さんと公明党の斉藤さんは相互の連携にはふれませんでしたが、
「素案・民主党案」vs「自公案・現行制度」
という構図が出来上がりました。これは必ずしも野田政権が思い描いていた構図ではありません。しかし、安住淳財務相によると、「大綱の決定から消費増税法案の提出まで内閣法制局の作業も入れると1ヶ月間かかる」(火曜日のBSフジ・プライムニュース)とのことで、2月末には大綱の決定が必要となります。ということは、今から与野党協議ないしは3党協議での大綱は日程的に難しくなってきました。9日の加藤勝信さん(自民党)の「年金交付国債の償還財源は消費税増税が前提だから消費増税法案も平成24年度予算の関連法案だ」という趣旨の発言は、クセ球でしょうが、大綱を民主党・国民新党・新党大地真民主の与党3党だけで決定しなければいけない可能性が高まってきました。総理は突撃するしかない、と私は考えています。
前政調会長の斉藤さんは、一体改革についての発言はかなり慎重な話しぶりで、紙に目を落としてはいませんでしたが、ある程度党で決まったペーパーのようなものが事前にあるような雰囲気でした。これはやはり、公明党の支持者、とくに創価学会員の生活ぶりが影響していると考えます。まず、やはり消費税率が上がるとサイフに直結するという人は多いはず。そのうえで、最低保障機能を高めた年金の方が助かる、という人も多い。自営業者も多く、ある程度稼いでいる人には国民年金保険料が高くなるのはイヤだ。支持者の中でも賛否が拮抗するでしょうが、おそらく否の方がやや多いか。2004年改正は初代厚労大臣を4年間務めた坂口力さんの功績であり、「100年安心」は批判されましたが、公明党としては協議には応じたくないのが本音でしょう。ここをどう突破するか。新進党解党に最後まで抵抗し、3党協議を進めたことで、公明党支持者にも一定の信頼があるとされる岡田克也副総理・一体改革相は「過去に自公与党案に厳しく言い過ぎたのは事実である」としながら、スウェーデンのように、超党派で政権交代しても変わらない年金制度の構築への理解を求めました。
茂木敏充政調会長は「最低保障年金の不都合な真実」と発信し、「民主党は公助があってから自助、だからうまくいかない。自民党は自助があってから公助だ。政権をとったら生活保護(の制度)は変えさせていただく」とずいぶんハッキリと述べました。これに先立ち、小宮山洋子厚労相は「生活保護受給者も働ける人はなるべく働いていただく。長く生活保護を受けるほど、働けなくなる傾向がある」と答弁しました。
茂木質問に対して安住財務大臣は「交付国債でやることはけっして良い方法ではないが、年金の国庫負担2分の1を何とか維持するために発行させていただく」としました。3党合意による子どものための手当見直し(坂口修正)に関して、茂木さんは「3党合意がなければ、24年度予算の(赤字国債発行の)44兆円枠はどうなっていたか」と質問。安住財務大臣は「半額支給で年間2・7兆円、(マニフェスト通りの)全額(支給)なら4・5兆円。44兆円の枠だったら収まらなかったと思います」と認めると、茂木さんは「渡りに船だったんですよ」と3党合意の恩を強調しました。
このほか、鴨下質問に対して、岡田さんは2007年11月の野党内野党(民主党副代表)時代の、「自民党の野田毅先生と勉強させていただいたときのように超党派での議論が必要だ」とし、「スウェーデンのように超党派で年金制度を変えて、政権交代しても安定した制度が必要だ」と答弁しました。斉藤さんにも同様の答弁をしました。このときの超党派勉強会は民主党代表の小沢一郎さんと自民党総裁の福田康夫首相の「大連立騒動」のなかで、さらに火に油を注ぐ格好のニュースとして捉えられ、それで終わりました。岡田さんはマスコミに恨み節も言いたいところでしょう。ただ、マスコミも記者の人数が限られているので、そのときの経緯は、お互いに恨みっこなしかな、という気がします。
ここからは私の意見です。この日、岡田さんがスウェーデンのことをふれたので、私も10年近く「積ん読」だったスウェーデンの福祉と財政に関する専門書を2冊ほどナナメに目を通しました。この中で、スウェーデンでは「最低保障年金」に当たる年金には、住宅手当があるようです。わが国では生活保護には住宅加算があり、持ち家の人は生活保護は受給資格がありません。一方で国民年金が「例えば月7万円の単身者が家賃で数万円引かれると、食費だけでギリギリ」というシーンをテレビ報道でも見ることができるようになりました。最低保障年金に住んでいる街の相場の家賃を一定額補助するような手当を組み込むという考えもあるのではないかと感じました。とはいえ、「試算」ができなくなりますし、議論を混乱させるので、この一段落でふれるだけですが、そういう考え方も必要では。世論が「年金と生活保護」に思いを馳せることになっています。これは、「年金の最低保障機能」にフォーカスがあたるチャンスです。保険料納付額と年金受給額の「公平性」に関しては、理解が進んでいると考えます。高度に発展したわが国の自由主義経済。そこで大いに成功した人は、やはり成功しなかった人のおかげで今の自分があるという「負い目」があると思うんです。もともと農耕社会の島国で、アメリカのようなことをしてきたわけですから。そこで、罪滅ぼしというわけでもありませんが、年金は最低保障だ、という共通の理解がほしい。私は今、その説得の手応えを感じつつあります。「40年間保険料を納めてきたのに納得がいかない」という人には、「65歳から受給して105歳以上までドンドン長生きして取り返してください」と言って最後は笑って収まる。そういう日本国、日本社会であってほしい。
ところで、みんなの党政調会長の浅尾慶一郎さんから再び歳入庁構想が出ました。よく調べてみると、民主党の09マニフェストには、歳入庁が入っていますが、10マニフェストでは消えています。今通常国会で、みんなの党や新党きづなから指摘が出てきました。そして、10日付で、民主党政調内にこのプロジェクトチームができたように聞きます。しかし、これはいただけません。安住さん、岡田さん、小宮山さんというところが、歳入庁構想に前向きでない気配があるのですから、党が推進するのならいただけません。身代わりになって、閣僚に「今党が議論していますから」と答弁してもらうのだったらいいです。しかし、橋本行革でなぜ大蔵省から国税庁が分離できなかったのか。前原誠司政調会長もよく抑えて欲しい。2正面作戦はいけません。年金の手直しと公務員制度改革です。歳入庁はもう忘れましょう。
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解散へさざ波 下村博文影の文科相が3党合意の政策効果の検証糾す 中井予算委員長で初の審議ストップ
(未定稿)
[画像]「政策効果の検証は省内でやっています」と不可解な答弁をした前民主党国対委員長の平野博文さん、現文部科学大臣、2012年2月6日、衆院予算委、衆議院インターネット審議中継から。
【衆院予算委員会 平成24年度本予算案の基本的質疑3日目 2012年2月6日(月)】
平成24年度の本予算(案)の基本的質疑の3日目となりました。以前はNHKは本予算の基本的質疑は3日間とも中継していましたが、NHK側の要請で2日間となりました。既に与党第1会派から、野党の最少会派まで質問は一巡しましたが、きょうは与党・第1党民主党から再びNHKなしで基本的質疑の最終日の審議がありました。民主党は予算委理事でもある若泉征三・元福井県今立町長(現在は越前市に合併)、逢坂誠二・元北海道ニセコ町長という町長コンビが登場し、内容の濃い議論が展開されました。
この後、自民党に移り、吉野正芳さんが原子力災害について。何度も書いていますが、「3・11」以降、国会においてもまさに「正念場」で、人間というものが「仕分け」されていますが、私はこの1年間の、第一委員室(予算委、東日本大震災復興特別委)で、吉野さんはステイツマンだと感じることがたびたびありました。
そして、この後、自民党の武闘派である、下村博文・影の文科大臣が登場しました。
ところで、中井洽さんは平成22年10月の第176臨時国会冒頭から予算委員長を務めています。5会期連続で、とくに通常国会2会期連続で予算委員長を務めるのは珍しいことです。この間、平成22年度1次補正、平成23年度当初予算、「3・11」を経て、同1次補正、2次補正、3次補正をやって、この国会で4次補正を通過させ、平成24年度本予算審議に臨んでいます。合計7回目の予算審議ということで、「余人をもってかえがたい」状況になっています。とくに昨年2月の本予算審議では、ノンストップに成功し、安住淳・民主党国対委員長(当時)は、たしか三十数年ぶりだとかそのくらいぶりの快挙だと讃えていました。これは中井さんもかなり意識しているようで、下村質問で審議がストップした後、お昼の休憩前に、「下村さん、さっき時計は1分ちょっと止まりましたけど、答弁に繰り返し部分が多かったこともありますから、自民党の持ち時間を10分あげます・・・ということも含めて昼の理事会で協議します」と語りました。しかし、午後の委員会は開かれないまま、午後5時過ぎに散会しました。これで中井さんの記録はとまってしまいました。また、あすは一般質疑といって、財務大臣以外は、質問者から指定された大臣だけの出席で良かったのですが、このままだと野田佳彦首相も出席しなければいけなくなります。
国会というのは相手がありますから、誰が悪い、ということではありません。仮にNHK中継があったら、審議は続行していたでしょう。その366日間でたった1日だけの「テレビ無しの本予算の基本的質疑」をまさに自民党が突いたわけで、いずれにしろ、第45期衆議院も解散に近づいてきたということになるでしょう。
で、ここまで書いて、何が審議されていたか書いていませんでしたので、書きます。
下村影の文科大臣は、8月9日の「3党合意」に、バラマキ4kのうち、高校授業料無償化(と農業者戸別所得補償)の「平成24年度以降の政策効果の検証にもとづく予算計上の見直し」について、昨秋に民主党側に協議を持ちかけたのに、「梨の礫だった」と指摘します。これは、このブログをお読み頂いている方には、何度も繰り返しの説明になりますが、菅直人首相の平成23年度特例公債法成立と引き換えの退陣は第22回参院選(おととし7月11日)の選挙結果判明時から予想されていたこと。それが「3・11」で国政が大混乱になったわけですが、岡田克也・民主党幹事長(当時)は、本質をしっかり見すえ、直近の民意である第22回参院選で国民に否定された第45回衆院選マニフェストのバラマキ4k(高校無償化、戸別所得補償、子ども手当、高速道路無料化)の見直しを条件に平成23年度特例公債法案の採決・成立を自民党と公明党に約束してもらいました。この政治状況の変化を小沢グループは理解していなくて、例えば、三宅雪子議員のツイッターなど見なければいいのですが、たまに見てしまうと腹が立ちます。なぜ、参議院で民主党と国民新党の議席が110議席で、過半数の121議席に足りないのに、09マニフェストを法律化できるのでしょうか。これを理解できない民主党の一部の議員は、脳みそが足りない。
この8月9日の3党合意は、民主党では、岡田幹事長、玄葉光一郎政調会長、城島光力幹事長代理(ともに当時)がサインしました。ただ、岡田さんが、小沢グループで自治労の皆吉稲生衆院議員や三宅議員らに激しく辞任要求されたこともあり、8月末の野田内閣発足で、無役になりました。城島さんは入閣説がありましたが、3党合意の経緯を知る人物が必要なので党に残り、現在は国対委員長となっています。
下村さんから、なぜ「平成24年度以降の(予算の)政策効果の検証に基づき所要の見直し」をしないか。この質問は、昨秋(予算原案編成期の)文科大臣だった中川正春・内閣府特命大臣でも、今の文科大臣である平野博文さん、どちらが答えてもいいですよ〜と下村さんは質問します。これは見事なひっかけ質問でした。やはり現文科大臣としてのメンツがあるのか、平野さんが答弁に立ってしまい、「政策効果の検証は文科省内でやってきました」と述べ、縷々答弁してしまいました。これにより、平野さんが国対委員長在任中の4ヶ月間「政策効果の検証による予算の見直し」の意味を理解していなかったことが確実になりました。つまり、「政策効果の検証」を平成24年度以降も続ければ、自民党ないし公明党は本格的に倒閣しない、というヒントが3党合意に潜んでいたんです。それを、輿石東幹事長、平野国対委員長らが不誠実な対応をとったので、自民党は怒っているんです。
岡田さんは「政策効果の検証時は私は幹事長ではなく党の役職を離れていた」「予算の編成時は政府にいなかった」と答弁します。忸怩たるものはあるでしょうが、かみしめました。このとき、松本剛明・国対委員長代理が第一委員室にいたようで、自民党から「松本ゴーメーに聞けよ!」との大きな野次が飛びました。輿石執行部は、わざとすっとぼけて、政策効果の検証をやっていないのかな、と思っていましたが、どうやら文脈を理解できない無知が最大の理由だったようです。
下村さんは「誠実に対処するのを確認する」という3党合意に書かれたことは何だったのかと問い、「次の幹事長(輿石東氏)に申し送りするなり、引き継ぐなりすべきであって、3党合意はその場限りの確認事項に過ぎなかったのか」と糾しました。
ここで、上でふれたように、政権交代後では珍しく、審議がストップしました。この後、場内協議の後、民主党の鉢呂吉雄筆頭理事、武正公一理事、西村智奈美理事らが委員室から走って飛び出す、という珍しい光景がありました。民主党国会対策委員会や政策調査会に確認に走った、と岡田さんらが答弁しました。中井委員長は下村さんに「質問通告していたのか」と聞きました。中井委員長は「事項だけ通告したのではないか」という風に言いましたが、下村さんはそれも含めてちゃんと通告しているとしました。
平野さんは閣僚席にいますが、後は、輿石さん、樽床さん、城島さん、前原さんに参考人として出席して答弁して貰った方がいいのではないか。半分冗談ですが、そう感じます。やはり英国のように、幹事長は閣僚兼務で答弁に出席しなければいけない。戦後初めて与党第1党の幹事長に参議院議員で就任した輿石さんですが、このような稚拙な与野党協議では、参議院は廃院にした方がいいのではないでしょうか。橋下徹市長はこのやりとりをみてどう思うでしょうか。
来年7月に参院選があるので、来年は「平成25年度の特例公債法案」を自民党は人質にできないでしょう。だから、ことし平成24年度の特例公債法案(第180閣法2号)を人質にとるんですよね。だから、民主党はもうちょっと3党合意をすすめて、解散の直前に壊してしまうという作戦をとると思われましたが、どうやらもっと早く壊れてしまいそうな気配です。それが戦術ではなく、どうやら無知によるものとなりそうなのは、何とも残念な限りです。しかたがありません、これが政治です。民主党はそれほど未熟だったということです。
とはいえ、責任与党として、本予算を仕上げる前の解散はゼッタイにできません。しっかりと緊張感をもって、歯を食いしばって、本予算を通さなければいけません。
それとどうでもいいことですが、平野博文(ひろふみ)リアル文科大臣も、下村博文(はくぶん)影の文科大臣もともに博文ですね。別にどうでもいいのですが、あくまでもこのブログが個人として書きたくてしょうがないことを書いているだけに過ぎませんので、書いておきます。お休みなさい。
3党合意の関連エントリーのご紹介)
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国会正常化。山口代表「岡田幹事長の副総理としての答弁があまりにも責任感を欠いている」とたしなめる
[画像]記者会見する山口那津男代表、2012年2月14日(火)、公明党YouTubeチャンネルから。
国会は2012年2月15日(水)、衆院予算委員会の基本的質疑最終日の審議が午前9時からスタートし、1日半ぶりに正常化しました。自民党の下村博文影の文科大臣は「1日半も空転するような話ではないですよ」としながら、3党合意の政策効果の検証をやるべきだとしました。下村さんは「岡田さんから輿石東さんへ民主党幹事長として3党合意の引き継ぎができていないんじゃないか」と批判しました。野田佳彦首相(民主党代表)は「政党間協議をしっかりやっていきます」と確約しました。
空転国会の経緯の確認です。13日(月)の下村質問で、「3党合意による高校無償化の3党合意による政策効果の検証の実務者協議がなかったので、議題である平成24年度予算に反映されていない」という指摘に対する答弁が「不誠実だ」とされたことです。これは55年体制で見られた「国会の止め男」の役割を下村さんがやったのではなく、突発的なストップに感じられました。正確には、午前の審議が終わり、委員長が休憩を宣言して、昼の理事会の協議の後、休憩のまま散会した、という流れです。そして翌日も午前9時に委員会が設定されていました。これを理事会が設定したのか、委員長が職権で設定したのかはよく分かりませんが、いずれにそり開会にいたらず夕方に流会(りゅうかい)しました。本予算の基本的質疑が「2月14日」に終わっていないということには、今の時代、与野党とも危機感の共有が必要です。
3党合意による政策効果の検証は、農業者戸別所得補償では実務者協議が昨秋(予算編成期)にありました。民主党から郡司彰・参院議員、自民党から宮越光寛さん、公明党から(おそらく)石田祝稔さん。3人とも「農水副大臣経験者」という政権交代ある政治にふさわしい布陣でした。最終的には民主党が具体的な数字の資料を投げて、「以上で終わります!」という顛末だったように聞いています。
一方で、高校無償化の方はどうなったのかな?と昨秋から思っていましたが、報道がありませんでした。下村質問でようやく分かりましたが、3党実務者協議は開かれていなかったのです。そして、昨年末に平成24年度予算(案)の政府原案を決定し、召集日(1月24日)に国会に提出しました。もちろん、なぜ下村さんは2月の予算委基本的質疑まで言わなかったのかということもありますが、民主党側に不十分な対応があったのは事実。
公明党の山口那津男代表は14日午前での記者会見で、「ではよろしいでしょうか? 私からは冒頭一点申し上げます」として、「今(衆院)予算委員会がストップをして正常化をしておりません」と切り出しました。そのうえで、3党合意を誠実に履行すべきだとして、「その当事者であった岡田幹事長(発言ママ)の副総理としての答弁があまりにも責任感を欠いている」と批判しました。
ちなみに、山口さんは1993年の細川内閣が防衛政務次官として政務三役の重責を担いましたが、岡田さんは2009年9月まで政務三役の経験がありませんでした。そのうえで、「民主党に一義的に責任があり、政党としての取り組みが一貫性を欠いているところから生じた問題だ」とし、輿石東幹事長・樽床伸二幹事長代行ら現執行部を批判しました。記者からの「公明党も高校無償化に賛成のはずだが」との質問には、山口さんは「まずは政策効果の検証をしてからでないと予算の見直しもできない」ともっともな意見を述べました。
民主党、自民党、公明党が3党合意による政策効果の検証のための実務者協議に急速に復帰した背景には、2月14日時点で本予算の基本的質疑が終わっていないことに対して共通の危機感があると思われます。橋下徹・大阪市長が党首を務める「大阪維新の会」が「参議院廃止につながる日本国憲法改正」を打ち出し、一定の支持を得ています。このため、本予算の審議が遅れれば、与党・民主党だけでなく、自民党や公明党への批判があるとの考えがあるでしょう。
政策効果の検証によって、本予算案の組み替え(政府が撤回のうえ、編成替え)を求める声があります。ただ組み替えもいいですが、国会による修正も考えて欲しい。昨年の第177通常国会(震災国会)では様々な内閣提出の議案が民自公の議員発案による修正で仕上げました。参院では3年前の通常国会(第171麻生政権交代解散国会)で野党・民主党参院政審会長の福山哲郎さんが提出した第2次補正予算(麻生定額給付金補正)を修正可決しています。両院協議会で否決されました。
大日本帝国憲法では「帝国議会による予算の協賛」が日本国憲法では「国会による予算の審議」に改正されました。しかし、国会による予算の修正議決の例はありません。「憲政史上初」のことをやらないと、ますます国会支持率が下がってしまいます。フェースブック社の上場が話題になっていますが、創業者のザッカーバーグ社長は「リスクをとらないのが最大のリスクだ」が口癖だそうです。国難の折りだからこそ、勇気を持った対応に期待しています。
【日本銀行がインフレ目標を初めて導入】
2012年2月13日14日の両日、日本銀行(ニッポンギンコウ、BOJ)は金融政策決定会合を開き、これまでの「中長期的な物価安定の理解」から「中長期的な物価安定の目途(Price Stability Goal」として、インフレターゲットをBOJとして初めて導入しました。朝日新聞は2012年2月14日付夕刊の1面トップの前文(リード)で「事実上の「インフレ目標」を日銀として初めて導入したことになる。」と報じました。
先月のアメリカ中央銀行FRBのベン・バーナンキ議長が「Long-run Goal」として2%を設定したことから、BOJもインフレターゲットに追従しました。中長期的な消費者物価の上昇率を2%以内として、当面は1%を目途とする、ということで、これは2%〜0.1%という意味にもとれます。今後も政府・国会による注視が必要です。
BOJは長期国債の買い入れ基金を10兆円増額しました。これは特別会計総則第5条によるBOJ所有の長期国債の財務省への償還のときに、買い入れる「日銀乗り換え」で対応するものとみられます。仮にBOJが枠を最大限に活用すれば、国民1人当たり10万円の現金が市中に流れることになります。震災後経済は一息つけそうです。とはいえ、バラ色ではありません。先週の国会では、日銀乗り換えについて自民党政調会長の茂木敏充さん、インフレ目標では西村康稔・影の財務大臣の圧力が功を奏した格好です。そして、閣内から、古川元久・経財相も同調し、今週のNHK日曜討論でダメ押ししたのが決定打になったように私には感じられます。
[写真]古川元久・経財相。
民主党有志議員は政権交代直後から「デフレ脱却議連」をつくり、松原仁会長、宮崎岳志事務局長のほか、経済企画庁出身の金子洋一参院議員らがこの問題に取り組んできた背景があります。ぜひ、これで調子に乗らず、これからも「物価の番人」の番人をしてほしいと考えます。FRBの設置根拠には、「雇用の最大化」が盛り込まれていますが、現行日銀法は物価の安定にとどまっています。「物価の安定」と「雇用の最大化」は車の両輪であり、物価だけでなく、雇用の最大化につながっているか、しっかりチェックいただきたいと存じます。
白川方明総裁も任期を折り返しました。白川日銀の下、国際的な相対評価のなかで、円(Yen)の健全性が高まったのは事実です。関東大震災・昭和恐慌のときのように震災手形の整理に手間取るという政策リスクもありません。しかし、そろそろ円(Yen)に働いてもらわないといけません。バラ色ではありませんが、半歩前進しました。
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小沢グループよ、岡田をうつなら俺をうて
「掃溜の草も弥生のけしきかな」(はきだめの くさもやよいの けしきかな)。
内藤鳴雪。
「掃き溜め」といっても小沢グループのことではありません。
天皇陛下が2012年2月18日、東京文京区本郷の東大病院で心臓バイパス手術を受けられました。皇室医務主管によると、「生活の質を向上するための手術」だそうです。2週間ほどご入院なさるようです。弥生3月とは、「いやおひ」という大和言葉から派生したそうです。「弥生」とは「多くの草木が生い出る時候」という意味です。
昨年から、3月の意味が変わりました。3月上旬と、3月中旬では意味が違います。陛下も3月中旬からご公務に復帰されたいと思っていらっしゃるでしょうが、ぜひ、掃き溜めの草木が生い出るように、生活の質を向上されるように、リハビリでどんどん歩いて頂きたく存じます。
東大病院からは、上野公園の不忍池がきれいに見えるそうですが、東大病院の道路1本隔てたところは、「文京区弥生」です。弥生にある東大農学部キャンパスから出土した土器が弥生式土器。言うまでもなく「弥生時代」の由来です。
[写真]道路の左側が東大農学部(文京区弥生)、手前は文京区立第六中学校(文京区向丘)=筆者撮影。
狩猟民族だった大和民族は、ユーラシア大陸から稲を持って渡ってきた人のおかげで、定住生活をはじめ、ムラ、クニが生まれました。すなわち日本誕生です。稲によって文明を得た私たち。弥生時代の自治体のリーダーは一部は朝鮮半島から来た人ですが、大和民族もいます。陛下も百済への「ゆかり発言」をなさったことがあります。それは我が国の成り立ちにおいては些事です。弥生は、いわば日本誕生を発見した場所です。というわけで、鳴雪の「弥生のけしき」の弥生は3月という意味ですが、時間と空間の両方の意味を含めて、陛下には「弥生のけしき」に思いを馳せて頂きたい。生まれながらにして皇太子殿下でいらっしゃった陛下に、「公務をお控えください」というのは、かえって酷です。時間と空間のせわしない現代においてのご公務のあり方を本質的に考えるときです。
【鳩山由紀夫氏が消費税増税に関して重大な事実誤認か】
昭和63年12月30日、日本国憲法第7条により公布された法律が「消費税法」です。昭和はこの後、8日間あまりしかありませんでした。憲法第5条による摂政(摂政の宮さま)を置くことができますが、この法律は昭和天皇が皇太子殿下の国事臨時代行により公布された法律です。
鳩山由紀夫さんは昭和61年1986年の衆参ダブル(死んだふり解散)の第38回総選挙で初当選し、連続8回当選しています。ここから7年間、経世会(自民党竹下派)の竹下系で活動します。総裁派閥として竹下内閣を支える上で、消費税法案の可決・成立をめざして「直間比率の是正」という言葉をくりかえしくりかえし会議で聞いて、聡明な鳩山先生のことですから、鸚鵡のようにくりかえしくりかえし「直間比率の是正のためにも消費税導入をお願いしたい」と選挙区で言っていたのではないでしょうか。
一方、岡田克也さんは平成2年の1990年第39回総選挙で初当選。経世会(自民党竹下派)金丸・小沢系でしたが、消費税法が施行されてから初めて衆議院議員になっています。
ここで、ぜひご紹介したいのが、2009年5月の民主党代表選。これは任期満了まで4ヶ月、実際の総選挙まで100日間というまさに「日本の総理大臣」を選ぶ選挙でした。
[画像]テレビ朝日さんニュース映像から。
[画像]テレビ朝日さんニュース映像から。
[画像]TBSさんニュース映像から。
鳩山さんは「今日の格差社会の中で消費税アップの議論すらすべきでない」と発言しています。「現状は格差社会(経済)である」→だから「消費税アップについて議論すべきでない」というのが鳩山さんの論法です。
公平を期すため、岡田さんの発言も見てみましょう。
[画像]中川正春さん(右)の司会で代表選の公約を述べる岡田克也さん、2009年5月。
[画像]TBSさんニュース映像から。
[画像]TBSさんニュース映像から。
[画像]TBSさんニュース映像から。
[画像]テレビ朝日さんニュース映像から。
岡田さんは「年金制度を抜本改革する1階部分つまり基礎年金については今の保険料方式から税方式に変えるそのために将来消費税を3ポイント上げさせていただきたい」としています。これは先週金曜日の閣議で決定した「社会保障・税一体改革大綱」とまったく同じことを言っています。
で、これは竹下内閣時代の議論を覚えている方は、この2人の認識が根本から違っていることに気付くでしょう。
鳩山さんは、高所得者により多く課税される所得税などの直接税の負担を減らし、その代わりに所得階層に関係なく広く課税する消費税の増税は、「格差社会」では認められないという趣旨を言っています。すなわちこれは「直間比率の是正は格差社会では認められない」ということだと考えられます。つまり鳩山さんは直接税と間接税のバランスを考えていて、国庫の歳入の増減は念頭に置いていないのだと思います。
岡田さんは「基礎年金を保険料方式から税方式に変えるための抜本改革の前提として、将来消費税を3ポイント上げさせていただきたい」としています。すなわち年金の最低保障機能を高めるための財源として8%にしたいと言っています。これは言うまでもなく、社会保障と税の一体改革であって、2014年4月に8%に上げるという段取りが「大綱」として閣議決定されています。
ちなみに平成24年度予算案では国債整理基金特別会計の利払い費(手数料含む)は13・3兆円を見込んでいます。1年間で13・3兆円です。消費税の歳入は10・4兆円を見積もっています。ちなみに消費税5%のうち国庫に入るのは4%分です。すなわち消費税は累積800兆円の国債や政府短期証券・借入金の利払いだけですべて消えている計算になります。だから日本中の商店街が息詰まる重苦しい雰囲気になっているのです。そこを年金の最低保障機能の強化と、医療、介護、子育ての4経費に充てることと引き換えに消費税を増税するというのが今の構想です。
つまり鳩山さんは昭和63年の財政構造・人口構造と平成24年の財政構造・人口構造の違いを認識していないのではないか。そうでなければ消費税増税反対などという結論が出てくることはゼッタイにあり得ません。政治家というのは時間による状況(シチュエーション)の変化によって言動をふらつかせるのが仕事です。だからこそ、ぶれないしっかりとした本質的な知恵が必要とされることは言うまでもありません。
人口1億2000万人(うち高齢者は1400万人)で赤字公債残高060兆円(建設公債とあわせて150兆円)が昭和63年の日本です。
人口1億2800万人(うち高齢者は2500万人)で赤字公債残高420兆円(建設公債とあわせて680兆円)が平成24年の日本です。
この認識の違いが鳩山さんにはないのでしょう。おそらく鳩山さんは国会議員になってからの四半世紀、予算書を読んだことがないのだと考えます。
公平を期すために、鳩山さんの推薦人と岡田さんの推薦人の一覧をつけます。
[資料]2009年5月の民主党代表選の結果。
民主党代表選 開票結果 鳩山由紀夫 124票 岡田克也 95票
http://www.eda-jp.com/dpj/2009/suisen.html
鳩山由紀夫候補の推薦人は次の通り。
衆議院
赤松広隆さん、石関貴史さん、太田 和美さん、北神圭朗さん、楠田大蔵さん、小平忠正さん、小宮山泰子さん、筒井信隆さん、仲野博子さん、原口一博さん、福田昭夫さん、松原仁さん、山口壯さん。
参議院
犬塚直史さん(第22回参院選で落選)、植松恵美子さん、大久保潔重さん、加藤敏幸さん、川崎稔さん、行田邦子さん、小林正夫さん、谷岡郁子さん、広中和歌子さん(第22回参院選で落選)、藤田幸久さん、牧山弘恵さん、水岡俊一さん。
岡田克也候補の推薦人は次の通り。
衆議院
大串博志さん、小川淳也さん、川端達夫さん、菊田真紀子さん、高井美穂さん、田嶋要さん、長妻昭さん、鉢呂吉雄さん、平岡秀夫さん、藤村修さん、細川律夫さん、松本大輔さん。
参議院
足立信也さん、大河原雅子さん、岡崎トミ子さん、金子恵美さん、郡司彰さん、高橋千秋さん、徳永久志さん、中谷智司さん、長浜博行さん、藤本祐司さん、松浦大悟さん、松野信夫さん、水戸将史さん。
[資料終わり]
2009マニフェストをよく読むと、現時点の消費税増税法案の提出は理論上可能です。藤井裕久さんはインデックスがどうしたとか面倒なことを言い出していますが、マニフェストには矛盾はしていません。ただ、2009マニフェストは、2010年7月11日の第22回参院選で有権者から否定されました。だから修正が必要であり、それが政治を国民の手に取り戻すことになります。
子どものための手当の3党協議も先週から再開しました。ぜひ、責任ある野党、公明党、自民党の協力も得て、消費税増税法案の審議を電車道のようにばく進すべきです。後ろから鉄砲をうつような奴もいますが、前をのみ見てばく進あるのみ。小沢グループよ、岡田をうつなら、俺をうて。私が「松尾伝蔵」になります。
さて、衆院予算委員会は一般的質疑の2巡目に入っています。そして、地方公聴会の設定に成功しました。後は、一般的質疑の回数を重ね、中央公聴会、分科会の設定です。そして、2月29日(水)に党首討論があるようですので、ここで3月2日(金)の予算衆院通過、年度内成立が見えてきました。一方、予算歳入関連法案はあす2月21日(火)に審議入りできるようです。時間はギリギリですが、あくまでも予算案と同日に本会議を通すのが基本であり、口うるさい参議院に対する礼儀だと考えます。いずれにしろ、自民党は平成24年度特例公債法案を「人質」にとるでしょうから、今通常国会内の解散は避けられません。それまでに少しでも多くの一般法案を通して欲しいと考えます。
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