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平成24年、2012年あけましておめでとうございます。

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 平成24年、2012年あけましておめでとうございます。

 (といっても、予約投稿なので、まだ紅白も始まっていない時間に書いていますが・・・)

 旧年中は当ブログへのご理解とご協力ありがとうございました。

 例年に増して、日本人、日本国民であることに誇りと喜びを感じる年明けです。

 ことしはアメリカ、中国、ロシア、台湾、韓国など各国で大統領選挙が行われます。

 わが国のデモクラシーと政府のリーダーシップの安定性が試されます。それは解散総選挙をしないということではなく、解散総選挙しても安定した社会・国家の姿を見せることです。

 1992年の宮澤内閣の第16回参議院通常選挙は、東京サミットのさいちゅうでした。このとき、整然とした日本の選挙戦に関心を持った人も多少いたようです。ただ、第16回参院選は「景気回復!自民党」ということで、与党が景気回復を訴えて、勝ったという世界的に稀な選挙でした。現政権のせいで景気が悪くなった、と考え、景気低迷期には野党ないし新人大統領候補が勝ちやすいのが世界の趨勢でした。最近では、わが国の国民もようやく、そういった判断の選択肢を得ることができるようになりました。

 ことしも「今後の政治日程by下町の太陽」で解散総選挙に向けた情報もお伝えしていきます。

 どうぞ平成24年、2012年、辰年もよろしくお願いします。

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◎「消費税」から逃げて逃げて逃げまくる腰抜け自民党は「石原総裁」で出直せ!

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 新年早々がっかりです。

 自民党総裁で影の首相の谷垣禎一さん(衆院京都6区)は、2012年1月2日夜のNHKニュース7にVTR出演しました。

 平成24年の自民党について、「(与党・民主党の)震災の復興や外交の扱いを見ていると、こういう政権にいつまでも、日本の舵取りを任せておくのは、これは、日本のためによくない。政治決戦、政治と国民との信頼関係を作り直していくために政権与党を追い込んでいくんだ」と述べました。

 そのうえで、第180通常国会前半に提出される消費増税準備法案について、「消費税(の法案を)を通すためには、野党の協力がないとできないですね。それならば、協力できる前提を彼ら(与党・民主党)が作ってこなければなりません。一番大きな物は信を問うということ(衆院解散総選挙)だ」と語りました。

 きょうは国会閉会から24日目で次の国会での自民党の初登壇日まではちょうど24日ぐらいです。露出を高めておきたいところ。その晴れの舞台。政権交代ある二大政党デモクラシーの定着への中間仕上げとなる第46回衆院選が予想されているのに、この発信力はなんでしょう。

 「消費税を通すためには野党の協力がないとできない」とは参院で野党が過半数を占めているということです。そこで、「協力できる前提をつくる」ために衆院を解散したって、参院は、与党3党(民主党、国民新党、大地・真民主党の3党)で110議席、自民党と公明党はあわせて102議席だから、ともに、過半数の122にはるかに届かないんですよ。そこでどう協力すると言うのでしょうか。国民の政治不信は政府ではなく、ガバメント(政府と国会)の両方に向けられていることを、政権準備政党として自民党は自覚すべきです。そのうえで、ある程度の国会戦術として抵抗は認められるでしょうが、パラダイム(考え方の大きな枠組み)に基本的な大間違いがあります。失望しました。

 谷垣さんは、たしか2006年に、与党・自民党総裁選に出馬したと記憶しています。このときは現職の財務大臣でありながら、「麻垣康三」のトップを切って出馬表明したんじゃなかったでしょうか。そして、「消費税を2010年代半ばまでに(今の2倍の)10%に増税する」という公約をハニカミながら打ち出したのを良く記憶しています。このときは、「言いにくいことをハッキリ言う姿勢は良い」と評価されながら、「とはいえ、丸い数字とはいえ、2倍だ、10%だと、具体的に数字を言っちゃうところが、谷垣さんらしい細かさだ」と評されました。その後、政権準備野党の総裁となった今、私は谷垣さんは細かい人ではなく、むしろ、ゆったりした人。サラリーマン集団の民主党とは違って自民党は個人事業主集団であり、総裁はいわば商店街や町内会の会長として、自民党が持っている力を引き出す党運営をしていると高く評価します。

 民主党は、総理・代表である野田佳彦さんの力強いリーダーシップの下、侃々諤々の長時間議論をまとめあげて、「2014年4月に8%、2015年10月に10%及び給付付き税額控除、景気弾力条項付き」という消費税増税法案の素案をしっかりと作りあげました。凛々しい責任与党ぶりです。それに引きかえ、自民党は半世紀の政権担当の矜持を投げ捨ててしまったようです。

 逃げて逃げて逃げまくる腰抜け野党。新年早々、こんな自民党総裁の姿を見せつけられるとは情けない限り。自民党にしっかりしてもらわないと困ります。二大政党デモクラシーの完成は遠のきます。もうそんな余裕はありません! このままでは、第46回衆院選は、みんなの党などの第3極が伸びてしまい、民自公以外に衆院の議席が分散し、衆参ねじれとあわせて、複雑怪奇なかけひきとキャスティングボート狙いのスタンドプレーばかり議会運営がまかり通ることになるでしょう。それはガバメントの透明性がなくなり、国民の手から政治が遠ざかることにつながります。

 民主党はバラバラだと言われますが、実際には自民党の方がバラバラです。ベテラン対若手。衆院対参院。さらに参院内でも会長派と幹事長派の争いがあります。「最大派閥は衆院支部長」と言われていますが、その支部長も派閥に入っている人もいます。グチャグチャです。


[写真]自民党の石原伸晃さん、伊吹文明さん。

 やはり自民党もしっかりしてもらわないと困るので、9月の総裁選を前倒したらどうでしょうか。自民党規約では、総裁は2選までしかできません。いったん辞めた後に再出馬することはできます。「総裁選前倒し規定」という言葉を時々聞きますが、自民党規約には総裁選前倒し規定はありません。ですから、自発的辞任に総裁選で、新総裁・影の首相として発信力と攻撃力がある石原伸晃さん(衆院東京9区)で次の総選挙に臨むのが良いのでは。石原さんは衆院の本会議や予算委員会でアドリブを交えながら、分かりやすく問題の構図を解きほぐして演説しています。シェイクスピアのお芝居のようなハッキリした手振り身振りも有権者に分かりやすい。


[画像]国会で、与野党の対立軸の明示が分かりやすい、石原伸晃さん(衆院インターネット審議中継から)。

 やさしいイメージがある野田・民主党代表は、「平成24年から(安全運転の国会運営から)君子豹変す」と話していますが、現状ではまだどう出るか、分かりません。石原さんの後任の自民党幹事長には伊吹文明さん(衆院京都1区比例)の再登板に期待します。伊吹さんは総裁が党内の会議で野次られたとき「君たち、他人の話は静かに聞きなさい!」と一喝して静まらせることができます。残念ながら、民主党にはそういう人材は一人もいません。伊吹さんは第168ガソリン国会では与党幹事長時代ながら攻撃的幹事長として、自ら筆をとって「ガソリン暫定税率つなぎ法案」を突如、衆法として提出。委員会で強行可決したうえで、本会議に上程せず議長あっせんで与野党を合意させるというトリッキーな国会戦術で見事に全議員を騙しました。ところが、伊吹さんは嘘を突き通せないお方のようで、記者会見で、「あんなに元気だった民主党のみなさんは急に静かになりましたが、どうしたんでしょうね?」と発言。民主党がつなぎ法案と議長あっせんのトリックに気付き、再び勢いづき、最終的に租税特別措置法の1ヶ月失効、ガソリン値下げにつながりました(民主党の青春)。第179臨時国会でも、伊吹さんは野田首相に、「消費税増税準備法案を出した上で解散しなさい、自民党も必ずマニフェストに消費税増税を入れますから」と水を向けました。これは民主党政権が消費増税法を成立させて、総選挙で負けた場合、新政権が消費増税をご破算にせざるをえなくなることを恐れての発言。伊吹さんは国家100年の計が見えている卓越した政治家だと、私は考えます。このように、石原総裁、伊吹幹事長。また党内融和のために、参議院から谷川秀善さんを総務会長にし、茂木敏充政調会長を続投した上で総選挙に臨むのが強い自民党の姿でしょう。

 平成24年、2012年。

 わが国のデモクラシーは「議論から説得へ」の段階を迎えています。

 いかにして、消費税増税を、社会保障のため、国民のため、庶民のため、地方のために使っていくか。二大政党は責任を共有していかねばなりません。

 全国の自民党元職支部長が、酒池肉林の万年与党時代を反省し、寒風の中、這いずり回っています。冬来たりなば春遠からじ。

 第180通常国会は落ち着かない雰囲気になりそうな気配はありますが、まずは腰を落ち着けて二大政党がじっくり話し合う姿を見せないことは、支持政党を問わず全国民の不幸です。

 谷垣さんも頑張ってください!!

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◎民主党は衆院小選挙区も「身を切る」 野田総理の年頭記者会見

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[画像]平成24年、2012年の年頭記者会見にのぞむ首相で民主党代表の野田佳彦さん(首相官邸ホームページから)

 総理で民主党代表の野田佳彦さんは平成24年(2012年)1月4日(水)朝10時から、首相官邸で記者会見しました。

 野田内閣総理大臣年頭記者会見 -首相官邸ホームページ

 その後、伊勢神宮に向かいました。

 野田さんは、1票の格差をなくす定数是正と、民主党マニフェストが定める「衆院の定数80削減」に関して、新しい考え方を示しました。

 総理は、「あのーこないだまとめた税調の中での文章でも、「最初は比例80(削減)うんぬん」と入っていたと思いますが、「(比例の文字がとれて、)定数削減」に変わったと思うんです」と述べました。

 実際に、確認したら、先月29日の「税制抜本改革骨子」には、たしかに定数削減だけで、比例とは書いてありません。




[画像]民主党の税制調査会などが先月29日にまとめた「税制抜本改革骨子」、民主党ホームページから。

 あらためて確認しましたが、ペーパーには、消費税増税の前に、民主党として「衆議院議員定数を80削減する法案を出す」としか書いてありません。細川護煕内閣が成立させた政治改革関連法施行時は、「小選挙区300、比例200」でした。現在は「小選挙区300、比例180」になっています。

 自民党の細田博之さんは比例を30削減して、「比例150」を主張しています。これとは別に定数是正で「0増5減案」を採用すべし、としているので、定数是正と定数削減の双方が実現すると、「小選挙区295、比例150」になります。ですから、自民党は「35削減」ということになります。これには総選挙で支援を受ける公明党への配慮があります。

 公明党ら7つの中小政党は比例定数(現在は180)の削減に反対しています。そのうえで、小選挙区比例代表連用制や中選挙区制など様々なプランが混在する状況となっています。

 民主党は、「小選挙区300、比例100」を主張してきました。が、7つの中小政党はもとより、自民党も乗らないことになると、公職選挙法改正案は参議院で通りません。

 これに関して、民主党最高顧問の岡田克也さんは、昨年末のブログで次のように述べています。

岡田かつやTALK-ABOUTの2011年12月30日付エントリーから引用はじめ]

 昨日(29日)の夜遅く、深夜12時に近くになり、社会保障と税の一体改革の中の税の部分についての党内合意ができました。

(中略)

 もう1つ私が申し上げたことは議員定数の削減です。マニフェストで、衆議院の比例定数を80議席削減することを謳っています。そのことはしっかりやらなければいけません。しかし、それを実現するにあたって、比例だけで80議席と言った瞬間に、公明党や社民党、共産党、あるいは与党の国民新党ですら、これに反対してそこで話が止まってしまいます。したがって、法案は通らないわけです。そういうことではダメなので、比例80議席削減はマニフェストで書かれたことだが、同じ80議席でも小選挙区も削るという覚悟を持ってやらないと、与野党間で話はできない。そういう覚悟を持ってくださいということを申し上げました。 つまり、言うだけではダメなので、絶対に比例で80議席削減すべきだということは簡単ですが、それは簡単には実現しませんので、さらに身を削り小選挙区も削り、トータルで80議席削減とする。本当に覚悟を示すならそういう覚悟を持ってくれと皆さんに申し上げました。 いずれにしても、文章を直しながら最終的に合意されたことはよかったと思います。(後略)

[引用おわり]

 岡田さんが「小選挙区でも定数削減をすべきだ」と主張して、修文(文章の手直し)がされたようです。

 野田さんや岡田さんは新進党勢で都市部選出なので、公明党との人脈面、心情面での結びつきが強いです。また、岡田さんは米国型の二大政党制を「カルテルのようなもの」と批判し、比例を活用して、第3党が二大政党の一翼に躍進するしくみを目指しています。著書の「岡田語り。」では2010年の英国での政権交代をみて、「常に単独政権であり、主要政党は2つしかないということは、寡占状態でもあるということなので、今ひとつ柔軟性を欠くわけです。二大政党が自己革新を怠れば、常に第三政党がそれに取って代わるというしくみを用意しておく必要があります」と話しています。「岡田語り。」の299ページ。

 定数是正や新区割りの前提となる2010年国勢調査では、鳥取県の人口は59・2万人、全国は12623万人でした。仮に鳥取県を1区(全県区)だけにすると、小選挙区は単純計算で全国で213必要になります。いくら身を切ると言っても、この213議席より少なくしろという極端な案はいけません。民主主義の最低限のコストです。ただ、213だけでは足りません。47都道府県の基礎配分(1人別枠方式)をなくし、そのうえで47都道府県内で1票が平等な線引きをするには、のりしろが必要です。おそらく250小選挙区前後以上は、必要でしょう。「小選挙区250、比例150」となります。世論の後押しがあれば自民党と公明党も、衆参とも賛成するでしょう。

 ここからは、民主党の第46回衆院選の選挙戦術だけに絞って考えます。300小選挙区のまま、最高裁判決にもとづく定数是正、すなわち1人別枠方式廃止と2010年国勢調査の反映をします。その後、ここ10年間の市町村合併も配慮して新しい区割りを線引きします。まず、東京都は定数が増えます。それは小選挙区割りが狭くなり、区割り変更する選挙区は増えます。このほか、長野県、岐阜県、静岡県で定数が1つ増える可能性があります。いちがいには言えませんが、第45回衆院選まで使われた小選挙区割りは変更され、1つの選挙区が狭くなります。

 でも、民主党長野県連は、現行3区で羽田孜さんが引退する後継者問題に加えて、2・4・5区では自民党支部長が追い上げており、すでに逆転しているとの見立てもあります。1区は自民党支部長がいまだに空席ですが、もともと人口が多い(1票が軽い)選挙区なので、区割りが狭くなる可能性が高くなっています。現職(篠原孝さん)は自分が有利な新選挙区を選べばいいわけですが、後援会員では淋しさもあり、党全体の力は出づらくなるでしょう。このような情勢で、6人目の総支部長を立てるのは至難の業。しかも、全体が総崩れになる危険性があります。民衆党岐阜県連でも同様。1区(岐阜市)では女性の3政治家(野田聖子・自民党衆院議員、笠原多見子・民主党衆院議員、佐藤ゆかり自民党参院議員)による長きにわたる裏切り合戦で、有権者はうんざり。日本一政治不信が強い地域とも言われます。その名の通り正直な、現職小選挙区勝ち上がりの民主党1期生・柴橋正直さんまであおりを食って投票率が下がる可能性が指摘されています。4区は、高地の飛騨高山で、自民党後援会が強い地域です。実力のある1区、5区の民主党現職も1期生ですから、ここも線引き変更は避けたいし、6人目の支部長擁立にはとても頭が回らないでしょう。静岡でも、1区・2区・4区・7区などで自民党系が優勢との観測があります。静岡県も一部に、平成の大合併の名残りが残ったままなので線引き変更は必至。静岡県連は9人目の支部長を擁立する余力はあるでしょうが、現職優先の守りの選挙が絶対的に迫られますし、それが正しい戦術でしょう。

 このように考えると、現職が多いが、組織は弱い民主党としては、小選挙区の総定数を削減し、長野・岐阜・静岡などの衆院5人区〜8人区の県はそのままの状態で闘う。また、定数増の可能性が残る神奈川県、愛知県、埼玉県の3県は、民主党が現職が圧倒的に多い県です。現職が多ければ、区割り変更があったらより有利な選挙区を選べばいいのですが、変わらない方が楽だという考え方があるでしょう。とくに県連がしっかり作られている、愛知、埼玉両県連はそう考えるのがフツーです。

 岡田さんの三重県はおそらく定数1減の全1〜4区となるでしょうが、新区割りに応じて、1人を比例東海ブロック単独に回すことになるでしょう。民主党は第46回衆院選では、2回ぶり(全国的には3回ぶり)に比例名簿単独上位登載者が出るでしょう。

 対する自民党。元職、地方議員、公募内定者も含めて支部長争いが収束していません。小選挙区定数削減は痛いところ。でも、比例を削りすぎると公明党の支持が離れるという痛し痒し。この問題は実に政治らしい問題で、民主党幹事長代行の樽床伸二さんは、持ち前の明るく気さくな性格で、あまり難しく考えずに、「腹合わせ」で落とし所に軟着陸してほしいと考えます。ちなみに、法案さえできれば、国会での審議は、衆参合計4日間もあれば成立するでしょう。

 総理は記者会見で、「我々の考え方はもちろんあります。まとまっています。ただし、ほかの野党のご意見もあるんですね。それを踏まえてどうやって削減に持っていくかというところに最後まで心を砕くことになると思いますが、どっちにしろですね、定数削減は最後には実現しなければいけないというふうに思います」と強調しました。ここは有権者の監視を強くしていけば、最後は、9党はまとまるでしょう。まずは第180通常国会の4次補正予算成立後に、定数是正などを盛り込んだ区割り審(内閣府におかれた衆議院選挙区画画定審議会、村松岐夫会長ら7人)設置法改正案のスピード成立が必要です。

【野田さんはチャーチル?、Never never never never give up!】

 野田さんは記者の質問に答える格好で、きのう(2012年1月3日火曜日)、母校である千葉県立船橋高校の同窓会に出席したときのエピソードを披露しました。140人ほどが出席したと報じられています。同級生から手紙を渡されたそうです。その手紙には次のような趣旨のことが書いてあったそうです。

 おい野田、船橋高校の世界史の授業を覚えているかい?

 The most famous 6 words (世界で最も有名な6語) のことを。

 チャーチル(Winston Churchill)の言葉さ。

 Never Never Never Never Give Up! 


[写真]Sir Winston Churchill (wikipedia)

 という趣旨のことが書かれていたそうです。野田さんは忘れていたそうです。

 これはチャーチルが保守党党首として首相だった1941年10月29日、彼の母校である名門パブリックスクール、ハーロー校(Harrow School)を訪れた際のスピーチのようです。この前年に、フランス・ベルギー・オランダ・デンマーク・ノルウェーの英国の対岸の大陸諸国はすべて、ナチス・ドイツに占領されています。そして、英国は爆撃され、とくにロンドンは毎日爆撃を受けていました。


[写真]爆撃された英国国土を視察するチャーチル首相、「ヨーロッパの歴史 欧州共通教科書」から。

 上のチャーチル首相が爆撃地を視察する写真が、この「世界で最も有名な6語」を言った時期に重なっているでしょう。

 チャーチルは言葉の力を持った政治家でした。2010年5月のBBCテレビの「英国総選挙開票特番」も、英国議会のビッグベンの後ろにチャーチルの姿がうつり、戦後65年たっても、どの首相よりも大きくチャーチルが描かれていて、驚きました。25歳で初当選した2世議員のチャーチルは、国王ジョージ6世のもと、65歳で初めて首相になりました。遅咲きの政治家でした。それなのに、なぜこれほど大きな政治家になったかというと、それは国難の舵取りをしたからです。その姿が、同級生からみて、今の野田さんと重なるところがあったんだろうと。だから手紙を事前にしたためて、そっと渡したのでしょう。政治家というのは、苦しくても誰かが背中を見ていて、つまずいたり、元気がなさそうだったり、たまの正月に会う機会があれば、そっと背中を押す。それが政治家と支持者の関係です。だから、政治家は嘘は最低限にしないといけないし、赤信号は絶対に渡ってはいけないのです。いつもその背中は見られ、人として見抜かれている。ただ、野田さんのような力のある政治家にとっては、それはむしろ好都合であり、今はインターネットもありますから、有権者も含めて、実にすばらしい時代が到来しています。ちなみに、国難の舵を取ったチャーチルは、戦争終結の前月の総選挙に負けて、労働党に政権交代しました。その後、現国王エリザベス2世のもと、首相に返り咲いています。

 平成24年、2012年「君子豹変す」と野田さんは予告しています。私はまだ、具体的なイメージがありません。ですが、経済成長と財政再建の両立に向けて、優先順位をつけ、一つ一つ山を乗り越えていく。第45期衆議院の任期はわずか1年半となりましたが、そんなちっぽけなことはどうでもいいことです。日本国はずっと続きます。きょうの夕飯より、100年後の朝食を。

 私たちも、ネバー、ネバー、ネバー、ネバー、ギブ・アップ、「あきらめない、あきらめない、あきらめない、けっしてあきらめない」。



 ところで、このチャーチルの話は、日経新聞の犬童文良(いんどう・ぶんりょう)記者の質問に答えるなかで出たエピソードです。犬童記者は、日本における英国二大政党政治研究の第一人者として知られた犬童一男・神戸大学名誉教授の子息です。記者会見では、東京新聞の三浦耕喜・記者がトップバッターとして、「今年は、総理もおっしゃいましたけれども、様々な意味で日本の将来を左右する重要な年になると思います。我々としても、総理に国民への説明を求める機会が多々あるかと思いますので、どうぞよろしくお願い致します」と総理に伝えました。ジャーナリストの江川紹子さんの質問の際には、総理が「高校の後輩ですよね」と声をかけるシーンがありました。

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[訃報]さようなら参議院議員・大石尚子さん 良識の府らしさ、民社らしさのバトンを継いでほしい 

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[写真]大石尚子さん、参議院ホームページから。

 かなり驚きました。民主党参院議員(全国比例)の大石尚子(おおいし・ひさこ)さんが、2012年1月4日、亡くなったそうです。享年75。衆参あわせて、勤続9年5ヶ月。

 心から、ご冥福をお祈りいたします。

 先の第179臨時国会中(10月下旬)にお元気なお姿をお見受けしました。ただ、今改めて、第179臨時国会の参議院本会議押しボタン式投票結果をみたところ、11月21日の本会議では投票しています。が、12月2日、7日、そして、会期末だった平成23年20011年12月9日の本会議では投票の記録が残っていません。欠席ということでしょう。

 言うまでもなく大石尚子さんは、日露戦争、とくに日本海海戦の英雄である元海軍中将・秋山真之(あきやま・さねゆき)の実の孫(娘の娘)です。真之らを主人公にしたNHKスペシャル大河ドラマ「坂の上の雲」が12月放送され、3年がかりで完結しました。しかし、最後の4回分が放送されていた間は、体調を崩されていたようです。第179臨時国会では「参院倫選特」(政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会)の筆頭理事を務めていました。

 哀悼を込めて、2009年11月17日の政権交代後初の第173臨時国会での参院外交防衛委員会の国会傍聴記を下に載せさせていただきます。これは会員制ブログの方に当時載せたものです。現在は会員制ブログは、今後の政治日程限定となっていますが、当時は傍聴記も載せていました。

 訃報の直後にこういうことを書くのも気が引けます。しかし政治空白は許されません。現在、名簿で次点なのは斎藤勁さんです。同じ民主党神奈川県連ですが、斎藤さんは現在衆院議員で官房副長官です。衆院の任期は「2013年8月ないしは解散」まで、大石さんの任期は「2013年7月まで」となります。斎藤さんの官房副長官職は慣例として「衆院枠」とされていることもあり、斎藤さんはおそらく繰り上げ当選を辞退するとみるのが妥当です。その場合は、第44回衆院選で落選した元衆院議員、玉置一弥(たまき・かずや)さんが対象となり、6年半ぶりの国政復帰となりそうです。玉置さんは衆院通算8期のベテラン。世襲議員であり、労組出身ではありません。京都の日産労連のはたらく仲間の応援を受けていました。衆院議員としては新進党解党までがんばり、新党友愛では国対委員長を務めました。私は玉置国対委員長の担当記者を務めさせていただきましたが、とてもとても人柄がいい人です。新進党解党から第2次民主党結党の段階で、かなり深刻に悩んでいた30歳代の議員の相談に乗っていました。

 大石先生は、上品で、おしとやかで、清楚で、大所高所から物事を見ている議員でした。良識の府・参議院、旧貴族院の薫りがする議員でした。現在、参議院でそのような議員、さらに言えば、参院民主党(民主党・新緑風会)では大石先生しかいないという状態にまで参議院は変わり果ててしまいました。強いて言えば、自民党の宮沢洋一さん。ただ、大石さんの訃報で、参議院には上品な議員がまったくいない状態になったと考えます。しゃべり方から違いますからね。参議院の制度は抜本的に変えないといけません。

 おととしあたり、官報で、玉置さんの政治団体が解散されたという総務大臣告示を見ました。ちょうど塩爺こと塩川正十郎さんの政治団体と同じ日でした。だから、玉置さんは引退したのだ、と私は認識していました。ですから、仮に玉置一弥・参院議員となったら、玉置さんにはいっさいのしがらみのない大所高所からの発言を期待します。玉置さんは宮澤解散(第40回衆院選)で落選しています。ですから、民社協会ベテランでは異例なことに、細川・羽田内閣に参加していません。勤続20年なのに、与党経験は0日のはずです。「シー、黙ってて」と言われそうですが。

 大石さんは、民社党の神奈川県議や、民主党の衆院議員を経て、第21回参院選に出馬。このときは全国比例次点となりましたが、山本孝史(やまもと・たかし)さんのあとを次いで、参院議員のバトンを受け継ぎました。ちなみに、大石さんは神奈川県会議員としては、映画の松竹大船撮影所労組出身の金子県議から民社の議席を受け継いでいます。この金子県議の子息が、神奈川選挙区選出の金子洋一参院議員です。そしてまたバトンタッチすることになります。

 あるいは、神奈川では、きのうとおとといの2日間、箱根駅伝があり、大石さんより半世紀以上後に生まれたすばらしい若者たちが圧倒的な新記録を更新しました。だから、襷リレーと言ってもいいですが、「民社の襷」は地味ながらしっかり受け継がれていることになります。まさに古豪です。

 大石尚子さん、ありがとうございました。

[会員制ブログから引用はじめ]

「波静かな委員会を期待」に議場わく 秋山真之・栗林忠道の実孫が防衛大臣に質問(2009年11月17日付)

 11月17日の国会で、日露戦争の英雄である秋山真之・海軍中将と、太平洋戦争で硫黄島総指揮官だった栗林忠道・陸軍中将の各々の孫が北澤俊美防衛大臣と岡田克也外務大臣に質問するという珍しい出来事がありました。

 秋山真之(さねゆき)はNHKが今月29日から3年間にわたり放送するスペシャルドラマ「坂の上の雲」(司馬遼太郎原作)の主人公です。日露戦争の決着をつけた日本海海戦のほとんどの作戦図は海軍参謀だった秋山が書いた物です。

【2009-11-17 参院外交防衛委員会 大臣所信表明に対する一般質疑】



 秋山真之の実孫である、大石尚子(ひさこ)参院議員(民主党・新緑風会、全国比例)が午後の参院外交防衛委員会で質問に立ちました。今国会から初めて外防委のメンバーに加わっています。


 海軍の参謀だった秋山は、日本海海戦のスタートを本国に「本日天気晴朗なれども波高し」と打電しました。

 大石さんは質問の冒頭、「この委員会を、実り多い、波静かな委員会として」と切り出し、議場が大いに沸きました。

 「本日天気晴朗なれども波高し」−−。


 司馬遼太郎著「坂の上の雲」(文春文庫)によると、秋山は文学者になりたかったようですが、家計の事情から海軍に進みました。この電文は、日本海海戦により非欧米国として初めて「一等国」に踊り出て、そして、坂の上の雲から、先の大戦へと転落していく我が国の未来を暗示している、ととらえることができる名文です。明治の「官僚答弁」はすごかったと感じさせます。


【2009-11-17 衆院安全保障委員会 大臣所信表明に対する一般質疑】

 これに先立つ午前中の衆院安全保障委員会でも、同じく岡田外相と北澤防衛相がコンビで一般質疑にのぞみました。


 自民党の新藤義孝・衆院議員への北澤防衛相の答弁に私は驚きました。

 北澤防衛相によると、新藤議員の祖父は、太平洋戦争の硫黄島総指揮官として戦死した栗林忠道・陸軍中将で、長野にゆかりのある人物だとして、「その孫とここで議論できることは名誉だ」としました。梯久美子著「散るぞ悲しき」(新潮社)によると、栗林は部下に「玉砕」をいさめさせながら、最後に戦死しています。最期を見届けた部下が一人も生還していないので、最期の姿はよく分からない面があるようです。

 新藤議員は、北澤大臣の答弁に虚をつかれたようで、「しっかり追及しないといけないことは追及しますよ」と反論しましたが、声を小さくしながら、「ふれていただいてありがとうございます」とお礼を述べました。

 戦争や決闘ではなく、国会の中で戦う。日本を代表する軍人の孫たちがスーツを着て、国会の中で防衛大臣と議論で戦う。日本が平和であることが確認できました。

[引用終わり]

[当ブログ内の関連エントリー紹介]
秋山真之の孫・大石尚子さん「人生は有限であります」と与謝野馨大臣の入閣に理解
[紹介おわり]


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岐阜の阿知波吉信さん、岡田克也さんから「もう応援しません」と言われてしまった!

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[画像]上の画像は昨年2011年のものです。ことし2012年のものではありませんので、お間違えなく。

 民主党1期生143人、自民党1期生4人ということで、民主党の1期生もだいぶふるいにかけられてきた感じがします。

 「アッチー」」こと阿知波吉信さん。現在は岐阜5区で、多治見市、中津川市、瑞浪市、恵那市、土岐市。ただ、岐阜は定数是正で全県6区に1増する可能性があり、区割りが変わる(全体的には狭くなるイメージ)かもしれません。

 その阿知波さんは、第44回郵政総選挙で初陣に敗れ、第45回政権交代選挙で小選挙区勝ち上がりで初当選しました。ちなみに、岡田克也さんは郵政初陣組には積極的に応援にかけつける傾向があります。昨年2011年1月23日(日)も岡田幹事長(当時)は、阿知波後援会の新年会にかけつけました。この日は第177通常国会の召集前日でしたが、岡田さんは第44回初陣組には万難を排してかけつけるんですね。

 ざっくばらんの会は、ざぶとんをつかった車座。各人の好きな距離感で話ができるざぶとんを活用したスタイルで、阿知波後援会名物だそうです。

 拍手の中登場した岡田さん。やぶからぼうに、「もう阿知波さんを応援に来ません!」と宣言。「なにごとだ・・・」とどよめきが。岡田さんは「私は代表時代から阿知波さんの応援に来ていて、きょうで合計8回目です。だから、あと2回応援に来て、合計10回になったら、もう阿知波さんの応援には来ません。その代わり、阿知波さんには、民主党の他の議員の応援に行ってもらいます!」と説明し、やんややんやの大喝采。

 阿知波さんは、早稲田大学雄弁会員と官僚(郵政省から総務省へ)の両方の経験がある珍しい現職国会議員です。小渕恵三さんの書生と橋本龍太郎首相の総理番記者(産経新聞社への研修出向)の経験もあります。歴史好きで「上杉鷹山」をブーム前から先取りして研究していた阿知波さん。総務省ワシントン駐在時代に、NASAフロリダのケネディ宇宙センターを訪れ、「スペースシャトル」の発射地点や「エクスプローラー」の発射地点を一つ一つていねいに回った阿知波さん。

 しかし、浪人経験もあってか、「私1期生の間は、地元のことしかやらないんですよ」と宣言。「1期生の仕事は次も当選して2期生になることだ」というのは、小沢一郎さん、岡田克也さんの両人が共有する認識で、私も全くもって同意します。

 岡田幹事長が来たときは、震災前でしたが、高速道路出口の渋滞が生活道路に影響を及ぼしているということを地図を使って、岡田さんに説明しました。橋をかけるのがいいという話になり、ざぶとんのみなさんから、「橋がかかった暁には、『岡田大橋』と名付けよう」とアイディアが出て、拍手喝采。

 震災後、国土交通省の東北の出先機関幹部の動きが良かったと評判になりましたが、この震災前の「岡田大橋」構想については、新年会から数日経ってから、国交省の東海ブロックの出先機関幹部が、「あのすいません・・・岡田大橋ってなんですか?」と訪ね歩く姿が目撃されています。出先機関も情報が遅いですね。岡田さんも阿知波さんと同じく東海ブロックです。

 そんな阿知波さんは、予算の政府原案づくりがピークを迎える11月に「公開陳情会」を企画しました。ゲストは国土交通副大臣(松原仁さん)。600人が集まっての公開陳情会でしたが、時代が違います。現在の岐阜5区は全5市でできています。だから、5市長さんが、地元の重要な公共インフラについて、分かりやすく説明しながら、国交副大臣に要請しました。出席者のみなさんも政治意識が高い方が多いとは言え、地元の市の国費公共インフラ整備について、詳しく説明を聞く機会は珍しいので、「なるほどああなっているのか」と合点がいったようです。

[画像]2011年11月19日に開催した「公開陳情会」のお知らせ

 核融合に関しても、ていねいに取り組んできました。が、震災後の世論が安定してませんが、じっくりと取り組んでいってほしいと、私は考えます。

 公明党の提案で、衆院に設置された「科学技術・イノベーション特別委員会」の2011年8月3日の審議(国会議事録)で、阿知波さんは小柴昌俊・東大名誉教授(ノーベル物理学賞)に質問しました。

 阿知波さんは、上に書いたワシントン時代のNASA訪問の経験から小柴先生に次のように質問しました。

 「宇宙開発に莫大な予算を使っている、しかし、こういうものがいかに意義があってとか、こういうものの役に立っていますとか、そういうことで国民を説得する姿勢にあふれているという現状を目の当たりにいたします」「先生がノーベル賞をとられたということも大きな説得要因にはなると思うんですが」「継続的に繰り返し繰り返し国民に対して税金の使い道について説得を行っていく、そういう機能を日本の国は増すべきだと思うんですが、いかがでございましょうか」

 これに対して、小柴先生はこう答えました。

 「おっしゃるとおりです。私は、カミオカンデ、スーパーカミオカンデのときにたくさんの税金を使って、それは大変に今でも感謝しているんですけれども、それに対する感謝の気持ちをあらわすのに財団をつくったということもあるわけなんです。おっしゃるとおり、国民に、一体どんなことが今行われているのか、その意義、ねらいというものがはっきりと示せなくても、こういう努力を今しているんだよというようなことは、やはりしょっちゅう伝えておく必要が大事だと思います。それをやるのは、国民に対して働きかけるというのは、代議士の先生方というのがやはり先に立って、例えば関係のある基礎科学の者を引っ張り出して、国民に対して、この件についておまえたちはどう考えているのかしゃべれというふうなことをやらせていただいた方がいいんじゃないかと思います。
 つまり、例えば私自身、もう九月で八十五になるんですけれども、私が言い出して、国民の皆さん、日本は今こういう計画をこういうふうにやっていますよというふうなことを言い出す機会というのは、なかなかできないんですよ。だから、やはり国会として、特にこういうふうな名前のついた委員会というのは、国民に対してPRというのを一つの大きな仕事として取り上げていただいた方がいいんだろう、そういうふうに感じます」

 アドバイス、というより重みのあるエールですね。
 
 陶磁器に力を入れていて、TPPやEPAで相手国の関税を引き下げ、輸出に活路を見いだせる、という政策の持ち主。定率関税表に詳しいので、地元周りで、「TPPでうちが潰れる」と心配する地元農家に、「おたくの品目は関税はゼロですよ」とその場で説明できる「使える地元議員」、それが「アッチー阿知波吉信さん」です。

 日本の未来に必要な政治家です。

 ところが、区割り変更の可能性以外にも、大苦戦しています。対抗馬は自民党の古屋圭司さんで比例復活しています。第44回郵政選挙では無所属で勝ち上がった強者です。第176臨時国会に「海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律案」を出しました。この法案は第177通常国会で民主党案と自民党案をすりあわせて、衆院文部科学委員長(当時は田中眞紀子さん)提出に仕立て直すために撤回されました。日本と国交のない台湾の「故宮博物院」からの展覧会を日本で開けるようになります。この法案は震災前に、衆院を通過しました。その本会議を私は現地で傍聴していましたが、古屋さんはうれしそうにガッツポーズしていましたが、親友の安倍晋三さんを含めて、誰からも拍手や握手をされていませんでした。最近の自民党はちょっと元気がないです。震災後に参院でも可決、成立しました。

 週刊朝日2011年10月21日号で第46回衆院選の予想が出ましたが、ご覧の通り、岐阜5区は、古屋さんが「◎」、阿知波さんが「無印」となっています。 



 岐阜5区の5市は、2000年国勢調査から2010年国勢調査にかけて、各市とも2000人〜4000人ほど人口が減っています。陶磁器の海外輸出だとか、あるいは核融合のこととか、絵に描いた餅に感じる方はいらっしゃるでしょう。でも、阿知波さん、アッチーに任せておけば大丈夫です。そもそも、阿知波さんを悪く言う人をいまだかつて聞いたことがありません。信なくば立たずです。政権交代チルドレンでも「アッチー」といえば今やオピニオン・リーダーとして、一定の信頼と尊敬を集めています。岐阜5区の方は幸せです。核融合のことも、嘘を付いてまで、自分の利益にするような人では絶対にありません。早稲田、郵政省、ワシントン、総務省そして郵政選挙で浪人。そして「地元のことしかしない」1期目から、与党だか野党だか分かりませんが、飛躍の2期目へ。阿知波代議士の可能性への挑戦はまだ始まったばかりです。

岡田幹事長、あちは吉信(岐阜5区)新春の集いに参加 多治見市 - 民主党

岡田克也幹事長は23日午前、岐阜県多治見市を訪れ、阿知波吉信衆院議員(岐阜5区)後援会が主催する、「ざっくばらんの会」と参加者600人を集めた「新春の集い」に参加した。

 「ざっくばらんの会」では中小企業経営者を中心に30人が車座になり、中小零細企業支援策、関税政策、高齢者福祉など幅広く、まさにざっくばらんに語り合った。冒頭、岡田幹事長より「率直に有権者と意見交換ができることは政治家にとって一番の幸せ」との発言があり、特に中小・零細企業支援策では現場の生の声を聞き、「さらに、きめ細かな政策にしなければならない」と述べた。

 「新春の集い」では、まず阿知波議員が挨拶に立ち、「地場産業である陶磁器産業は、生産量がピーク時に比べ4分の1に落ちた。ただしTPP(環太平洋連携協定)やEPA(経済連携協定)によって輸出先の関税を下げることができれば日本の陶磁器は海外に対して挑戦ができるとの声がもう一度地場産業の中から高まってきている」と指摘。「アメリカの場合、関税27%を下げ、国際競争力が復活する。まして他産業には効果が期待される」との見方を示すとともに、「よく効く薬は副作用もある。慎重に検討しなければならないが、日本中が元気になれる政策、それが経済連携協定だ」と訴えた。

 さらに、この地域が世界に貢献できるものとして、核融合科学研究所を取り上げ、昨年の補正予算で15億円を計上し、新しい実験を実施することになったと紹介。核融合は1リットルの海の水が250リットルの石油と同じエネルギーをもたらす最先端の技術だと指摘。そのうえで(1)日本の弱みのエネルギー自給を強め安全保障に役立つこと、(2)技術の活用と海外への売り込みによる経済成長、(3)二酸化炭素が出ない技術での地球環境への貢献、(4)石油がからむ世界紛争の要因が下がることでの平和貢献――など4つのメリットを説明。「地元からノーベル賞を出そう」と呼びかけた。

 リニア中央新幹線について触れ、駅の誘致によってもたらす経済効果、地域が大きく変わる起爆剤だと述べた。

 最後に、「現在の日本は停滞感、閉塞感で満ち溢れている。それを打ち破るのは今を生きる私たち日本人しかいない。私たちの力で日本を発展させ、後世に残して行こう」と熱く決意を語った。

 次に岡田幹事長が挨拶に立ち、通常国会について「菅総理がやりたいことは大きく二つ。一つは平成の開国、もう一つは最小不幸社会の実現」だとし、平成の開国については、自身が外務大臣時の話も踏まえ、民主党政権になってからの実績として、インドとペルーの二国間の経済連携協定の実質合意や日本とEU、日本と韓国との経済連携協定協議の再度スタートについて力説。その延長線上にあるのがTPPだとし、「6月までに我々も議論に参加するかどうかを決める」「農業については所得補償を軸にして、しっかりと手当をしなければならない」「時間があまりない中でスピード感をもってやっていく」と訴え、これが菅内閣の第一の柱になると強調した。

 第二に最小不幸社会の実現について、「菅総理が昔から使っている思い入れの強い言葉であり、不幸を最小化するのが政治の役目だ」とした。そのうえで雇用対策について、失業保険の適用範囲を大幅に拡大するとともに、雇用保険が切れる人については研修を受けることを条件に月額10万円の最低限の生活補償を行うことを説明した。

 そうした社会保障と財源については、「いろいろな意見があると思う。消費税の議論もある。しかし我々はこの問題から逃げてはいけない。覚悟をもってやっていく」と述べた。同時に消費税増税について「すぐ上げるといっているわけではない。我々はそういう時には選挙をする。それなくして消費税を上げることは、全く考えていない」とも語った。

 最後に、「この10年、20年なかなか前に進めることができなかった政治を、今年はしっかりと前に進めたい。頑張っていきたい。」と決意を述べた。

 その後、統一地方選民主党公認候補、来賓の地域5人の全市長さんとで乾杯。岡田幹事長と阿知波議員は、会場一杯の600人を超える参加者との写真撮影に気さくに応えるなど、和気あいあいとした雰囲気の中、交流を深めた。

あちは吉信ブログ 公開陳情会

公開陳情会って聞いて、ゲラゲラと噴出してしまう官僚たち。経験したことの無いスタイルだからでしょうか。これが少なくとも行政の現状なのです。そんな最中、松原国土交通副大臣をお招きし、公開陳情会を開催しました。

そもそも陳情なる言葉は、よく耳にするのですが、実際に見聞きした人は、ほとんどみえませんね。大切なことをお願いして、実現してもらう・・・。それを皆の面前で行えば、何が優先事項で、その扱いを政策責任者がどのように対応して行くのかなど、プロセスの段階から住民参加となります。また政治や行政の責任の所在を、将来に渡ってはっきりさせることができるわけです。「道路をつくる、橋をかける・・・。」、いいかげんな政治家の、いいかげんな公約。こんなものとサヨナラしようと気合を込めた企画だったわけなのです。

会の開催としては、最悪に近い、強い風雨の中で、それでも600人余りの皆さんの参加の元、行われました。

案件は、2つ。国道19号線の瑞恵バイパスの建設(21年来の課題)と、先の15号台風で水害を被った多治見の治水対策(抜本的な対策が一度も行われていない地域)です。

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「消費税」筆頭理事の寺田学さん、「政局より大局」下野後の地平をみすえる

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 日本の新しい地平が見えてきました。

 消費増税準備法案(第180通常国会の3月に閣法で提出予定)。

 民主党代表で首相の野田佳彦さんは2012年1月5日(木)、「野党の皆さんには、2012年はより一層、政局よりも大局に立っての決断をお願いしたい。そうすれば必ずや困難を乗り越え、日本の政治は前進できる」としました。党幹事長代理の城島光力さんは、「(第46回衆院選後の与党が)民主党であれ自民党であれ、新しい政権が最終決定権を持つ」と語りました。

 消費増税準備法案は、衆院財務金融委員会(海江田万里委員長)に付託されます。平成24年度の特例公債法案(第180国会に閣法で提出予定)とあわせて、政権の命運を左右する筆頭理事。与党側は、寺田学さん、野党側は山本幸三さんということになりそうです。

 寺田学(てらた・まなぶ)さんは秋田1区(秋田市)選出の当選3回生です。元々寺田家は同じ県とはいえ、横手市の名門。前知事の息子とはいえ、寺田さんは世襲議員ではありません。

 その寺田さんが4日付朝日の1面「カオスの深淵 壊れる民主主義」の第3回でインタビューに答えています。

 [朝日新聞「カオスの深淵」第3回から引用はじめ]

 民主党は前と次の総選挙に呪縛されて動けない。マニフェストにない消費増税に選挙に弱い民主党議員は抵抗し、参院で多数を握る野党は衆院解散を求める。菅政権は党内の反発と野党の攻勢が結びつき、命脈が尽きた。野田政権も同じ道を歩むのだろうか。

 菅政権の首相補佐官だった寺田学衆院議員(35)は「民主党は集団討議をまとめるルールが根付いていないから厳しい」とこぼし、視線を下野後に移す。

 「民主党が野党時代に最初に仕掛けたから、自民党がやり返す。どっちが先に水に流すかでしょう。次に民主党が下野してどんなルールをつくるか。そのときは真摯で前向きな野党をやりたい」

 鳩山由紀夫氏、菅直人氏、小沢一郎氏ら、1990年代以降の政界再編や政権交代を主導した立役者の時代は終わった。バトンを継ぐ新世代の政治家たちは、別の地平を見始めている。

 [引用おわり]

 寺田さんは野党時代、総務委員会の理事を務めていました。総務委は地方税法改正案、地方交付税の総額を定める法案など、予算関連法案(日切れ法案)を扱う、前半国会では予算委、財金委につぐ重要な委員会です。野党時代の寺田さんは、衆院本会議散会後に、身長がおそらく187センチの大きな体躯で与党・自民党理事を追いかけて、委員会の設定の打ち合わせをしました。逆のパターンはまだあります。与党理事が野党理事を追いかけて、野党理事に逃げられ、審議拒否。しかし、寺田さんは責任感が強いようで、与党理事を追いかけていました。

 今回の寺田さんの財金委筆頭理事起用には、いくら前総理補佐官とは、3回生だと、与党に居留守を使われるのではないかと懸念する向きが、他の重要委員会の筆頭理事周辺になくはありませんでした。しかし、第179臨時国会で、第3次補正予算関連法案に、3党協議にもとづく衆院段階での修正を加える姿に信頼感が大きく増しています。

 財金委には、消費増税準備法案より前に、平成24年度の特例公債法案が付託されます。まずはこれをどうするか。一般質疑を含めて、まずは審議時間をしっかりと積み重ねていかないと、党幹部間で話し合いがあっても、現場で通せないことになりかねません。

 寺田さんの名前は6日付朝日の3面にも登場します。昨年来ブログ界でも話題をよんでいる「プロメテウスの罠」の官邸5日間の第4回」です。ここでは、総理補佐官(当時)の寺田さんの回想が載っています。3月14日の午後8時過ぎ、官邸5階の官房長官執務室に行くと、海江田万里経産相の秘書官が、「東電からお電話です」。経産相が「もういいよ、それは。断った話だから」。寺田さんが「何の話ですか?」「東京電力が原発から撤退したいと言っているんだ」。寺田さんが「大臣、そんな大事な電話ならちゃんと断った方がいいんじゃないですか」と差し向けると、海江田氏が東電社長に「残っていただきたい」と言ったそうです。

 海江田さんは団塊の世代で選挙が弱くどうしても八方美人的性格で、ハッキリと断ることができなかったのでしょう。この半年後、彼は小沢一郎氏の誘いに乗り、民主党代表選に出馬するという過ちを犯します。

 その海江田さんは衆院財務金融委員長ですから、今国会では、野党議員にスーツを破られ、泣きじゃくりながら、強行採決で衆本、参院に法案を送ってもらいましょう。そのくらいの貧乏くじを引いてもらわないと、歴史に対する贖罪ができません。

 そして、第46回衆院選に勝てば、野田総理は任期4年以上も見えてくるし、負ければ寺田さんが野党党首選に出ればいいでしょう。そう考えると、何もためらうことなどないわけで、二大政党デモクラシーというのは良くできていると感じます。

 震災を乗り越えた寺田学さんの地平線に、二大政党デモクラシーはどのように見えているのでしょうか。

時事ドットコム:消費増税で足並み乱れ=甘利氏「協議拒否通らぬ」−自民

 自民党の谷垣禎一総裁が消費増税に関する与野党協議に応じない考えを示していることに対し、同党内で5日、「逃げるべきではない」との異論が上がった。
 谷垣氏は同日、仕事始めの会合で「一致団結して与党を追い詰め、衆院解散に持っていく」と述べ、野田佳彦首相が提案している協議を拒否する方針を重ねて示した。しかし、この後の役員会で、甘利明元経済産業相は「今まで10%(に引き上げる)と言ってきたのに、協議に応じないでは通らない」と谷垣氏を批判。塩崎恭久元官房長官もBS11の番組で、「まず選挙をやってからとの一点張りでは、国民にすっと入らない」と疑問を呈した。(2012/01/05-21:36)

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「早期解散」から「3党合意」へ 野田代表の「岡田副総理・城島国対委員長」構想

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[画像]定例官房長官記者会見の藤村修さん、2012年1月11日、政府インターネットTVからキャプチャ。

 藤村修さんは、2012年1月11日(水)午後の内閣官房長官会見にのぞみました。この中で、民主党最高顧問の岡田克也さんから、週に1回か、2週に1回、アドバイスを受けているとしました。そして、「年末に、『3党協議ちゃんと進んでいる?』と聞かれました」とし、「3党合意を順に読み直すといくつか残っている案件がある」と合意したことを明かしました。

 これを聞いて、「城島光力さんを国対委員長に」という報道が出ている理由が、「なるほど!」と分かりました。

 8月9日の3党合意。小沢グループの罵声を浴びながら、岡田さんが最高顧問に退き、輿石東幹事長、前原誠司政調会長、平野博文国対委員長らにバトンが受け継がれました。ただ、民主党およびマスコミの解釈がおかしい点が多々ありました。たとえば、農業戸別所得補償。これについては、「12年度以降の制度のあり方については、政策効果の検証を基に、必要な見直しを検討する」となっています。ですから、12年度当初予算の政府原案の後も、決算の数字などを使って、政策効果を検証し続けるものだと考えます。これについては、岡田側近の元農水副大臣、郡司彰さんが担当しました。しかし、参院国対委員長をやったことがある郡司さんは、やさしい性格もあり、衆院3党の激しいやりとりにはサジを投げてしまうような結果だったようです。しかし、12年度以降の検証はこれからですが、新聞では「決裂」と見出しが立ちました。

 岡田さんはこれらを3党協議路線に戻そうと、総理の野田佳彦さん、官房長官の藤村修さんに言っているようです。ちなみに第2期幹事長時代は野田幹事長代理、第3期幹事長時代は藤村幹事長代理でした。

 野田代表(総理)が平野博文国対委員長を更迭する方針だそうです。当然です。そしてその後任に、城島光力さん(神奈川10区)の名前が上がっています。城島さんは、岡田幹事長、玄葉光一郎政調会長、とともに3党協議に臨みました。実務者協議として、自民党の政調会長代理、鴨下一郎さん、公明党副代表の坂口力さんと8月9日の3党合意をつくりました。岡田さんが執行部から外れ、玄葉さんが外相になるので、3党合意を知っている人が党に残る必要ができ、城島さんは初入閣できずに、民主党幹事長代理ということで党に残ったのだと私は理解していました。しかし、どうも城島さんの力が生きていないような気がします。城島さんは、野田さん、藤村さん、岡田さんと同様に、新進党出身ですので、民自公3党協議にはうってつけの人材です。どうも民主党は嫉妬や妬みで人を生かせない体質のようです。


[写真]城島光力さん



[写真]岡田克也さん、昨年の党大会。

 また、一部報道では、岡田さんが副総理となり、税と社会保障の一体改革担当大臣、行政改革担当大臣などを兼ねるという案が浮上しているようです。現在、税と社会保障の一体改革担当大臣と経財相を兼ねる古川元久さんが愛知2区に河村たかしさんが出馬する可能性が浮上しており、古川さんは地元に帰りたいという希望があるかもしれません。元々、名古屋市長選には連合(自治労)の顧問弁護士が立つ流れになったところを、国会議員団で最初に河村支持を打ち出して流れを変えたのは古川さんなのに、恩を仇で返された気になるでしょうが、やむを得ません。

 そして、仮に岡田さんが副総理で、公務員制度改革担当大臣になった場合には、国民のみなさんにお願いがあります。全国5万人の国税庁職員が給与削減を迫られた場合、全国の国税局所属の国税査察官が意趣替えしで、上場企業である、イオン、イオン九州、イオン北海道、イオンモール、イオンディライト、イオンファンタジーなどを税務調査し、細かいどうでもいいことを、暇な地元の新聞記者にリークする嫌がらせにでるかもしれません。岡田さんはイオン株式会社の株主(12万株、時価1億円強)ですが、経営にはタッチしていません。ちなみに、「イオン」が過半数を占める筆頭株主である各社を上場させることにより、マーケットから直接資金を調達するという手法は、日本独特で、トヨタグループも同じ方法をとっています。ただ、トヨタ車体、セントラル自動車、関東自動車工業が次々と完全子会社になります。イオンは伸びているうちは、孝行息子を世に出して、資金を調達するのでしょうが、いずれは親元にかえすかもしれません。なお、所有不動産が田舎にあることもあいまってでしょうが、イオンは社債の格付けは、イトーヨーカ堂などに比べると低いようです。それはどうでもいいのですが、例えばゲームセンター経営のイオンファンタジーを調べて、例えば社長交際費で韓流芸能事務所関係者と会食があったなどという税法上問題ない話がリークされて、「イオン岡田韓流ファンタジー」などというくだらない見出しを立てる新聞、雑誌はみんなで無視しましょう。日本はもう余裕がありません。

 個人的には、岡田さんには閣外から大所高所で見てほしい気がします。それと、人材育成ですね。おそらく定数削減の中に、そういう意味合いも含まれているでしょうが、小沢さんのように丸ごと面倒をみるのではなく、力のある人を選別して育てる岡田さん。年明けに感じるのは、わが国経済の失速はかなりの重症です。ある新聞が岡田さんのことを、「ことしもう59歳」と揶揄しましたが、「まだ59歳」です。この新聞社は余裕がない人が多いんです。岡田さんは、第46回衆院選に前後して、力のあるご家来衆をつくって、しっかりと次を見すえていってほしい。

 ◇

 今年初めて、3党合意を載せますので、よく読みましょう!よく読まないとハプニング解散になっちゃうかもよ。

2011年8月9日(火)の民主党、自民党、公明党の3党合意文書。
民主、自民、公明の3党は、以下の点について確認する。
一、歳出の見直しについては、以下の通りとする。
    高速道路無料化については12年度予算概算要求において計上しないこととする。
    高校無償化、農業戸別所得補償の12年度以降の制度のあり方については、政策効果の検証を基に、必要な見直しを検討する。
    なお、これらを含めた歳出の見直しについて、11年度における歳出の削減を前提に、11年度第3次補正予算ならびに12年度予算の編成プロセスなどに当たり、誠実に対処することを確認する。
一、歳出の見直しと併せ、子ども手当等の見直しによる歳出の削減について、11年度補正予算において減額措置することを、特例公債を発行可能とするための法案の付則に明記する。
一、法人税減税等を含む11年度税制改正法案(その内容を一部切り出して6月22日に成立した法律にあるものを除く)については、復興のための第3次補正予算の検討と併せ、各党間で引き続き協議する。
一、東日本大震災復興基本法第8条に規定する復興債の償還財源の具体的内容や償還ルールなど、あらかじめ決めることとされているその償還の道筋については、第3次補正予算の編成までに、各党で検討を進める。
 一、11年度第1次補正予算における財源措置として活用した年金臨時財源については、第3次補正予算の編成の際に、復興債で補填(ほてん)することとし、そのための財源確保策と併せて、各党で検討
する。
一、以上を踏まえて、特例公債を発行可能とするための法案について速やかに成立させることとする。
 以上、確認する。

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平成24年(2012年)1月24日(火)召集 6月21日(木)会期末 第180通常国会

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 藤村修・官房長官が11日午後の記者会見で、「第180通常国会は2012年1月24日(火)召集」との認識を示しました。これを受けて、「今後の政治日程 by 下町の太陽・宮崎信行」を更新しました。平成24年2012年1月24日(火)召集だと、会期末は6月21日(木)になります。

 国会法1条は、通常国会の召集詔書は10日前までに官報に掲載することを定めています。1月13日(金)の定例閣議に全閣僚出席の命令が下っており、外国訪問の日程をずらした閣僚もいます。この場で、全閣僚の辞表をいったん集め、野田佳彦首相が内閣改造に踏み切ると考えられています。このときに、同時に召集詔書を閣議決定する段取りだと想定されます。解散含みの大事な通常国会を迎えるうえで、いい緊張感を持った日程感だと考えます。

 年明けにいろいろな所感を聞くと、大変に経済は厳しい状況にあります。私としても、数え6年目を迎えるこのブログの運営に関して、なかなか資金的な余裕がなくなってきて、先行きが見えない状況です。正直、そろそろ止めようかと考えていました。ただ、ここに来て、報道として「岡田副総理・行革相」という話も出てきて、もうちょっと頑張れば、新しい見場が見えてくるかも知れないと考えております。

 昨年末は上記会員制ブログの購読者数が増え、国会傍聴活動へのご支援の意味合いもあると考えております。単に政治日程に関する情報提供にとどまらず、当ブログの活動資金になりますので、なんとかていねいに続けていきたいと考えております。余裕のある方はご支援いただきたく存じます。


岡田克也さん、民主党行革調査会のバトンを小沢グループ議員らに引き継ぐ

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[写真]民主党行革調査会事務局長の階猛衆院議員=小沢グループ=と行革調査会長の岡田克也さん。

 岡田克也さんが副総理になることになりました。同一政党の総理の下で副総理になった人はその後、総理になった例はあまりありません。で、私は37年生きてきて、総理になって欲しい政治家は2人いたわけです。改革フォーラム21(自民党羽田派)結成から、わずか半年余りで、擬似的に政権交代し、「羽田副総理」となりました。このとき、新生党党首を空席にしました。ここで、代表幹事(小沢一郎氏)にうまくやられてしまい、その後の羽田総理は2ヶ月間で終わってしまいました。さらに「改革フォーラム21」が知らない間に乗っ取られていました。あまり「副総理」という響きに良い思い出がありません。

 総理からの入閣要請を2度断ることは自民党では許されませんでした。岡田さんも、国益、国民益のために自らの総理の座を捨て、副総理として奉公することにしたのでしょう。私も、国難克服のため、ここで自らの身命を削ってでも、100年先の日本のために、りんごの木を残そうと決意しました。

 岡田さんが会長を務める、民主党行政改革調査会は、発足1ヶ月目の前日となる、平成24年1月12日(木)夕方、国会内でことし初の総会を開きました。会議前のアタマ撮りでは、岡田さんが、事務局長の階猛(しな・たけし)さんを従えて、政府側説明席に座る、奥村展三、森裕子両文科副大臣に話しかける場面がありました。おそらく文科省が所管する独立行政法人(原子力含む)の整理統合の件だろうと推測します。奥村さんは前の「一新会」会長代行、森さんは旧自由党出身、階さんは岩手1区。小沢グループが勢揃いの印象でした。

 
[写真]階さん(グレーの背広)を従えて、岡田克也さん(左側の紺スーツの背中の男性)が森裕子さん(赤い女性)、奥村展三さん(人物の陰)の両文科副大臣に話しかけた=筆者撮影。

この後、階さんの司会で総会が始まりましたが、岡田さんは冒頭のあいさつを断りました。


[写真]階さん、岡田さん、行政刷新大臣の蓮舫さん、内閣府副大臣の中塚一宏さん、内閣府大臣政務官の園田康博さん(途中で切れてしまいました)=筆者撮影。

 このほか、総会には、行政刷新担当大臣の蓮舫さん、行政刷新担当の内閣府副大臣の中塚一宏さん、政務官の園田康博さんも出席しました。階さんは衆院決算行政監視委員会の理事ということから、行革調査会事務局長に起用されたようです。岩手1区公募候補の階さんですが、藤井裕久さんの東大野球部の後輩というつてもあり、岡田さんに良く面倒をみてやってほしいという趣旨の申し伝えがあるようです。階さんの対抗馬の女性の自民党支部長を見たことがありますが、階さんは小沢グループでも再選の可能性が高いように感じます。中塚さんも小沢グループですが、岡田さんとは新生党時代からのつながりがあり、中塚さんへの期待は強いようです。

 行革調査会の役員は次の通りです。

 会長、岡田克也さん。副会長、大島敦さん、長妻昭さん、城島光力さん。事務局長、階猛さん。筆頭事務局次長、行田邦子さん。事務局次長、大島九州男さん、岡島一正さん、岡田康裕さん、緒方林太郎さん、小川淳也さん、後藤祐一さん、空本誠喜さん、玉木雄一郎さん、白眞勲さん、花咲宏基さん。オブザーバー、中塚一宏さん。

 総会終了後、岡田さんは十数人以上の記者に囲まれながら議員室に戻りました。ここには、階事務局長が大あわてで駆け付けたほか、行田邦子筆頭事務局次長、岡島一正さん(調査会の下部組織、特別会計改革ワーキングチーム座長)の3人が入りました。財務省幹部もいましたので、提出が迫っている特別会計改革法案を中心とした行革調査会のひきつぎだったんだろうと考えます。このうち、階さんのほか、岡島さんも小沢グループです。また行田さんは、私はそういう認識はありませんが、先日の小沢グループ(新しい政策研究会)の会合に出席したと報じられています。600万人が暮らす埼玉県全域で組織がないのに活動する公募落下傘参院議員。行田さんは岩手県に縁があり、大槌町の親戚4人が大震災で「家だけでなく命まで流されました」(第179臨時国会)とのことなので、広い心で見たいところです。行田さん、岡島さんは、岡田幹事長(第3期)の下、副幹事長を務めていました。

  
[写真]民主党行革調査会の階猛・事務局長、行田邦子・筆頭事務局次長、岡島一正・事務局次長。

 岡田さんの行革調査会長の仕事はわずか1ヶ月間となりました。しかし、初めから党内資源をいかして、岡田さんがまとめ上がるという色彩が強いしくみでした。岡田さんは幹事長時代に、「脱小沢」にこだわる菅直人首相(代表)を説得して、副大臣や政務官に自ら具体的なポストも含めて、小沢グループ議員を入れています。とくに、大震災で、橋本行革以降、廃棄物行政を司る環境省が莫大な災害廃棄物の発生と処理という、法律が想定していない事態に見舞われた際には、小沢グループの樋高剛・環境政務官が脚を使って被災地に何度も入ったことを岡田幹事長は高く評価していたそうです。


[画像]樋高剛・環境大臣政務官(当時)、大震災発生翌月の2011年4月。

 岡田幹事長が党員資格停止処分を倫理委員会に諮ったのは「小沢一郎さん」であり、「小沢グループ」ではありません。小沢グループの総力も結集して、民主党は3党協議体制に戻り、解散風を止ませなければなりません。諸懸案を国会で処理することで、日本が前に進むことにつながります。

 岡田行革のバトンは、より若い世代も分有することになりました。

 ところで、岡田副総理が行革担当に加えて、社会保障と税の一体改革担当大臣を兼任することになった場合、衆参内閣委員会に加えて、自民党が衆参財金委員会でも所信表明をするように迫ってくるかもしれません。しかし、前任の与謝野馨大臣や、古川元久大臣は財金委員会では答弁していませんから、そのようなことを持ち出すのは、形を変えた審議拒否です。責任政党としてのふるまいではありません。財金委員会は財務大臣と金融担当大臣、民主党と国民新党の2大臣がいつも出席し、総括質疑には総理も出席するのです。だから、社会保障と税の一体改革担当大臣が出席する必要はないと考えます。

 
[写真]兵庫3区選出の衆院議員、土肥隆一さん。

 土肥隆一さん(当選7回)が早く民主党に復党して、閣僚候補になることを願っています。

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新しく入閣した5人は全員、公明党・創価学会と縁が深い 野田「大衆とともに」内閣のメッセージか

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 2012年1月13日(金)の野田改造内閣(現行の内閣法にもとづき18大臣)で新しく入閣した5人は全員が公明党・創価学会と関係の深い人ばかりです。

 副総理になった岡田克也さんは、1990年の初当選で、旧三重1区で公明党政審会長(現・政調会長)だった坂口力さんを落選させて、初当選しました。その坂口先生の力で、3党合意を実現できたのは興味深いところで、3度目の幹事長の卒業会見では、「公明党を優先した」「衆参ねじれ、新進党のときから信頼できる」と明言しています。

 法相になった小川敏夫さんは参院東京選挙区で2010年3選しました。参院東京選挙区では、蓮舫さんが立正佼成会の応援を受けて当選していましたが、これを小川さんに切り替えたことで公明党へのメッセージを送ったことになります。ちなみに同じ選挙区で小川さんは当選3回、蓮舫さんは当選2回ですので、自民党政権ならば蓮舫さんが先に入閣することは絶対にありませんでした。これは派閥の会長や事務総長がチェックしていて、同期は同時に初入閣するようになっていました。民主党はこういうところで人材を活用しやすい素地はできていますので、残り少ないチャンスのなかで徐々に行かしていってほしいです。

 文部科学相になった平野博文さんは、松下電器産業(パナソニック)の労組出身で、同社従業員が多く住む地域を地盤としていますが、松下幸之助と池田大作・創価学会名誉会長の往復書簡はかなり深刻にも読める内容。週刊朝日に連載され、聖教文庫から出版されています。

 防衛相になった田中直紀さんは、田中角栄さんの娘婿ですが、田中角栄さんと創価学会の牧口常三郎初代会長は、同じ新潟県刈羽郡(現・柏崎市)の出身です。

 国家公安委員長になった松原仁さんは、東京・板橋区の出身ですが、松下政経塾3期生(総理の2個下)を経て、落下傘で、大田区選挙区から東京都議会議員選挙に出ています。大田区蒲田は「聖地」と呼ばれており、池田名誉会長の出生地。そのため、初出馬のときは、唯一公明党(Clean Government Party)が2人擁立していて、さすがにワンツーフィニッシュは無理でしたが、中位で2人とも当選していました。現在は3つの選挙区で複数擁立をしています。そのなかで、徒手空拳で当選した松原さんですが、衆院小選挙区の関係で、新進党解党後に東京3区から出馬しています。東京4区では、遠藤乙彦・公明党議院運営委員会理事が出馬したこともあり(落選)、聖地・蒲田から国替えして小選挙区で勝ち上がっている議員になります。

 さらに民主党国対委員長となった城島光力さんは、最初の小選挙区だった第41回小選挙区の比例東京ブロックで、2期目を目指す前職の太田昭宏さんとともに名簿に載り、初当選した議員です。

 総理、副総理、官房長官、総務大臣、党国対委員長が、新進党勢でそろったのはこれが初めて。

 5人の新任閣僚は全員が公明党・創価学会への心の絆であり、野田さんはさすがだと感じます。



 おもしろいなあと思います。上の写真はきのう(2012年1月12日)付の聖教新聞の1面です。創価学会の池田博正・副理事長をはじめとする訪中団が11日、中国の人民大会堂で李克強副総理と会談したという記事。李副総理は「皆さまが日本に戻られましたら、くれぐれも池田先生によろしくお伝えください」と丁重に述べた、と報じられています。


 

 そして、ひと晩あけたきょう(13日)付の一般紙。こちらは「岡田氏、副総理に」。で、岡田克也さんと李克強さんは以前から仲が良いんですね。


[写真]フランクに会談する岡田副総理と李副総理(肩書きは現在)。

 こういう風に似てくるのは、やはり辛かったけど、新進党という燃えたぎる情熱の3年間の時間と空間の共有があるのでしょう。それが国難のときに時空を超えて、戻っている。もう意地を張っている余裕はありません。

 どうか、東日本大震災と国家百年の計(一体改革)のために、もうしばらく、公明党のみなさんには、3党協議、なしいは民公協議体制の継続で、日本を再生させる。とくに地域から再生させる。ご協力をいただきたいと存じます。ホントウにお願いします。日本は国難なんです。そして地域のことは公明党にしか分からないことがほとんどです。国民の生活が第一から、大衆とともに。野田ドジョウ内閣は、下へ下へと根を伸ばしていくでしょう。

 なお、岡田副総理は、内閣や内閣府の担当に関して、復興庁新設による閣僚1増のときに見直され、自身の分担は軽減されるとの見通しを示しました。

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野田改造内閣の世襲率5%で横ばい、二世率33%、参院率27%に上昇

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[写真]野田改造内閣、2012年1月13日(金)、首相官邸ホームページから。

 2012年1月13日(金)に発足した野田改造内閣(第1次野田第1次改造内閣)では、18人の閣僚のうち、選挙区世襲議員率が5%で横ばいだったものの、二世議員率が33%に上昇しました。参院議員率は27%に上昇し、輿石東民主党参院議員会長(党幹事長)の権勢を見せつける格好となりました。

 18人のうち、世襲議員は再任の鹿野道彦農相。閣僚になれなかった父の山形市などの選挙区、父の秘書を経てから世襲し、当選しています。第44回郵政選挙で落選していますが、通算当選11回。

 二世議員は、鹿野農相に加えて、初入閣の田中直紀防衛相、自見庄三郎・金融・郵政改革相ら6人。

 田中直紀防衛相は田中角栄元首相の娘婿で、当初は福島3区から衆院に当選していましたが、落選後国替えし、現在は参院新潟選挙区。田中ファミリーのバス・タクシーの「越後交通」の支援も得ている二世議員。
 前田武志国交相の祖父は、前田勇・貴族院議員です。議会制度百年史によると、前田勇さん男爵は明治12年(1879年)生まれ、本籍地は奈良県、陸軍士官学校卒の陸軍大佐。第一師団の副官、盛岡連隊区司令官などを歴任。このほか、「関東軍副官」の経歴があるので、あまり前田さんは公にしていないのかもしれません。昭和12年(1937年)1月に貴族院議員となり、昭和21年4月の貴族院廃院まで務めました。

 自見さんは親戚から時間をおいて、北九州市の衆院中選挙区から初当選。郵政相経験後の第44回衆院選で落選し、参院の全国比例に転じています。
 玄葉光一郎外相の奥さんのお父さんは県知事で、玄葉さんの実家は造り酒屋。
 安住淳財務大臣の実父は選挙区内の元町長。
 このほか、岡田克也副総理(三重)の奥さんのお兄さんが愛媛県選出で村上水軍の末裔の村上誠一郎・衆院議員、実父はイオン創業者。ちなみに村上さんも元行政改革担当大臣です。村上さんは第2次小泉内閣で2005年8月8日の解散の閣議決定に加わっていて、閣僚適齢期とは言え政権交代の可能性があった民主党の岡田克也代表(当時)への人質として小泉首相が入閣させていたという歴史的観測が有力となっています。

 枝野幸男経産相(埼玉)はお父さんが渡辺美智雄(栃木)元副総理の後援会長経験者。

 小宮山洋子厚労相の実父が元東大総長・成城学園長の加藤一郎さん。小宮山さんの選挙区内に成城学園があります。

 参院議員は前田武志国交相、自見庄三郎金融・郵政改革相、平野達男復興相兼防災相に加えて、小川敏夫法相、田中直紀防衛相の初入閣で、27%となり、極めて高い水準。「衆参ねじれ」を印象付けることになりました。

 なお、政権交代直前の、自民党の麻生改造内閣は、世襲率は67%、二世率は83%、参院率は16%でした。
      これに比べると、民主党の野田改造内閣は、世襲率が5%、二世率が33%、参院率は27%(再掲)ですので、開かれた政治は実現していることになります。

 これとは対称的に、官僚や政治記者では、世襲や二世が増えています。このため、「先代からのつながり」、「東京の私立中高一貫校同窓生」が少ない民主党議員は不利になっている側面が顕著になっています。

 なお、1年半前の第22回参院選では、当ブログは東京選挙区の方は「小川敏夫さん」、全国比例では「前田武志さん」を推薦しました。その2人が法相と国交相という重要閣僚を務めることもあり、私もこの内閣と心中する構えです。

[関連エントリー]2009年7月1日

麻生内閣の世襲率は67%、二世率は83%に上昇(2009年7月1日)

麻生内閣の“二世議員率”は61%、“世襲率”は72%(2008年9月24日)
 

「それぞれの政治家の心の中の敵とのたたかい」野田・岡田“男子の本懐”内閣スタート

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 野田・岡田内閣が2012年1月13日(金)午後2時に親任式を受けてから、1日以上が立ちました。少し、城山三郎さんの『男子の本懐』、浜口雄幸・井上準之助の民政党内閣に似ているのかなあという気がします。

 『男子の本懐』で印象的なのは、東京駅と駒本(こまほん)小学校。東京・文京区の駒込と本郷の間にある「駒本(こまほん)小学校」。少子化の影響で廃校になる予定だったようですが、地元住民の方の運動で存続しました。東京駅は3階建てにパワーアップ工事中。およそ100年経っても、残っています、それが政治です。

 
[写真]男子の本懐のラストシーンに出てくる駒本小学校、2008年ごろ?、筆者撮影。

 14日(土)の田勢康弘の週刊ニュース新書で、野田佳彦さんは「政権交代してからあっという間で、日々格闘している」としました。田勢さんは岡田克也さんについて、「岡田さんは人間関係で物事を決めない極めて珍しい政治家だ」と評しました。そして消費税増税と反増税は二項対立ではなく、

 「それぞれの政治家の心の中の敵との闘いだ」

 と総理は言いました。

 岡田副総理は13日午後7時ごろ、首相官邸での就任記者会見で、閣僚の記念撮影の後のカンパイの音頭を岡田さんがとったことを明かして、「この内閣は未来に対し、極めて大きな責任をもっている」と述べました。その後の、内閣府(たぶん合同庁舎4号館の方だと思います)での記者会見では、「日本が沈みつつあることを実感している。これに歯止めをかけて、将来の若い世代が希望と期待をもって、生活できるようにしなければならない」と述べました。

 野田総理も14日午前11時のニュース新書で、「この国に生まれてきて良かったと思える国にして、この国で暮らしていきたい、と思える国にする」としています。

 二枚看板は、長期的な財政展望だけでなく、この1月の新年会での経営者の年頭所感などを聞いて、短中期的な景況感にもすぐれているという感想(私の景況感と一致しているという意味)を持ちました。

 余裕のない日本、岡田さんは、官邸に入る1時間前に、「岡ダッシュ(岡田さんの全力疾走)」を見せました。岡ダッシュは、街頭演説会の応援弁士として入る際に、時折見せる演出で、岡ダッシュのルートは、事前に地図をみた岡田さんが選んで、担当者に指示している、ということもあるようです。

 岡田さんは午前10時55分、突如、衆院第1議員会館を飛び出し、地下道を岡ダッシュ。事務所、警備などのおつきは一切おらず、記者十数人が一緒に走りました。国会閉会中で上京議員がほとんどいないので、変な目で見る人はまったくいなかったように見受けられました。そして、第2議員会館の民主党政策調査会の会議室に午前11時ギリギリで入りました。

 
[写真]民主党行革調査会コアメンバー会議、2012年1月13日(金)午前11時、衆議院第2議員会館、筆者撮影。

 ここでは、行革調査会のコアメンバー会議が開かれました。岡田さんの隣は、階猛さん、手前は1期生の岡田康裕さんと玉木雄一郎さん、向側が津村啓介さんです。行革調での役職は階さんは事務局長(兼)行政管理・効率化ワーキングチーム座長、岡田康裕さんが決算・行政監視ワーキングチーム事務局長、玉木さんが特別会計改革ワーキングチーム事務局長です。岡田康裕さんは兵庫11区で渡海紀三郎・自民党支部長(元文科相)との前哨戦マッチレースを闘っており、万難を排しての上京でした。会議は、藤村修官房長官の閣僚名簿読み上げ記者会見が始まっても続きました。会議が始まって30分頃には、津村さんが会場内から「民主党行政改革調査会コアメンバー会議なう。話題の人、岡田克也会長もご出席。業界や役所の意向がにじむ一部の部会報告に対し、厳しい叱咤と注文を連発されている。岡田さん、エンジン全開という感じ。政府の中枢で、ぜひ行政改革を大きく進めてほしい。」とツイートしました。

 岡田さんは官房長官会見が終わった11時55分ごろ、会議室を出て、同会館から直接、官邸に向かいました。この際は、衆議院事務局が所有し衆議院職員が運転する「民主党・無所属クラブ」割り当ての公用車を予約して、乗っていったようです。さすがに岡ダッシュで官邸に向かうことはありませんでした。

 
[画像]改造内閣のねらいを記者会見する野田総理をみる、岡田副総理、政府インターネットテレビからキャプチャ、2012年1月13日午後6時ごろ、首相官邸。

 岡田副総理は、執務室を総理、官房長官、副長官らと同じフロアに持つことになったようです。秘書官は、政務秘書官に加えて、総務省、財務省、厚労省、内閣府から1人ずつ出向したようです。総務省出身者が行政管理庁・総務庁採用者なのか、内閣府出身者が総理府採用者なのかどうか分かりません。旧大蔵省と旧自治省、財務省と厚労省、厚労省と総務省自治3局などは霞が関でも仲が悪くて有名なので、秘書官同士の連携が気になるところ。出身省ではなく、歴史に仕えているのだという気構えがほしいです。歴史に見られているのだと。岡田さんはこれまで、外務省という1つの会社の政務三役の経験しかありません。複雑に利害が絡み合う内閣官房や内閣府の職員裁きは未体験です。岡田さんというのはマルチタスクが苦手なので、懸念材料です。ただ、岡田さんは民主党幹事長(第3期)のころに、小沢一郎先任幹事長による「剛腕」な人事異動を踏襲しながら、小沢系職員を幹事長室から選対に移す一方で、小沢選対の論功行賞者である事務局長に、党広報委員会の事務部長を兼ねさせています。党広報委員会はテレビCM、新聞広告などをめぐる広告代理店とのつきあいの関係から、総選挙時には数十億円という莫大な「利権」(しかも政府ではないので規制法がない)がありますが、岡田幹事長は小沢先任幹事長が昇格させた事務局長を信頼できる人物として、兼務させたとみられます。このように、小沢系とされていても、やんわり配置換えしたり、逆に重要なポジションを任せたりします。岡田さんの部下は一定の緊張感を強いられますが、そもそもゴマすりはばれるし、人を見る眼があるので、いずれにしろ、なるようにしかならないので、思い切って仕事をすればいいのではないでしょうか。ただ、岡田副総理は、いったん人を信頼すると、あまりにも信頼しすぎてしまいます。だから仲が良かった小沢一郎さんや河村たかしさんに裏切られたときには凄まじい怨念で復讐に出るのでしょう。しかし、国家国民のために奉じていれば、なじられることはないので、部下は思い切って仕事ができる、と私は岡田副総理を見ています。

 岡田副総理は、14日(土)も内閣府(たぶん合同庁舎4号館の方)で6時間ほど、ブリーフィングを受けました。15日(日)は朝9時から15分ほど、「NHK日曜討論」に出るので、注目です。16日(月)は自民党の大島理森副総裁や、石原伸晃幹事長にあいさつに行きます。ところで、岡田さんは1993年6月の自民党離党後、一回も自民党本部に入ったことがなく、月曜日のあいさつが国会内になるのか、自民党本部内になるのか注目しています。

 とにもかくにも、日本のおかれた現状を考えたら、岡ダッシュ!
 私たち良識ある有権者、オピニオン・リーダーも、有権者の半数以上を説得できるよう、ダッシュです。もうかなりデッドラインは近づいてきています。



 

 NHKニュースによると、菅直人さんがきょう、原発事故調査委員会のヒアリングで、元検事総長・但木敬一さんらのヒアリングを受けたそうです。すべて政治家は歴史に見られていて、経験を語るのは歴史への責任です。あと数回ヒアリングがあるそうです。菅総理もしっかりと洗いざらい素直に、いっさいの嘘なく、話して欲しいと考えます。

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陛下、「2012年1月24日召集」の第180通常国会の召集の詔書を発布

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[写真]新年一般参賀(この日3回目)にのぞまれる両陛下、2012年1月2日、皇居宮殿、宮内庁ホームページから。


 天皇陛下は13日、詔書を発せられました。「日本国憲法第七条及び第五十二条並びに国会法第一条及び第二条によって、平成二十四年一月二十四日に、国会の常会を東京に召集する。」1月13日の閣議で決定し、13日付官報に載りました。詔書には内閣総理大臣の野田佳彦さんが副署しました。



 ところで、独立行政法人国立印刷局は、定期的な停電による設備のメンテナンスとして、金曜日から日曜日昼まで、「インターネット官報」の提供をとめていました。事前のメンテナンス日程とはいえ、国会法第1条は通常国会は召集の10日前までに召集詔書を官報に載せなければいけないとしているのですから、この時期だということは分かるはず。あまりにも、トータルデザインに欠いた組織運営と言わざるを得ず、これなら、以前のように財務省印刷局に戻した方がいいように感じます。

 とはいえ、国会法の規定などから、この日の閣議で通常国会召集の詔書を決定しなければいけないのは確実でしたから、この日に内閣改造もあわせた野田さんの政治センスは優れていると感じます。この日曜日からは民主党の2012年定期党大会(北澤俊美実行委員長)の全国幹事長会議、全国政調会長会議がおこなれ、あす1月16日には党大会で、規約と代表選挙規程を改正します。しっかりと準備を整えて、さあいよいよ通常国会の幕開けです。

 第180通常国会は、2012年1月24日(火)召集で、会期は150日間なので、6月21日(木)が会期末になります。この150日間には、統一地方選などの大型選挙は予定されていません。おしりに参院通常選挙もありません。また、4月22日(日)の衆議院・参議院の統一補欠選挙も現在は欠員がいませんので、このまま3月15日(木)までに選挙区選出議員の死亡や、首長選転出や不祥事による辞職がなければ、行われない見通しです。ですから、じっくり、たっぷり、ローメーカー、法律工場としての仕事に専念できます。それが再選への近道であることは言うまでもありません。あるいは与党内野党(小沢グループ)は地方選も代表選も参院選も何もないので、この国会中に党内主導権を取り戻すチャンスはありません。

 衆議院規則1条は「議員は、召集詔書に指定された期日の午前十時に、衆議院に集会しなければならない。」としています。参議院規則1条もほぼ同内容です。このため、衆議院インターネット審議中継では、24日の本会議は「10時に開議」と表示されますが、実際には定刻通り午後1時に始まるケースが多いです。参議院は規則通り、午前10時から本会議を開き、内閣改造などによる、委員長人事など「院の構成」からスタートし、休憩。衆院本会議で、野田佳彦首相と安住淳財務大臣が「今年度第4次補正予算案」提出に関する演説をした後、参本でも同内容の演説をすることになります。

 この日の官報では内閣改造の人事も載っています。こういうのを見たいのに、2日間も官報が見られない状態とは、一事が万事、たるんでいるという気がします。景気対策のためには、まずは「国のしくみを直していく」ことが肝要だと感じます。


 

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「次期衆院選は無効」か 東大法学部名誉教授・元総長の佐々木毅さんが警告

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 通常国会召集前なのに忙しくて、与党というのは、豆腐屋さんのように店開きの前の仕込みが大事なので、タイヘンだなあと感じます。

 2012年1月15日付の東京新聞政治面(4面)に日曜コラム「時代を読む」。東大法学部名誉教授で元東大総長の佐々木毅さんが第46回衆院選について、新しい国勢調査(2010年10月1日実施)「に基づいて定数是正を行わなければならないが、延び延びになっている。国会がこれまでの惰性を引きずり、裁判所の姿勢を甘く見るのは重大な結果につながりかねないというのが私の見解である。仮にも選挙の無効などということになれば、議会制は事実上崩壊につながることになろう」として、定数是正なしに第46回衆院選を行った場合、「選挙の無効」があり得ると警鐘を鳴らしました。

 最高裁判所大法廷は、平成22(行ツ)207号事件(選挙無効請求事件)で、平成23年3月23日(水)、に請求を却下しながらも、内閣府の「衆院選区割審」設置法の「衆院定数の47都道府県への基礎配分を1与えるとした1人別枠方式」について、憲法違反として、改善されない場合はいずれは選挙の無効もあり得ると強く警告しています。

 この判決文は、下のリンク先から、全文取り出して読むことができます。

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81179&hanreiKbn=02

 この判決と同時に、内閣府におかれた区割り審(衆議院議員選挙区画画定審議会)の村松岐夫・京大法学部名誉教授らは、10年に1回の区割り変更の作業をストップしています。区割り審は、1人別枠方式を廃止したうえで、さらに2010年国勢調査の結果を反映した300選挙区の区割りを、2月24日(金)までに内閣総理大臣に勧告し、そのままの内容を衆議院と参議院で改正公職選挙法として成立させなければなりません。ただ、その下となる区割り審設置法の第3条第2項から「1人別枠方式」の条文を削除し、第4条(勧告期限)の見直しを速やかにやる必要があります。さもないと、4月22日(日)に衆議院の補欠選挙があった場合(現在は予定はないが、3月15日までに小選挙区選出議員に死亡や辞職があった場合は実施される)は、選挙無効に関する最高裁特別抗告がおきると思われます。

 また、区割り見直しがないまま、衆議院解散をするのは、サンフランシスコ講和会議に出席した国民協同党総裁だった苫米地義三・衆院議員が起こした裁判での「統治行為論による事情判決」から、解散そのものは有効だと考えられます。しかし、第46回衆院選が無効となる特別抗告があれば、日本に衆院議員が一人もいない状態が長期化する可能性があり、首班指名もできなくなります。当然、歳費ももらえません。

 このような極めて重要な状態です。

 百里の道も一歩から。国家百年の計が見える政治家は、本来こういった足もとの課題も処理できると考えます。

 まずは、0増5減の細田案で、定数是正を速やかに衆参で成立させる。定数削減はそれから再度仕切り直すべきだと私は考えています。

 平成5年の細川内閣による政治関連3法(改正公職選挙法、改正政治資金規正法、政党助成法)を実現し、小選挙区2大政党制を日本に実現させた民間における最大の功労者は「民間政治臨調」(亀井正夫会長)です。佐々木さんはその後継組織である「21世紀臨調」の主要メンバーであり、選挙制度には極めて強い影響力を持っています。政権交代後の2009年秋には民主党幹事長だった小沢一郎さんから国会法改正案などに関する素案作りを依頼されています。

 小沢一郎さんの支援を受けて2010年6月の第13回民主党代表選(与党としては初の代表選)に出馬した樽床伸二・幹事長代行が各党協議会にのぞんでいますが、まとめられず、日本のデモクラシーの重大な危機が続いています。

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(未定稿)民主党規約・代表選挙規則がついに改定! 党大会、長い道、「太陽党の屈辱」も報われる

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(書きかけ、未定稿)
[初投稿日時は2012年1月16日(月)午後6時]

 予想外の内閣改造で、すっかり疲労してしまい、報道の事前登録をしていたのに、党大会に行けませんでした。1998年4月27日の民主党統一大会以来、14年ぶりに党大会をこの目で見たいと思ったが、奢れる者は久しからず、その栄華は見ずに、通常国会に備えたいと考えます。

 北澤俊美・実行委員長の下、2012年1月16日(月)、民主党2012年党大会がホテルニューオータニでにぎにぎしく開かれました。


[画像]北澤俊美・2012年民主党定期党大会実行委員長。

 北澤実行委員長は「議論は活発に行い、決定には従う。そういう責任政党としての政党文化を確立しなければなりません」と語りました。

 そして、ついに、民主党規約案、代表選挙規則案の改定に成功しました! これは、両院議員懇談会で小沢グループも交えて議論し、先月20日の第543回民主党常任幹事会で決定した案。公正な運営の下、小沢グループも含めた全会一致で承認されました。

 新しい民主党規約の第11条3項では、「代表の任期は就任から3年後の9月末日まで」となりました。ですから、今後、「総選挙による下野」などの理由で代表が途中辞任した場合でも、少なくとも2年以上はしっかりと腰を落ち着けて代表職に取り組みことができます。また「重ねて就任することができる」となりました。自民党は連続して3期以上務めることはできませんが、民主党は「総選挙での国民の信」がある限り、何年でも総理・代表を続けて、国際会議に出席し続けることができます。新しい代表選挙規則第6条4項は常任幹事会の発議、両院議員総会の承認の基、選挙日程を変えることができます。これは一昨年の英国労働党が下野したとき、ブラウン前首相(党首)の後任を5ヶ月かけてじっくり決めて、党再建に取り組んでいるように、長期的なリーダー選びによって下野時の代表(次の首相)を選ぶことが可能になりました。なお、党規約第10条では「本党が政権の任にない場合、党の政策に関して審議、決定するため、『次の内閣』(ネクスト・キャビネット)を設置する」とし、引き続き、民主党は「次の内閣」、自民党は「影の内閣」と名称は違う状態が続きます。

 これにより、政権準備政党(自由主義の野党第1党)としてフロントベンチに座った1995年12月以来17年間繰り返された小沢グループによる選挙違反(ただし公選法適用外)事件にようやく終止符が打たれることになりそうです。

 これに先立つ15日のNHK日曜討論では、副総理である岡田克也さんが「小沢グループと権力争いしているつもりはまったくない。お互い協力して政権交代の実を挙げないと国民のみなさまに申し訳ない」と発言し、民主党内における権力争いの終結を宣言しました。党大会には、小沢一郎さんは出席せず、ごらんのように鈴木克昌・一新会会長(小沢グループ)が党役員としてとりしきりました。また、小沢グループを含めた全会一致で、党規約、代表選挙規則が承認され、成立しました。ですから、これを持って、小沢グループとの闘いは終わりました。

 
[画像]民主党大会を幹事長代理(内定者)としてとりしきる、鈴木克昌小沢グループ会長=Ustreamからキャプチャ、トリミング。


[画像]小沢グループも含めた満場一致で、民主党規約、民主党代表選挙規約が成立した瞬間。

[資料 小沢グループによる選挙違反事件]

小沢グループによる党首選選挙違反の歴史(公選法適用外)

1995年12月(衆院満了まで1年6ヶ月、実際には10ヶ月後)。

野党第1党・第2回新進党党首選(海部俊樹党首の任期満了)

小沢一郎候補 112万票(66%)
羽田孜候補   56万票(34%)

議員、党員以外に「1000円を払った日本国民のハガキによる投票」を実現。大いに関心を呼ぶ。しかし、「小沢一郎」と同じ筆跡のハガキの束が党本部に大量に届く事態に。党首選挙後、米沢隆幹事長が投票用紙の全焼却を指示。非党員支持者や創価学会などに不満が溜まる。旧新生党の有力議員はほとんどが反小沢派(新進党羽田派)を結成。自社さ内閣の震災初動不手際、消費増税に対して、1996年10月の第41回衆院選での政権交代のチャンスを逃す結果に。1996年12月、羽田派(羽田孜さん、北澤俊美さん、前田武志さん、奥田敬和さん)が太陽党を結成し、離党。石井一さんと岡田克也さんは党に残り改革を目指す。

1997年12月(衆院満了まで2年10ヶ月、実際には2年7ヶ月後)
野党第1党・第3回新進党党首選(小沢党首の任期満了)

小沢一郎候補 230票(55%)
鹿野道彦候補 182票(45%)

翌夏に参院選を控え、創価学会系、連合系を中心に無投票ムードがあった。しかし、反小沢派が党改革を訴え、「当選8回、閣僚2回、旧自民党ながら非竹下派(福田派)」の鹿野道彦さんが早期に単独で出馬表明。ダークホースとみられながら、旧羽田派、創価系、連合系などから徐々に支持を集める。結果として小沢党首に肉薄し、「党首に反省を求める」党内世論が明らかになる。しかし、小沢党首は反省せず、政党助成法の基準日を控えた年の瀬に突如、両院議員総会を開き、「新進党解党」を宣言。翌夏の参院選では橋本自民党が地滑り的惨敗で、参院選2連勝(第1会派)の機会を逃した、

2009年5月(衆院満了まで4ヶ月、実際には3ヶ月後)
野党第1党・第12回民主党代表選(小沢代表の途中辞任)

鳩山由紀夫候補 124票(56%)
岡田克也候補   95票(44%)

(以下、書きかけです。ご了承下さい)。

[資料おわり]

 第2回新進党党首選での屈辱により、太陽党の船に乗り込んだ、羽田孜さん、北澤俊美さん。新進党に残った岡田克也さん。そして、新進党第3回党首選に出馬し、善戦した恨みで、解党という屈辱を受けた鹿野道彦さん。そして、「(第41回衆院議員総選挙で)新進党と書いてくださった有権者(国民)に対する裏切りだ!」と叫んだ岡田さん。無所属(衆議院副議長)として見守った渡部恒三さん。そして、なんと言っても、新進党千葉4区総支部長として浪人中に党を解党され、イチバン苦労した野田佳彦総理・代表。みんながそろってきょうこの日を迎えました。


[画像]渡部恒三さん、羽田孜さん、岡田克也さん、鹿野道彦さん。


[画像]野田佳彦代表(総理)と渡部恒三さん。

 まさに二大政党制のしくみが完成した歴史的な日となりました。

 なお、民主党規約、民主党代表選挙規則の改定は、鉢呂吉雄さん、細川律夫さん、藤本祐司さんらが取りまとめにあたりました。

 代表選挙規則の第4条では、任期満了の代表選挙では、国政選挙の公認候補予定者(内定者含む)も有権者となりました。また同13条では、国会議員は2ポイント、公認候補予定者(内定者含む)は1ポイントとなりました。これは、任期満了ではありませんでしたが、野党時代の2009年5月の第12回民主党代表選のルールを決めるときの常任幹事会で、北澤俊美さんが提案したアイディアとほぼ同じです。このときは、辞任を表明した当時の代表から「北澤俊美先生の言葉とは思えない」と恫喝され、実現しませんでした。同日の役員会では野田佳彦広報委員長、安住淳・国対委員長代理、長妻昭政調会長代理、福山哲郎政調会長代理らが指を刺され、「お前らは俺の代表在任中にずいぶん文句を言ったな」という趣旨の発言をその時の代表はしたと伝えられています。それから2年半経った与党として実現しました。当時北澤さんは党副代表でした。今も党副代表です。

 野田さんは第180回通常国会について「(ねじれ国会の)参院では、衆院から法案を送って、野党に『この法案が通らないとどうなるか』(迫る)ということも時には示していく」と述べました。昨年末の常任幹事会で提案し、民主党機関誌新年号で広く党員に呼びかけた「北澤3策」の一部採用を代表・総理が表明したものです。


[画像]民主党籍10年以上の功労者を表彰する野田代表(総理)。

 北澤さんは「民主党にはまだまだ若く力強いエネルギーがあります。これを私は信じております。そのエネルギーをいたずらに党内で浪費することなく、国家国民のために燃焼させようではありませんか」と語りました。

[画像]眼帯をした総理を気づかう、北澤俊美さん(後ろ姿)。

 長い道。

 北信越地方で縁故疎開した少年時代を描いた映画や井上陽水さんの曲のタイトルは「少年時代」ですが、もともと柏原兵三(かしわばら・ひょうぞう)さん自伝的小説です。第58回芥川賞を受賞した柏原さん。北信越地方での苦労がたたったのかは存じ上げませんが、38歳という若さで亡くなりました。そのため現代では、その名前を知る人はまれでしょう。この自伝的小説のタイトルは「長い道」。羽田さんと北澤さんの長い道。ホントウに長かった。「国民の衆院選での投票行動による政権交代が可能な二大政党制」というりんごの実はしっかりと残りました。

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ガソリン値下げ国会から4年、政府として「道路特会」廃止へ 岡田副総理「ここまで来たかと感慨」記者会見

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[写真]記者会見する岡田副総理、2012年1月19日、筆者撮影(以下同)。

 きょうは岡田副総理の記者会見に行ってきました。

 定例は「火曜日と金曜日の午後3時」が基本。きょうは行政刷新会議があったので、その後の説明(ブリーフィング)を含めた臨時の記者会見ということだったようです。

 場所は財務省の隣にある「合同庁舎4号館」というところで、いつもの「国会議事堂前駅」より一つ手前の「霞が関」駅で降りていきました。ここは、かつて私が担当していた総務庁があった庁舎で、14年ぶりに入りました。私は2009年9月の政権交代直後に外務省の記者会見で質問しましたが、これは1回限り。「日本雑誌協会会員社に載った署名記事が半年で2つ以上に満ちていない」と報道課長から言われて、その後出られませんでした。ちなみに1回限りのときも、他の方のブログなどにあるように、「囚人扱い」されてしまい、私はあまりに滑稽で笑ってしまいました。今回はそれ以来でしたが、内閣府大臣官房広報課さんが事前に警備員にも、受付にも名簿を用意してくださったので、とても気持ちよく入ることができました。

 
[写真]合同庁舎4号館(左)。

 これは霞が関の「潮見坂」という坂の下(財務省側)から、永田町(国会議事堂・官邸)方面を映した写真です。左が合同庁舎4号館。真ん中に国会議事堂が見えます。合同庁舎の影にうっすらと映っているのがかつてのホテルニュージャパン。20年来買い手が付かず解体されず野ざらしのまま赤坂に異様な姿を晒し続けていましたが、現在はアメリカ資本の保険会社のタワーになっています。


[写真]合同庁舎4号館。

 かつて「総務庁北方対策本部」が入っていたこともあり、合同庁舎4号館には「北方の領土 かえる日 平和の日」という看板があります。同じ文言の看板は東京駅八重洲北口など全国の目抜き通りにあります。この合同庁舎4号館の看板も、時折見ていますが、きょう改めて「いつ?」とつぶやきたくなりました。

 記者会見場は、民主党本部と違い、やはり政府機関ということで、特有な緊張感を感じました。記者クラブ員の記者さんからは、固有名詞などの確認がより一層必要になるなどのプレッシャーが伝わってきます。私の頃は、旧総務庁の記者クラブはのんびりした雰囲気で、兼務する官邸記者クラブに資料を持ち帰って、ゆっくり週末に向けて記事を書いていくという雰囲気でした。今はネット速報もあるので、雰囲気が違いますが、どうもこの建物は、私は好きなのかも知れません、けっこうリラックスしていました。

 首相官邸4階の大会議室で行政刷新会議(野田佳彦議長)をすませた後、岡田副総理が合同庁舎4号館4階の会議室に移動して開かれました。なぜそうするのかは私もよく分かりません。

 さて。本題の記者会見のポイントは2つ。党行政改革調査会(中川正春会長)の意見書を踏まえて、特別会計の廃止(一般会計化)などを決定しました。それと、独立行政法人の統廃合などを決定しました。ともに第180通常国会に法案が出ます。行政刷新会議は法的根拠があるし、総理が議長です。あとは法案が国会を通るかどうかということになります。ダメならば、「信を問う」ところまで行く可能性がありますが、とにもかくにも法案を出さないとどうにもなりません。その前の2月・3月の解散はないと、私は考えています。

 「道路特会」と「治水特会」の廃止(一般会計化)が決まりました。4・5兆円が特別会計のサイフから一般会計のサイフに移ります。第168国会の時点では、「暫定税率」の名の下に集めたガソリン税の上乗せ分(当時は1リットル当たり25円に相当)が道路特会を通り抜けると摩訶不思議なことに「道路づくりの大事さを理解してもらうミュージカルの開催費」に化けているというマジックが長妻昭さんらの手で明かされました。ただ、当時は「笑い事」だった気がします。

 これについて、第168通常国会の野党時代の審議が、4年経って、政府・与党として(法案が成立すれば)実現することに感慨はありますか、と質問しました。岡田副総理は「当時は、マッサージ椅子とかいろいろなことが出てきましたけど」「まあ、それもありますがやはり無駄な道路が、一般会計ではなくて特別会計から無駄な予算の執行があった」「社会資本整備特別会計がなくなるということは大きなことだと理解しています」と語りました。

 そこで、「ガソリン値下げ隊は間違いでなかったと思いますか?」と聞いてみました。岡田さんは「最後はガソリン値下げ隊ががんばり過ぎてしまったんですが、予算委員会の議論のなかで、馬淵澄夫・予算委員らが、(歳入である)道路特定財源の問題や、いかに無駄な道路をつくらないかという採算(費用対効果 B by C)の問題の議論が主流でした。そういった議論を思いおこすと、ああここまで来たか、と感慨を覚えざるを得ません」と語りました。

 岡田さんは陛下からは「国務大臣」として認証を受けているだけです。それ以外は、官邸から野田佳彦首相からもらった補職辞令により、「副総理」とか「行革相」とか「一体改革相」という肩書きがついています。

 岡田さんは初入閣のときは、「外務大臣」という補職辞令を1つだけもらいました。外務省には外局もありません。予算0・5兆円だけの官庁です。

 今回は、副総理(内閣法に定める内閣総理大臣の職務代理順位1位者)を入れて、補職辞令が9つもでています。同じ大臣でも、マルチタスクが必要な、まったく違ったおもむきの「政権を担うことの重荷」を岡田さんはいま、直面しています。ぜひ官僚のみなさんは、「○○省事務官」ではなく、「国家公務員」あるいは「日本の官僚(法律上「官僚」という言葉はありません)」として岡田副総理を支えてください。誰のためでもない、日本のためです。国難ですから。

 この記者会見には、内閣府だけでなく、財務省、経済産業省の官僚もいました。質問者は、自動車関連の雑誌の記者さんだと思いますが、「自動車安全特会の自動車検査登録勘定が独立行政法人へ移管予定」になったことについて質問が出ました。岡田副総理は答えられず、壁際の自席にひかえていた財務官僚が入れ知恵に行きました。ここまでなら、国会でも良くある光景ですが、けっきょく財務官僚もペーパーのどこに該当する記述があるか見つけられなかったようで、岡田さんから自席に戻るよう言われて戻りました。岡田さんは「後でお答えします」と答えました。副総理周りにいるような財務官僚が、内閣改造直後とはいえ、説明できないという光景はかなりの衝撃でした。


[写真]一部修正しています。

 14年ぶりにこの建物に入って、やはり官僚(国家公務員キャリア採用組)のレベルが劣化していることを実感せざるを得ない衝撃のシーンでした。例えば、私は「道路特会」、「治水特会」と書いていますが現在の正式名称はそれぞれ、「社会資本整備特別会計道路整備勘定」、「社会資本整備特別会計治水勘定」です。特会を統合して、特会内の別勘定にするという小手先の改革を続けてきたことで、財務官僚や国交官僚が全体を理解できないところまで来てしまっています。しかも、「分かりません!」のひと言が言えずに傷口が化膿したのが、今の永田町・霞が関の現状です。こりゃ、何とも「日本的だ」という表現しかないでしょう、好きではありませんが。

 民主党政権がうまく行かないのは、官僚主導でも政治主導でもなく、官僚のレベルが劣化したからだと思うのですが、それだと責任転嫁ですし、何も前に進まなくなるのでやめておきましょう。余裕がなくなり訳が分からなくなって、「省庁間の連絡」という官僚が最も優位性を持っていた分野がシッチャカメッチャカになっているのかもしれません。でも、しょうがありません。現実を見つめるべきです。とにもかくにも、まずはサイフの透明化と単純化が必要です。「無駄」があるだけ、幸せな国です。「無駄」を整理すれば、オカネが出てくるというのは、GDP世界3位の豊かな国だということです。それと人作りが大事です。

 官僚のみなさん、もう一踏ん張り、がんばってください。外から見れば、これでも官邸や国会は以前より良くなっています。混乱していますが。一部の省の一部の局が情報を外に出さないということはなくなってきていると感じます。官僚のみなさん、もう一踏ん張りです。

 独立行政法人については、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)とUR(旧住宅・都市整備公団)の統合が保留になりました。岡田さんは「URは貧しい方の住まいなどで重要だ」という考えを示しました。そのうえで、「住宅金融事業」については、株式会社化の余地があると示唆しました。こうなると、住宅金融が全銀協加盟の市中銀行と同じ存在になる可能性があり、政府関係機関であるという現在の優位性が失われます。ただ、やはり副総理会見ということもあり、岡田さんは公的に検討しているわけではないと強調しました。この辺は、ある意味、岡田さんも「インテリヤクザ」ぶりがみられて安心しました。国民としても、副総理がインテリヤクザなら最強だし、頼もしい限り。岡田さんもあまり「イメージ」を気にせず地を出せば道が拓けると私は確信します。そういう意味では、「東大法学部出の通産官僚」というイメージを持つ人には、それはまったく違う、むしろ逆です、と私は言いたいです。

 司馬さんが書いています。少佐だけど、General(将官)だったのが秋山真之だったと。generalには「総合的に」という意味があります。海軍軍人というは海軍官僚であり、国家公務員です。そういった時間軸でも空間軸でもグランドデザインが描ける官僚はいなくなったんだと考えます。全滅はしていないとは思います。出身省庁に偏らない人事や、外資系企業などに転出した人材を再採用することなどもあり得るでしょう。とにもかくにも、予算・決算をはじめ、統治のしくみを作り直さないことにはどうにもなりません。政治家も官僚も、本質をとらえ、雑事を捨て去ることが、国難および、それぞれの人生の苦難から抜け出す唯一の道です。

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参議院の勢力図 第180通常国会(第22期参議院・第45期衆議院)の召集にあたって

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[画像]第180常会の参議院の勢力図。

 第180常会(通常国会)の召集にあたり、参議院の勢力図をつくってみました。

 ケータイの種類などで見づらい方は、下のリンクをクリックしていたければ、画像だけのページになります。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/9e/17c0a1138591899a5b5fb9b22798f3e0.jpg

 衆議院は省きます。与党が絶対安定多数をもっていますから。絶対安定多数とは、仮にすべての委員長を与党がとったとしても一番小さい委員会(10人)でも、委員長を除く委員だけで過半数をしめた議席数のことです。おそらく270〜280議席の間でしょう。日本国憲法59条が定める「3分の2」ルール(319議席)はゼッタイムリ。第45期衆議院では、参院否決後の衆院再議決はありません。

 なので、衆院の優越がある「予算案」と「会期の延長案」をのぞく、すべての議案(特例公債法案含む)の成立には参議院での過半数が必要です。参議院では、本会議での押しボタン式投票に議長は参加しません。定数242にですが、241の過半数である「121」が必要という考え方になります。このため、勢力図には、民主党出身の平田健二議長は入れていません。




 民主党・新緑風会の106議席。うち2人は他の政党である「新党大地・真民主」に属します。横峯良郎さん=2007年民主党で当選、平山誠さん=2007年の新党日本名簿で当選)です。鈴木宗男代表(民間人)の指示でつかさつかさに、ゆさぶりをかける可能性は否定できません。民主党員と2人のコミュニケーションを

 国民新党の4人のうち3人が政務三役です。唯一の政府外議員はきょねん「子ども手当つなぎ法」の採決を棄権したことがあります。

 社民党・護憲連合(4)。無所属の糸数慶子さんは投票行動が同じことが多いので、5議席という考え方ができるでしょう。

 新党改革(2)。舛添要一代表は、第22期参議院が始まった2010年の臨時国会中に民主党幹事長と雑誌で対談するなど比較的、民主党に近いスタンスをとっています。今回の「たちあがれ日本」との統一会派解消もその考えのあらわれだと考えられます。テレビ入り質問時間の割り当てで、民主党・新緑風会の配慮が期待されます。

 日本共産党(6)。参院議員団長を兼ねる党書記局長が2010年12月、第22期参議院初の通常国会前に民主党幹事長と会食しその模様を機関紙が報じました。参院では近い立場が時にあります。「子ども手当つなぎ法」は統一地方選前に児童手当の公明党との対決色を高めたい考えがあったようで、賛成しています。このときは、国民新党政調会長が棄権し、みんなの党の1議員が賛成に回ったため、「120対120」の同数となり、西岡武夫議長(当時)が「可決」を宣言しました。

 公明党は19議席です。

 「自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会」は86議席。たちあがれ日本の3議員は新党改革との統一会派を解消し、自民党と合流。これにより会派名は。

 みんなの党は(11)、野党内でも問責決議案や修正案を独自に出すなど第22期参議院で独自色(孤立色)を強めています。なので、自公よりも与党から遠い位置に配しました。

 無所属の尾辻秀久副議長と地元県連との事情で自民党を離党した長谷川太紋さんは自民党と同じ投票行動をとるものとみられます。

 このように法案・議案の可否はすべて、参議院の勢力図をアタマに入れておかないとどうにもなりません。国民一人一人がそうすべきとは言いませんが、少なくとも与党議員はこの勢力図を、大まかでいいですから、アタマに入れておいていただきたいと、国難の折、切に願います。

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あれから4年 元最年少首長の玄素彰人印南町長(38)が審判 日裏勝己前町議との一騎打ちへ

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 あれから4年が経ちました。

 まさに民主党の青春、政権交代を決定づけた第169通常国会(2008年1月18日召集)の際は、衆院予算委員会の当初予算のさいちゅうに、東京を離れて、和歌山に飛びました。

 学生時代からの無二の親友である玄素彰人君(無所属)=写真=が、故郷である和歌山県日高郡印南町長選挙に出馬したからです。彼にとっては前回、町議から町長選に打って出て、破れて、2年半で回ってきたチャンス。しかし、政治的に考えれば、首長選で2度負けて、3度目に勝ったという事例はほとんどなく、34歳にして人生をかけたたたかいだったわけで、駆けつけたわけです。

 結果として、116票差の僅差ながら、初当選。新潟県三条市の國定隼人市長や、三重県三重郡菰野町の石原良敬町長を抜いて、最年少首長、最年少町長となりました。

 この直前に、近畿地方では、38歳の大阪府知事、橋下徹知事が誕生しました。玄素さんの応援弁士も「若いと言われますが、大阪府知事は38歳ですよ」という演説がけっこう説得力を持っていたようです。近畿地方では、「大阪府民」というのはけっこう、オピニオン・リーダーなんだなあと感じました。

 あれから4年。橋下さんはまばゆいばかりに光り輝く日本を代表するスター政治家となりました。政令市・千葉市に31歳の市長、おとといは36歳の女性県都(大津市)市長も誕生しました。今38歳の玄素町長も、日高郡の町村会長や、第三セクターの社長などもやっているようですが、橋下さんを意識せず、下に下にと根を伸ばしてほしいと考えます。印南町の土になれ。

 印南町は海に面しており、海沿いには津波への標識があります。玄素町長も町役場の高台移転をするように側聞しております。

 日本地図全体で行けば、印南町は浜口悟稜の「いなわらの火」や、日本トルコの現在にいたる友情を培った、東郷平八郎や秋山真之の「エルトゥールル号遭難事件」の近くになります。菰野町にしろ印南町にしろ、なぜ紀伊半島では若いリーダーを選ぶ気質があるのか。私はこの4年間に紀伊半島の歴史を調べました。海の幸がありながら、紀伊山地という険峻な山がある。伊勢湾台風では、名古屋で、ある地域では全員が亡くなり、隣の地域では全員が助かったという事例があります。これは、はっきり言えば地域のリーダーの判断だったということのようです。伊勢湾台風は台風自体はさほど強い台風ではありませんでした。また、我が国最初の民放がCBC中部日本放送であることや、中日新聞が我が国最多の発行部数の地方紙(ブロック紙)であることも、伊勢湾台風が影響していることを知りました。

 岡田副総理が伊勢湾台風に言及したことは私が調べた限りありません。記者会見でもいまだ聞く機会がありません。しかし、地域によって被災格差があったこととは無関係ではないと推測しています。ちなみに、近鉄四日市駅前にあった「SSDDSオカダヤ」(現イオン)が2000枚無償配布した毛布のぬくもりをいまだに忘れられないという方がいらっしゃるようです。岡田副総理がイオンに言及されるのを嫌がるのもそれが影響しているかもしれません。

 それはさておき、和歌山県印南町。玄素町長はこの4年間、実績を残してきました。日本テレビ「バンキシャ」でも報道されました。最近では「若い」とか年齢のことを言われることはまったく無くなったようです。ただ、「高飛車」「天狗」という批判もあるようです。そのようはご批判をちょうだいするのは、彼の不徳のいたすところです。私は東京でたまに会った際、任期を折り返したころからそういう気配を感じていました。友人として忠告すべきだったかもしれないと反省しています。ただ、印南町にうかがった際の印象として、気性の荒い方が多い自治体のように感じていたので、町長として強い振る舞いをせざるを得ない面もあるのだろうと考えていました。

 また町議会では論破癖があり、もっとていねいな答弁をすべきだったと考えているようです。昨年末、補正予算案を議会に修正可決されています。しかし、それはいいと思うんです。政治を志した青年時代の初心に帰って、現職のおごりを完全に捨て去れば、自ずと町民は判断してくださるでしょう。そういう成長する良いチャンスを迎えているんだと考えます。私もこの選挙戦どうなるか、とても不安です。ぜひ、背中を押してください。

 きょう告示され、29日に開票される印南町長選には、現職の玄素彰人さんと、新人で前町議の日裏勝己さんが立候補するようです。このあと午前8時半から立候補の受付がスタートします。いずれにしろ、裸の王様にならないよう、印南町民の方はビシッと言うべきことは言っていただきたいと存じます。なお、言うまでもなく玄素さんは党籍は無所属であって、私が民主党支持であることはまったく関係ありません。私はかねてから、我が国では地方選なかんずく首長選では国政政党はあまり関与すべきではないと考えております。

 あれから4年が経ち、国政与党がかわり、政治や経済の状況は大きく変わりました。その中で、日本人の課題として、リーダー選びを好き嫌いではなく、様々な角度からのハッキリした議論と、しっかりした説得で選ぶ文化が我が国に根付いて欲しいと考えています。

 前回の町長選の後、「Kさん」から「あれからテレビに取り上げられたりして印南町もだいぶ変わってきましたよ」、「印南町を第二の故郷だと思ってくださいね」という温かい言葉を頂戴しました。私にとって極めてきつい選挙戦だったけど、すべてが報われた気がしました。4年がたって、国も余裕がない状況になったことも含めて、今回はうかがうことはできませんが、どうぞ良識を示して頂きたく存じます。

 心より、伏して伏して、よろしくお願い申し上げます。

選挙:印南町長選 あす告示 /和歌山 - 毎日jp(毎日新聞)

 任期満了に伴う、印南町長選が24日告示される。再選を目指す現職の玄素彰人氏(38)=無所属=と、新人で前町議の日裏勝己氏(60)=同=の2人が立候補を予定している。

 立候補の受け付けは24日午前8時半〜午後5時、同町役場で。投票は29日午前7時〜午後6時、町内18投票所。同日午後8時から、同町公民館2階大ホールで開票される。昨年12月1日現在の選挙人名簿登録者数は7572人(男3535人、女4037人)。【山中尚登】

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第180通常国会が召集 民主党は最低保障年金・3年金一元化の案を示すべきだ

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[写真]期待がもてる城島光力・民主党国会対策委員長。



 あけましておめでとうございます。第180常会(第180回通常国会)はきょう平成24年2012年1月24日(火)召集されました。会期末は6月21日(木)。

 いきなり変な話で恐縮です。先週月曜日に、党員資格停止で党大会に出席できなかった小沢一郎さんが「新政研(新しい政策研究会)」という会合をやりました。衆院が80人くらい、参院から25人くらい出席したそうで、なんでかなあと思いました。日曜の「時事放談」で野中広務さんが「帰りがけに20万円の金一封が包まれていたという噂を人から聞いた。そしたら十分な日当になりますからね。やはり金が絡んでますよ」と話していました。20万円×100人なら2000万円で、所有マンションを処分すれば、そのくらいのオカネは出てくるでしょう。たしかに民主党若手議員がオカネに苦しんでいるのは目の当たりにしています。小沢さんは古式ゆかしい。小沢さんが岩手4区の被災者に寄付すると公選法に反しますが、岩手2区・3区などの沿岸部の被害者に寄付すればいいのにと思います。ただ、民主党良識派もオカネに苦しんでいる人は多いので、余裕のある人は政治献金をしてほしいですが、どのグループだろうと、「小沢付き民主党は信用できない」というのはごもっとも。民由合併は失敗だったのかなあ。

 召集日の朝から、さわやかさに欠ける話で恐縮しました。

 先週から今週にかけて、民主党良識派からうれしい発言が相次ぎました。

 アフリカ開発会議(日アフリカサミット、TICAD=ティカッド、タイカッド)の第5回がまたまた横浜で開かれることが、2012年1月20日(金)の官房長官会見で発表されました。「なぜまた横浜?」という質問に、藤村修さんは、様々な条件をあげたうえで、「これはやっぱり横浜だ」と述べました。おそらく、横浜とは、みなとみらい21地区のパシフィコ横浜ということでしょうが、高秀秀信・横浜市長も喜んでいるでしょう。横浜市幹部は、「新進党・民主党系の人ってパシフィコ好きだよね〜」と冷やかしますが、気にしない、気にしない。

 21日土曜日には、安住淳・財務大臣の一体改革の地方行脚がスタート。さっそく被災地・仙台で「宮城県に100年先、200年先まで人が住めるように」消費税増税が必要だと訴えました。アニキの勇気にどこまでも付いていきたい。

 22日のNHK日曜討論には城島光力・新国対委員長が登場。城島さんは3党合意をまとめた当事者なので、期待しています。拉致問題解決をめざす「ブリーリボンバッジ」をつけて城島さんは登場。もともとこの運動の事務方が元民社党書記なので、民社協会が熱心にとりくんでいます。自民党の岸田文雄・国対委員長がバッジをしていないのに、公明党の漆原良夫・国対委員長はブルーリボンバッジをしていました。

 さて、この第180通常国会は、マスコミはさかんに「解散含み」「大荒れ必至」と前触れ報道していますが、こういうときは、意外と安定した国会になることはよくあることです。そもそも消費増税準備法案よりも、平成24年度特例公債法案の方が、解散のカギになります。マスコミの報道はややずれています。この本質は見誤らないでください。

 平成23年度第4次補正予算案がきょう提出されます。4次補正(よじほせい)の提出は、昭和22年(1947年)10月4日の第1回特別国会以来、65年ぶり。それだけの国難だということです。補正からの審議入りですが、きょうのうちに政府4演説が衆参であるようです。ちょっとよく分かりませんが、きょう政府4演説をやってしまうので、平成24年度当初予算案の審議入りの際は、財政演説だけでいいのでしょうか。そうだとすると、1週間程度日程を節約できたことになります。

 施政方針演説は、野田佳彦首相、財政演説は、安住淳財務相、外交演説は玄葉光一郎外相、経済演説は古川元久経済財政政策担当大臣というお馴染みのメンバーです。衆参とも演説があった後は、あすは質問通告日で、木金に衆院で、金月に参院で代表質問があります。このところ、質問通告日がないパターンが定着しつつありましたが、質問通告日ができて官僚のみなさんは少し楽になったかも知れません。一方で、衆院議員は4次補正や当初予算の予算委員会審議中はあまり本会議がないので、地元に帰りっぱなしになることも可能です。

 社会保障と税の一体改革では、公明党から社会保障の全体像を示すよう要求されています。私は賛成です。昨年6月に、仙谷由人さんが会長を務めた民主党調査会の「社会保障と税の一体改革の成案」ができたときは、消費税増税準備法案も、社会保障の法案も、てっきりこの通常国会に「一体的に」出すものばかりだと思っていました。その後、このブログで「私の勘違いでした」と書きましたが、やはり、公明党などからは不信感が出たようです。民主党はまず最低保障年金を法案化すべきです。月7万円。そして、報酬比例部分に関しては、今までのグラフよりもより急な下り坂(所得が高いと少なくなる)のものでも、国民の納得は得られると考えます。

 またマニフェストには「年金の一元化」とあいまいな表現で、何をさすのか分かりません。わざとあいまいに書いたという形跡はあまり感じません。ですが、例えば、国民年金と厚生年金の1階部分を一元化するとか。思い切って、国民年金・厚生年金・共済年金の特別会計の一元化を議員立法で押し通して、場合によっては「信を問う」ことにしてもいいのでは。おそらく、「公平性」、「平等性」の観点から行政訴訟になるでしょう。それでも「国民の信」というものは、統治行為論によって、それらを打ち破ることも可能です。3党合意ではお世話になった公明党の坂口力副代表(元厚労相)の発言もよく聞いていると、厚生年金保険料の特別会計を通じた運用面での既得権益というものを重視しているようにも感じられます。まあ当たり前なんですが。

 さはさりながら、厚生年金保険料の労使折半双方の軽減なども含めた「一体改革」で年金の「最低保障機能」を高めないといけません。人間には天寿があります。しかし、どんなに立派に天寿を全うなさる方でも、何歳何ヶ月が天寿か、事前に分かっている人はいませんから。だから、よく地下鉄で、アクティブシニアがポシェットをして日帰り観光をしている姿をお見受けします。今時の東京で、唯一景気の良さそうな方々です。しかし、アクティブシニアなら、楽しく働いていただいた方が、楽しいのではないですかね。ぜひ、最低保障機能を高めるという年金の当たり前の姿に戻すために、むしろ政府外議員が勇気堂々、私案を出したらいいと思います。繰り返しますが、最低保障年金の報酬比例部分の下り坂はもっと急でも大丈夫だと考えます。

 それからうれしいことの付け加えです。「yamachanblog」さんが「控除から手当へ(子ども手当再考)」というのを書いてくださり、とてもうれしかったです。2009年の総選挙のときに私が書いたエントリーを参考にして、「控除から手当へ」という子どものための手当のねらいがよく分かったと書いてくださっています。確定申告書を書いていて、そう思ったのこと。(アー確定申告やり始めなきゃ!)。で、これらはすべて2007年秋に野党・民主党税調が書いた「中期答申」に全部書いてあるので、ぜひ、政府外議員も読んで欲しいです。藤井裕久さんや古川元久さんが書いた物でよくまとまっています。例えば「ナフサの免税の恒久化」という一見すると税制改革が後退したように思える、平成23年度税制改正大綱も、野党時代からの「租税特別措置の簡素化」という考え方からすれば、「免税の恒久化」なので、理にかなっていることになります。与党になって勉強したことの成果です。今後は「租税特別措置透明化法(古川法)」の“伝票”がでてきますので、もっと簡素化できます。もちろん、それにより各種団体は民主党議員にすり寄ってこなくなりますが、今のように目の回るような忙しい日々でなくても、誰か一人は当選するのが小選挙区制ですから、心配ご無用です。

 藤井さんは今月になってから、この中期答申をよく読んでくれ、と繰り返し言っています。野党時代の民主党では、子ども手当に関して、「控除から手当へ」で月1・6万円。それから2007年参院選で月2・6万円。このころから、「子どもは社会の共有財産」という言葉もでてきました。しかし、時折、「子ども手当の理念は、子どもは社会が育てる」と言う人がいますが、私はこんな言葉は野党時代に一度も聞いた覚えがありません。たまに、「子育て」を「子育ち」と呼ぶ人がいますが、そういう人間が、「子どもは社会が育てる」というネグレクト(育児放棄)としか思えない無責任なことを、民主党が与党になった直後に乞食根性で言い出したのではないかと思います。その辺、書いてから2年半経ってから、「yamachanblog」さんが、現実の体験として書いてくださいました。私はいろいろ書いていても、実務としては、所得税の扶養控除も子ども手当の受給も経験しておりませんから、書いていただき、自分としてもアタマが整理でき、勉強になります。ありがとうございます。

 そういう意味では、社会保障と税との一体改革は、もっと説得は簡単なことだと考えられます。油断大敵ですが、そうでしょう。しっかりと本質を捉えてやっていきたい。そのためには、やはり最低保障年金と3年金の一元化は素案を出さないといけないでしょう。出せば、公明党が協議入りしてくれる可能性があります。大胆にやればいいんです。

 第180通常国会は解散含みとされますが、過去半世紀以上、2月・3月に解散されたことはなく、どんなに早くても4月上旬だと思います。私は子どものための手当をめぐる世論が、子育て世代の帰省により、シャッフルされるゴールデンウィーク明けの投票日がいいと思います。しかし、今国会にはNHKによると、81本の閣法が提出されるようです。タイヘン多い数です。内閣官房がまとめた「政府提出法案調べ」をまだもらっていないのですが、今国会は統一地方選も参院選もないので、じっくり時間をとれます。私は20年経って、ようやくそのことに気付いてきたのですが、現職衆院議員というのは与野党とも任期満了までやりたいと本心では考えています。例えば「前回は逆風で比例復活となったが、小選挙区で勝ち上がる自信があるので早く総選挙を闘いたい」とか「野党はもう十分。政権復帰で与党として仕事をしたいので、早く解散してほしい」などといいます。しかし、与党でも野党でも、歳費は同じです。与党の方が、政務三役としての歳費の上乗せや役所からの秘書官、委員長としての手当や公用車がつくぐらいで、歳費が同じなら、任期満了で総選挙をやって良い結果を残せばいいだけであって、前倒しで総選挙をしたいと本心で思っている人は自民党ベテランを含めても一人もいないと思います。だったら、しっかり「働きます国会」にして、閣法だろうが、衆法だろうが、参法だろうが、しっかりつくって天皇陛下にドンドン公布していただく。その先に衆院選の勝敗がある。たくさん法律を作ったから現与党が総選挙に勝つほど単純な世の中ではありません。

 衆院予算委員会の筆頭理事には「ガチンコ相撲の突破力」の鉢呂吉雄さんが入閣した岡田さんの代わりに入りました。岡田さん入閣にともない、民主党行革調査会長には中川正春さん、会長代理には蓮舫さんという、今の民主党ではベストの布陣がとれています。

 城島国対委員長は日曜討論で「熟議の国会であり、懸案を前に進める国会だ」と語りました。浮き足立たずにしっかりと法律をつくっていきましょう。

まあ、なんとかなるものです。

[以下、yamachanblogさんから全文引用はじめ]

2012.01.20 Friday

控除から手当へ(子ども手当再考) 子ども手当については過去に何度か書きました。

子ども手当は誰のため
「子ども手当」にかかわる3党合意について
子ども手当廃止について(1) 子ども手当とは何なのか
子ども手当廃止について(2) 財源論という罠

ぐだぐだと長い文章ばかりで今読み返すとなんだコイツはという感じですが要約すると子ども手当っていうのは子どもに等しく支給されるものであって、それって利権の分配に勤しんできた今までの日本の政治構造からすると結構ドラスティックな変化なんじゃないかということでした。すなわち「子どもを社会で育てる」という理念を体現する象徴的な政策であると思い、支持していました。

いまも基本的な考えは変わっていませんが、ちょっと思うことがあったのでメモっておきます。


1. 扶養控除の廃止をはじめて実感

先日、確定申告の書類を書きまして、子ども手当の開始に伴う「扶養控除の廃止」をはじめて実感しました。というかその仕組みをはじめてちゃんと知りました。無くなった控除額が大きかったのでええ〜と思いつつ(参考:扶養控除Wiki)。

よく試算してみると「児童手当→子ども手当の増額分」と「扶養控除廃止による増税分」は、ほとんどトントンであるようです。3歳未満の場合、児童手当から子ども手当になったことで増えた金額は5,000円(3党合意による改変前までは3,000円)。×12ヶ月分で6万円。一方で、16歳未満の扶養控除廃止により所得税は38万円、住民税は33万円の控除が無くなります。控除廃止による増税額は所得によって変わるので一概に言えませんが、わが家の場合は微増といったところのようです。高所得世帯では負担増になるとのこと。(計算は苦手で、まだ完全に把握したわけではありません。間違っていたらすみません。)

というわけで、子ども手当の導入によって子育て世帯の金額的なメリットが増えたというわけではないことを、(頭だけでなく)身を以て実感したわけです。さて、じゃあ子ども手当っていったい何なのか。

ホリエモンの言うように(これこれ)、親の所得に関係なく一律支給とすることで役人の仕事を減らして費用を浮かすというのも子ども手当のメリットのひとつだと思います。『上杉隆の40字で答えなさい』によると、官僚の仕事とは「無意味な仕事を勝手につくり、次にそれを守るために一丸となって、予算の獲得に努めること」だそうです。警察の天下り先として悪名高い交通安全協会をはじめ、地デジ騒動もそうだし(参考:地デジとはつまり景気対策。でも強制はよくないよね。)、ETCとかエコポイントとかもそうだったのであろうということは振り返ってみると頷けることです。

だからして「単に金持ちに子ども手当を出すのがムカツクという、レベルの低い妬みのために手間のかかる手段を使わざるを得ない状況っていうのは公務員の思うツボ」というホリエモンの指摘には同意しますし、そのために子ども手当への悪い「イメージ」が先行して流布されているような気もします。子ども手当でツイッター検索すると、とにかく子ども手当憎しみたいなコメントがけっこう多くてげんなりとしちゃう。それも若い人に多かったりするのはオイオイと思いますが。

単純に金額を比較すればたしかに子ども手当による受給のメリットはあまりない。だからこんなのはまやかしだとかバラマキだという批判も出るのもやむを得ないでしょう。ぼくも正直言えば、ちっ、なんだそれと思います。でも、それでも「控除から手当へ」という点においてぼくは子ども手当を支持したい。

2007年に民主党税制調査会がまとめた「民主党税制改革大綱」には、「人的控除を精査した上で、必要なものについては、相対的に高所得者に有利な所得控除から手当へと転換する」と記載されているそうです(参考:【子ども手当】税制の「控除→手当」の大原則)。ちなみにこのブログを書かれた方は、「税制の透明化」という民主党税制の基本スタンスが「控除から手当への流れ」なのだと指摘しています。これはなるほどと思いますし、さっきのホリエモンの話にもまた繋がってきます。


2. 控除から手当へ

「控除から手当へ」これが大きなテーマなんですね。
ところがそんなことは全然アナウンスされない。子ども手当をめぐる報道は、単に損か得か、あるいは言った言わないの政局レベルでの話ばかり。日本のマスコミは目先のことしか報じないのでそれは仕方ないにしても、当の民主党自身でさえもきちんと説明しているとは言えない(というか本当に理解してる議員なんてどれくらいいるのか疑問)。それで損得勘定以外の意味を見いだせと言われても難しいでしょう。

だから「子ども手当が貰えると喜んでいる家庭も実は控除廃止で増税されるんですよ」的なことを聞くと、その事実だけに目を奪われて(知ったつもりになって)、なんだよインチキじゃねえかって話になる。でも、ほんとうはその事実から考えるということが「はじまる」はずなんです。ぼくは増税という事実を踏まえた上でこう思います。

「控除から手当へ」の流れによって、税制が透明化されて、官僚による無駄な仕事の創出が少なくなることは歓迎です。それによって政治はもっと身近なものになると予想します。政治が身近になるということは、自分のことを自分で考えるようになるということです。お上(密室)にお任せ、から責任と自由を自分らで引き受ける政治へ…実現するには数十年単位での期間がかかるだろうし、存命中に叶うことはないかもしれません。でもその「流れ」を次世代に引き継ぐことはできる。

さらにもっと大事だと思うのは、子ども手当に限って言えば「控除」と「手当」では家族手当というものに対する考え方がまるきり違うということ。「控除」とはすなわち親の所得によって決まるものであり、子を持つ「親」への措置です。児童手当もその延長上にあるものでした。つまり親の都合に大きく左右されます。それに対して「手当」は、親の所得に関わらず「子ども」へ等しく支給されるものというのが当初の子ども手当でした。すなわち、受給となる対象が違うわけです。

けっきょくは親の口座に振り込まれるんじゃねえかと言われれば、それはそうです。しかし、控除として減税措置されるのと、子どものためにと支給されるのでは「親の側の受け止め方」が違ってきます。子どものためという名目で振り込まれたものならば子どものために使ってあげたいと思うし、やむにやまれず生活費に消えたとしても手当を受けとったという事実は子どもへ向かう態度となって表れます。きれいごと?いえ、これって本能レベルでの話だと思います。ふつうそうですよね。ぼくは自分が親になることではじめてそういうふうに考えるようになりました。

そりゃ中には親のパチンコ代に消える家庭もあるでしょう。でもそれは各家庭の子育てのスタンスであって、そこまで強制できるものではないと思います。政治は道徳の場ではありませんし、ましてや信仰や思想の自由を強制などできない。子ども手当が親のパチンコ代に消えると批判するならば、年金の使い方だって規定されなきゃならないのでは。けっきょく政治に何を求めるのかということに立ち返って考える必要があると思います。


3. おまけ

と、あくまでも子ども手当を受給している中産階級という立場からの現時点での感想を書き留めておきました。べつにこれをもって反対派の人たちを論破したいとかいうわけではまったくありません。立場が違えば意見が異なるのは当然です。なんでわざわざめんどくさいことを書いているのかというと、原稿料が出るわけでもないし、あくまでも自分の中での考えを整理するためにこうして書いているだけです。

頭の中でぐだぐだと考えていることを書くという行為によってアウトプットすることで、頭の中が整理されていきます。以前に書いたものを読み返すと、いまも自身の考えの中核をなしていることから書いたことすら覚えていないこともあります。人の記憶なんていいかげんなものです。ぼくは今回あらためて子ども手当というものに対する考えを確認することができました。これは他ならぬ、ぼくだけのものです。

こうして書いておくことは、記憶に残っていなくても記録に残ります。たとえば今後また子ども手当に関する報道がなされ、単一のフレーズや煽り文句が連呼され始めたときに、その狂騒から一歩引いて考える、その素になるはずです。もちろんその頃にはまた考えが変わっているかもしれません。コイツはこんなこと考えてやがったのか、と鼻で笑う結果になるかもしれない。だからこそ、いま自分が置かれている現場で感じることを書き留めておくことはいましかできないし、大事なんじゃないかと思っています。


関連:
子ども手当と扶養控除--「控除から手当へ」の流れとして - 博多連々(はかたつれづれ)
【子ども手当】税制の「控除→手当」の大原則 - 国会傍聴記by下町の太陽

[全文引用おわり]

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「自分のために何ができるかではなく、次世代のために何ができるかを考えよう」古川元久さん 政府4演説

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[写真]経済財政政策担当大臣の古川元久さん

【2012年1月24日(火) 衆参本会議 政府4演説】

 午前10時から参院本会議、午前11時から衆院本会議で各々、院の構成を決めました。参本では新議員の玉置一弥さんが紹介され、以前とさして変わらぬお元気そうな姿を見ることができました。

 正午から、両院合同の開会式がありました。ちなみに帝国議会では開会式から会期を数えましたが、国会では召集日から会期を数えることになっています。開会式が3日目ぐらいに開かれる国会があるのはこのため。今回はきっちり召集日にやりました。

 この後、政府4演説がありました。朝からテレビ欄を見て、不思議でした。きょうは、国会に平成23年度第4次補正(よじほせい)に加えて、平成24年度当初予算案も同時に提出されたので、一気に政府4演説ができたようです。これで審議日程はだいぶ楽になりました。補正をやると支持率は上がりますから、ホップ、ステップ、ジャンプで消費税政局にのぞんでいきたいところです。

 野田佳彦首相の施政方針演説、玄葉光一郎外相の外交演説、安住淳財務相の財政演説(本予算を先に説明してから補正を説明)、そして、古川元久国務大臣の経済演説がありました。

 このうち印象に残ったのは、古川経財相(内閣府特命担当大臣・経済財政政策担当)の経済演説です。古川さんは46歳、連続当選5回(愛知2区)、勤続15年3ヶ月です。

 古川さんは、「経済財政政策を担当する国務大臣としてその所信を申し述べます」と話を切り出しました。私の記憶する限り、経済演説というのは、経済見通しの数字の羅列だった気がします。「所信を申し述べます」という演説は新機軸ではないでしょうか。と思って、調べたら、過去の経済演説も「所信を申し述べます」で始まっていました。とはいえ、古川演説は能動的な経済を底上げする方向性がしっかりと盛り込まれているのでホントウに「所信を申し述べます」にふさわしい演説だったと思います。演説はていねいにまとめられた力作でした。

 古川さんは「社会のあらゆる場面」での「イノベーション」を打ち出し、ソニー創業者の井深大(いぶか・まさる)さんが「企業にとって必要なのは発明より革新なのだ」と言っていた、という意外なエピソードを紹介します。そして、「わが国が主要な貿易相手国との間で、高いレベルの経済連携を強力に推進し、人や物や資金の交流を強化することはイノベーションの喚起につながる」と、野田内閣の重要なテーマであるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を惹起させるセンスの良さを示しました。

 さらに「南北に細長い国土の多様性と各地で各地で活躍する中小企業の厚みは日本の強み」だとしてそこにイノベーションの種があるとしました。私はこれまで、南北に細長い国土と各地域の中小企業の関係を考えたことはありませんでした。その辺の実例をもっと知ってみたいと感じました。そのうえで、復興特区と総合特区に話をつなげました。

 近江商人の「三方よし」と渋沢栄一の「論語と算盤(そろばん)」に代表される企業の倫理性、社会との共存、持続可能性に言及しました。私は会社員の経験がありますが、私が勤めていた会社にはありませんでしたが、開国の地、横浜の主に二代目から三代目の社長はそういった感覚をしっかり持っていました。そういったわが国の特徴が、わが国の安定性、健全性につながっている。欧州債務危機のなかで、わが国の国債が買われ、長期金利が下がっている、痛し痒しですが、それもそのおかげだと考えます。大震災からわずか10ヶ月ですが、わが国は安全性で、アジアの成長を取り込み、立ち直れると考えています。ただ、私は「三方よし」というのはあまり知らないので、これを機会に調べてみましょう。

 古川さんは落ち着いた口調で「わが国は何度も国難というべき状況に直面し、そのたびにそれを克服してきました。我々日本人の精神構造は柔構造です。しなっても折れることなく元に戻る。そして元に戻ったときには、苦難を経験した分、以前よりさらに強くなっているのです。まさに私たちは、日本という国の底力を世界に示す好機にあると言えるのではないでしょうか」とピンチはチャンスという心強い姿勢をみせてくれました。そのうえで白洲次郎の文章とケネディの就任演説をもじって、「自分のために何ができるかではなく、次世代のために何ができるかを問おうではありませんか」と語りました。

 次世代のために何ができるか。それは野田首相が「不退転の決意」で取り組んでいることです。古川さんは良くも悪くも「オリミンらしい」人で、大いに名を挙げた金融新人類のイメージが強かったのです。正直言って、ややひ弱なイメージを現在まで引きずっておりました。しかし、選挙を経るごとに力を挙げ、そして与党として、意外にも初の入閣でしっかりとたくましさを増しているのだときょうの政府4演説の1人としての演説で感じました。つくづく選挙は政治家を強くするんだと感じます。民主党税制も、第44期衆議院で藤井裕久さんが落選していた時期(長浜博行さんの2007年7月の参院転出で衆院比例南関東で藤井さんが繰り上げ当選)を含めて、古川さんが支えてきました。そういった古川さんの底力をきょうの演説で感じることができました。そして、日本の正念場として、「何度も国難を克服してきた」ことはアタマでは分かっていましたが、政府4演説で聞けたことは大いに安心感を持ちました。

 これに先立ち、総理は初の施政方針演説にのぞみました。国会冒頭の演説は早くも3会期目になりますが、通常国会冒頭の施政方針演説はこれが初めてです。


[画像]施政方針演説する首相の野田佳彦さん、2012年1月24日、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 野田さんは「与野党が信頼関係に立って」という4年前の第169通常国会での福田康夫首相(自民党総裁)の言葉を引用しながら演説をスタート。衆参ねじれの苦しさを感じさせました。そして、「民主党内の政治家の熟議」で一体改革の素案をつくったので、与野党協議に応じて欲しい、とさっそく演壇から呼びかけました。「深刻なイデオロギー対立をはらむものではない」として「今こそ政局より大局を見すえようではありませんか」と述べました。

 復興庁や復興特区など、「復興を進める道具立てができました」としたうえで、東北に3回行って、「どこに行ってもどこか懐かしい郷愁がいたします」としました。私も同感です。東北の復興は東北らしい自然との共生への回帰をめざして、東北にそぐわない大規模な都市再開発はやめてほしいと考えます。

 総理は、第179臨時国会で、「公務員給与8%削減法案と郵政改革法案が大きな考えの違いがなかったのに成立しなかったのは残念だ」と野党を挑発しました。

 このほか、玄葉光一郎外相が外交演説、安住淳財務大臣が財政演説をしました。


[画像]外交演説をする玄葉光一郎外相、2012年1月24日、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 玄葉さんは「最近サウジアラビアで日本の礼儀正しさを紹介するテレビが放送されたら訪日ビザが3倍になった」という風に様々な情報を盛り込み、有益なものでした。しかし、玄葉外交の背骨が見えてこず、物足りなさと冗長さがありました。

 
[画像]第4次補正予算と平成24年度当初予算に関して財政演説する安住淳財務大臣、2012年1月24日、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。 

 財政演説では、平成24年度当初予算案の説明をしてから、平成23年度第4次補正予算案の説明をしました。

 国務大臣の演説に対する各党の代表質問はあさってから。衆院では「新党きづな」(内山晃代表)も質問するようです。来週月曜日まで参院本会議で代表質問がありますので、月曜日のうちには衆院予算委員会で4次補正の趣旨説明があり、審議入りできればいいですね。

 きょう国会に提出された平成23年度第4次補正予算案は
http://www.bb.mof.go.jp/hdocs/bxss010bh23.html

 平成24年度当初予算案は
http://www.bb.mof.go.jp/hdocs/bxss010bh24.html

 のリンク先からpdfで読むことができます。

 「解散含み」だの「日を追うごとに与野党対立激化は必至」だの言われるときほど、国会は意外に安定するものですが、きょうはなかなか良い演説で安定感があり、楽しかったです。第180通常国会、まずは良いスタートを切れました。
 

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